不動産売却完全ガイド!売却の流れやポイントを解説

「不動産の売却を検討しているんだけど、何から始めたら良いんだろう?」

「仲介と買取、どっちを選ぶのが良いのかな?」

このようにお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産売却には「仲介」と「買取」という2つの方法があり、仲介の方が一般的です。

この記事では不動産を仲介で売却する場合を中心に売却の流れや成功するためのコツなどについて詳しくご説明します。

この記事を読めば不動産売却をどのように進めるべきなのか分かりますよ。

不動産売却のプロ
仲介での不動産売却には同時に複数の不動産会社に査定を依頼できる不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。以下のようなサービスを利用して高い査定額を出してくれる不動産会社を探してみましょう。

この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
公認会計士・税理士・行政書士。相続税対策に強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。株式会社チェスターでは、年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている。 TV/雑誌など各種メディアからの取材歴多数。また、土地や相続についての書籍も多数出版している。
株式会社チェスターは、総勢200名以上の税理士法人グループの不動産会社です

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目次

1.不動産売却の2つの方法

不動産売却について調べていると、「仲介」と「買取」という2つの言葉を目にするのではないでしょうか。

仲介と買取は何が違うの?
どっちを選ぶのが良いんだろう?

というのが気になる点ですよね。

まずは仲介と買取の違いやどちらを選ぶべきかについてご説明しましょう。

1-1.仲介での売却

仲介は不動産会社に買い主探しを依頼し、買い主との価格などの契約条件の調整を文字どおり仲介してもらう方法です。

不動産業界では仲介ではなく「媒介」といいます。

不動産売却においては、買取より仲介での売却の方が一般的です。

仲介での売却は、買取よりも高値で売却できる傾向にあります。

不動産売却のプロ
不動産会社に買取を依頼した場合、売却価格は市場相場の7割程度になるといわれています。

特別な事情がなければ仲介での売却を選ぶのが良いと考えられるでしょう。

ただし仲介での売却は一般的に3〜6カ月ほどの時間がかかります。

状況によってはさらに長引く可能性もあるので時間的な余裕が必要だといえるでしょう。

1-2.買取での売却

一方買取は不動産会社に直接不動産を売却する方法で、「直接買取」とも呼ばれます。

不動産会社にとって「買取」はいわば「仕入れ」です。

売り主から買い取った不動産を(必要に応じてリフォームし)売却したり賃貸に出したりして利益を上げます。

そのため買取は仲介での売却に比べ売却価格が安く、市場価格の7割程度になることが一般的です。

基本的には売却価格の高い仲介での売却がおすすめですが、状況によっては買取で売却を行った方が良い場合もあります。

以下に当てはまる方は買取での売却を検討しても良いでしょう。

【買取での売却がおすすめの場合】
  • ・売却の成立を急いでいる方
  • ・個人への売却が難しい高額の物件を売却したい方
  • ・借地権、共有、賃貸中の物件、再建築不可などの権利関係の複雑な物件を売却したい方
  • ・そのままの状態では売却が難しくリフォームを行った方が良い物件を売却したい方

買い主探しに時間がかかってしまう仲介と違い、買取での売却の場合、不動産会社がスムーズに見つかれば数日のうちに売買契約が成立し引き渡しを行えます

急な引っ越しなどで売却を急いでいる場合は買取を検討した方が良いといえるでしょう。

また個人の買い主が見つかりづらい一棟マンション、一棟アパート、ビルなどの高額物件も不動産会社への売却がおすすめです。

さらにそのままの状態では買い主が見つかりづらいリフォームが必要な物件も不動産会社ならば買い取ってくれる可能性があります。

不動産売却のプロ
仲介と買取、どちらでの売却が良いのか迷った場合にはまず不動産会社に相談してみるという手もありますよ。

2.仲介で不動産を売却する流れ

仲介で不動産を売却しようと思うんだけど、何から始めて良いんだろう?

特に初めての場合、何から始めて良いのか分からずに困ってしまいますよね。

まずは仲介で不動産売却を行う際の流れをご説明しましょう。

不動産売却のプロ
買取での不動産売却の流れは記事の後半でご説明しています。「5.買取で不動産を売却する流れ」をご覧ください。

STEP1 売却に必要な書類を用意する

不動産を売却する際にはさまざまな書類が必要になります。

事前に書類を準備しておくことでスムーズに進められるといえるでしょう。

不動産売却の手続き開始から売買契約に至るまでに一般的に必要となる書類は以下のとおりです。

【不動産を売るときに必要な主な書類と取得場所】
※横にスクロールできます
書類名 説明 マンション 一戸建て 土地
身分証明書 運転免許証など 必須 必須 必須
土地・建物登記済証(権利証)
または登記識別情報
不動産の所有者であることの証明 必須 必須 必須
固定資産税納税・都市計画税納税通知書 買い主との固定資産税清算に使用 必須 必須 必須
物件の図面、設備の仕様書 間取り確認などに使用 必須 必須
地積測量図、境界確認書 隣地との境界確認に使用 必須 必須
建築確認済証、検査済証 新築で購入していた場合は購入時に入手済 必須
マンションの管理規約、使用細則、
維持費関連書類
買い主に引き継ぎ 必須
売買契約書 不動産購入時に以前の買い主と交わしたもの あれば あれば あれば
重要事項説明書 不動産購入時に不動産会社から受け取ったもの あれば あれば あれば
建築設計図書、工事記録書 工事を行った際の図面と仕様書 あれば あれば あれば
耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書 古い建物の場合、信頼性の担保に使用 あれば あれば
メモ
ここでご紹介しているのは媒介契約売却活動の際に必要となる書類です。売買契約時や引き渡し時に必要な書類は後ほどご紹介します。

基本的にはその不動産を入手した際に同時に手に入れた書類をそろえておくとスムーズに進められるといえるでしょう。

ここに挙げた書類が見つからなかったからといって、売却に進めないわけではないのでご安心くださいね。

不動産売却のプロ
書類に関して分からないことがあれば実際に仲介を依頼する不動産会社が決まってから、担当者に確認すると良いでしょう。

STEP2 不動産会社に査定を依頼する

概ね必要な書類がそろったら、不動産会社に査定を依頼します。

売却において不動産会社選びは最も重要なポイントです。

不動産がいくらで売れるかは、買い主探しを行う不動産会社の担当者の腕にかかっているといえます。

必ず複数の不動産会社に査定を依頼し、結果や担当者の対応を見比べて依頼する不動産会社を決めるようにしましょう。

なお不動産査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。

机上査定は「簡易査定」ともいい、立地や広さ、間取り、築年数などの物件の情報と周辺の不動産の取引価格や市場動向などのデータをもとに査定額の算出を行います。

訪問査定では机上査定の結果をもとに、不動産会社の担当者が現地を訪問して物件の状態や周辺環境などを加味して査定額を算出します。

まずは机上査定を依頼し、それから訪問査定に進むのが一般的です。

6〜10社程度に机上査定を依頼し、そのなかから気になった2〜3社に訪問査定を依頼して実際に仲介を依頼する不動産会社を選ぶと良いでしょう。

机上査定と訪問査定
不動産売却のプロ
ご自分で不動産会社を何社も調べてそれぞれに査定を依頼するのは大変ですが、「不動産一括査定サイト」を使えば簡単に複数社に査定を依頼できますよ。詳しくは記事の後半でご紹介しているのでご覧くださいね。

STEP3 不動産会社を選ぶ

査定結果が出そろったら、実際に契約を結ぶ不動産会社を選びます。

不動産会社選びの際は査定額はもちろん、その根拠や担当者の対応などをきちんとチェックしましょう。

査定額が高い不動産会社を選べば良いんじゃないの?

このようにお思いかもしれませんが、仲介において不動産会社の提示する査定額はあくまで目安でしかなく、その金額での売却成立を保証するものではありません。

不動産売却のプロ
なお、不動産会社による査定額は概ね3カ月程度で売却できるであろう価格を目安に算出されるのが一般的です。

なかには相場よりも高い査定額で媒介契約を促そうとする悪質な不動産会社も存在するので、きちんとした根拠に基づいて査定額が算出されているかという点が重要になります。

また不動産会社の担当者の対応もしっかりチェックしておくと良いでしょう。

仲介での売却は売却活動に時間がかかるので、数カ月にわたってやりとりする可能性もあります。

ストレスなくコミュニケーションができるかという点は非常に重要になるので対応が丁寧かつ迅速かしっかり確認しておきましょう。

不動産売却のプロ
不動産会社選びのコツは「ポイント2 査定額の根拠を確認する」で詳しくご説明しています。

STEP4 不動産会社と媒介契約を結ぶ

仲介を依頼する不動産会社が決まったら、不動産会社と媒介契約を結びます。

媒介契約には以下の3種類があります。

【媒介契約の種類】
  • ・専属専任媒介契約
  • ・専任媒介契約
  • ・一般媒介契約

一般的には専属専任媒介契約か専任媒介契約を結ぶのが良いでしょう。

専属専任媒介契約か専任媒介契約のいずれかを結んだ場合、他の不動産会社と同時に媒介契約を結ぶことはできません。

代わりに不動産会社が売却活動を積極的に行ってくれることが期待できます。

専属専任媒介契約および専任媒介契約では不動産会社から売り主に対して定期的な売却活動の状況報告があります。

売却活動がどのように進められているのか報告があれば安心して任せられますよね。

また専属専任媒介契約と専任媒介契約では「レインズ」への物件登録も義務付けられています。

レインズとは
「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の略で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構(レインズ)が運営する不動産会社同士が不動産物件情報を交換するためのコンピュータネットワークシステムです。会員となっている不動産会社はレインズを通じて売却・賃貸中の不動産に関する情報を共有しています。

レインズに登録された不動産情報は宅地建物取引業者(不動産会社)であれば閲覧できるので、不動産購入を検討している方から依頼を受けた他の不動産会社がレインズを見て売り主の依頼した不動産会社に連絡を取り、買い主が見つかるケースもあります。

レインズに登録されている物件は広く閲覧されるチャンスがあるのでその分買い主が見つかりやすいと考えられるのですね。

専属専任媒介契約と専任媒介契約の大きな違いは、自己発見取引が禁止されているか否か、という点です。

自己発見取引とは
売り主が自分で買い主を見つけ、不動産会社を通さずに行う取引です。

専属専任媒介契約では自己発見取引が禁止されている代わりに不動産会社からの報告の頻度が1週間に1回以上と高く、レインズへの登録期限も早く設定されています。

一般媒介契約はどういうものなの?

一般媒介契約は、売り主が複数の不動産会社と結ぶことができる媒介契約です。

自己発見取引も禁止されていないので範囲を限定せず自由に買い主を探せるといえますが、複数の不動産会社と自分でやりとりする手間がかかってしまいます。

また不動産会社からしてみれば一般媒介契約を結んだ不動産は売却活動を進めても他社で売買契約を締結されるリスクがあるため、特に人気エリアの不動産でもない限り、他の媒介契約に比べ売却活動を積極的に行ってもらえない可能性があります。

不動産会社からの定期的な報告やレインズへの登録も義務付けられていません。

【媒介契約の種類】
※横にスクロールできます
契約の種類 売却活動に関する
報告の義務
他社との同時契約 レインズへの
登録義務
自己発見取引 契約期間
専属専任媒介契約 1週間に1回以上 不可 契約から5日以内 不可 最長3カ月
専任媒介契約 2週間に1回以上 不可 契約から7日以内 最長3カ月
一般媒介契約 なし なし 規定なし(3カ月が一般的)

自己発見取引の可能性がない場合は専属専任媒介契約、自己発見取引の可能性がある場合は専任媒介契約を選ぶのが良いでしょう。

また媒介契約を結ぶ前に必ず媒介手数料と解約の条件を確認しておきましょう。

媒介手数料は売買契約が成立して初めて発生するシステムで、担当者の人件費や広告費もこれに含まれています。

不動産会社は特殊な場合を除き、売り主に媒介手数料以外の費用を請求してはならないことになっています。

メモ
売り主から事前の承諾を得て特殊な売却活動を行った場合や、契約期間の満了を待たず売り主の都合で契約破棄に至った場合は不動産会社はその費用を請求することができます。

媒介手数料は成約価格に応じて上限が決まっています

媒介手数料の上限は以下の速算式で求めることができますよ。

【媒介手数料の上限】
成約価格(税抜) 仲介手数料の上限(税抜)
200万円以下 成約価格(税抜)×5%
200万円超400万円以下 成約価格(税抜)×4%+2万円
400万円超 成約価格(税抜)×3%+6万円

さらに媒介手数料には消費税がかかるという点には注意が必要です。

上に示したのはあくまでも上限であるため不動産会社によってはそれを下回る媒介手数料が設定されている場合や、交渉次第で媒介手数料を割引してもらえる場合もあります。

媒介手数料の値引き交渉のチャンスがあるのも契約締結前だといえるでしょう。

ただし売却活動にかかる費用も手数料に含まれているため、あまり手数料が下がり過ぎると十分な売却活動を行ってもらえない可能性があることも理解しておきましょう。

不動産売却のプロ
媒介契約についてさらに詳しく知りたいという方は「不動産売却時の媒介契約とは?専属専任・専任・一般媒介契約の違い」の記事をご覧ください。

媒介契約を結ぶのに最低限必要だとされているのは以下の書類などです。

【媒介契約時に必要な書類など】
  • ・身分証明書
  • ・登記済権利証または登記識別情報通知
  • ・認印

その他に売却活動時に必要になる書類やあれば売却活動の助けになると考えられる書類もあるので、詳しくは不動産会社の担当者に確認しましょう。

STEP5 不動産会社が売却活動を行う

媒介契約を結んだら、不動産会社が売却活動を行います。

レインズへの登録を行ったり、チラシを作成して近隣にポスティングしたり、SUUMOやLIFULL HOME’Sなどの不動産ポータルサイトに情報を掲載したりします。

現在、不動産を探す方の多くはインターネットでの情報収集をしているものと考えられます。

売却したい不動産がネット上でどのようにアピールされているのか確認しておくと良いでしょう。

事前に確認できる情報が充実していればその購入希望者の興味を引けると考えられます。

STEP6 買い主と売買契約を結ぶ

買い主が見つかったら、いよいよ売買契約を結びます。

売買契約時に必要な書類などは以下のとおりです。

【売買契約時に必要な書類など】
  • ・身分証明書
  • ・実印
  • ・登記済権利証または登記識別情報通知
  • ・印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの)
  • ・住民票
  • ・固定資産税納税通知書
  • ・収入印紙(契約額に応じて売買契約書に貼付)

契約の前には不動産会社の担当者(宅地建物取引士)から買い主に不動産の公法上の規制、権利関係などに関する「重要事項説明」が行われ、書面が交付されます。

売り主も内容を確認するようにしましょう。

重要事項説明が済んだら、売買契約書、物件状況等報告書、設備表などの読み合わせが行われます。

こちらも必ず内容を確認しておきましょう。

売買契約書など全ての書類に署名・捺印が終われば契約の成立です。

このとき買い主から売り主に成約価格の10%程度の「手付金」が支払われるケースが一般的です。

また売り主は取引を媒介した不動産会社に対して媒介手数料の半額を支払うことになります。

STEP7 引き渡し

売買契約が済んだら、引き渡しに進みます。

不動産の引き渡し日が、不動産の所有権を売り主から買い主に移る日であることが一般的です。

引き渡し日には以下のような手続きを行うことになります。

【引き渡し日に行う手続き】
  • ・代金の決済
  • ・登記の変更
  • ・その他の費用の清算
  • ・その他必要書類の引き渡し
  • ・鍵の引き渡し
  • ・媒介手数料の支払い

「代金の決済」とあるとおり、手付金を差し引いた代金が振り込まれるのもこの日です。

媒介手数料の残額もこの日に支払うのが一般的です。

引き渡しには取引を媒介した不動産会社で行うケース、買い主がローンの融資を受ける金融機関で行うケース、登記手続きを行う司法書士事務所で行うケースなどがあります。

必要な書類などは以下のとおりです。

【引き渡し時に必要な書類など】
  • ・身分証明書
  • ・登記済権利証または登記識別情報通知
  • ・印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの)
  • ・住民票
  • ・鍵一式
  • ・買い主に引き継ぐ書類など

買い主に引き継ぐ書類とは、建築確認済証や境界確認書、測量図などです。

マンションの場合は建築・分譲時のパンフレットや管理規約、設備の取扱説明書・保証書なども引き渡します。

不動産売却のプロ
登記関連の手続きは司法書士に依頼することが一般的です。手続きや依頼については事前に不動産会社の担当者と確認しておきましょう。

3.仲介での不動産売却に失敗しないためのポイント

大体の流れは分かったけど、ちゃんと良い不動産会社を見つけられるか不安だなあ……。
仲介で気を付けておくべきことはなんだろう?

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

特に不動産売却が初めてであれば不安にお思いになることも多くあるでしょう。

ここでは仲介での不動産売却に失敗しないためのポイントをお伝えします。

ポイント1 複数の不動産会社に査定を依頼する

不動産売却に失敗しないために何よりも重要なのは、複数の不動産会社に査定を依頼するということです。

不動産会社によって得意とする不動産の種類や販路などが異なるため、会社によって査定額も変わります。

一社だけに査定を依頼しそのまま進めてしまうと、

「本当はもっと高く売れたのにそれを知らずに売却してしまった……」

ということも起きかねません。

複数の不動産会社に査定を依頼し、より高値での売却を実現してくれそうな不動産会社と媒介契約を結ぶようにしましょう。

不動産売却のプロ
大手と地元密着型の会社、売りたい不動産の売却実績が多い会社などさまざまな特色の不動産会社にバランスよく査定を依頼するのもポイントの一つですよ。

ご自分で不動産会社を探すのは大変ですが不動産一括査定サイトを利用すれば簡単に複数社に査定が依頼できます。

不動産一括査定サイトとはその名のとおり複数の不動産会社に一括査定を依頼できるサイトのことです。

広さや築年数、部屋数など売りたい不動産に関する情報と連絡先を入力するだけで、そのサイトに参加する不動産会社のなかから該当地域の不動産を取り扱える不動産会社がピックアップされます。

そのなかから査定を依頼したい不動産会社を自分でピックアップして一括で依頼できる仕組みになっています。

不動産一括査定サイトによっても参加している不動産会社の傾向が異なるので、複数の不動産一括査定サイトを利用するのが理想的だといえるでしょう。

おすすめなのは「提携会社数が多く大手から中小までさまざまな不動産会社が参加しているサイト」「自分の売りたい物件に特化したサイト」「業界最大手に査定が依頼できるサイト」の3つを組み合わせることです。

不動産一括査定サイトの組み合わせ例

まずは大手から中小までさまざまな規模の不動産会社がバランス良く参加している不動産一括査定サイトに依頼し、おおよその相場を掴みましょう。

不動産一括査定サイトの王道であるHOME4Uや、提携会社数の多いSUUMOLIFULL HOME’Sに査定を依頼するのがおすすめです。

サービス名 参加不動産
会社数
同時査定依頼可能数
HOME4U 1,800社 最大6社
LIFULL HOME’S 3,175社 最大10社
SUUMO 非公開(店舗数としては2,000以上) 最大10社

その上で自分が売りたい物件に強みのある一括査定サイトを利用し、一つ目のサイトと査定結果を比較してみましょう。

例えば都会のマンションを売りたい場合はおうちダイレクト、地方の物件を査定に出す場合はイエウールがおすすめです。

サービス名 参加不動産会社数 同時査定依頼可能数
おうちダイレクト 10社 最大10社
イエウール 約1,970社以上 最大6社

最後に、その他の不動産一括査定サイトには参加していない最大手の不動産会社に査定が依頼できるすまいValueで大手の査定額を確かめてみましょう。

業界最大手の6社に同時に査定を依頼できるのはすまいValueだけなので、利用しない手はありません。

不動産売却のプロ
それぞれのサービスについて詳しくは「4.仲介で不動産を売却する場合のおすすめ一括査定サイト」でご紹介しています。

ポイント2 査定額の根拠を確認する

複数の不動産会社に査定を依頼し、査定の結果が出そろったらいよいよ不動産会社選びに進みます。

不動産ポータルサイトや国土交通省の不動産取引価格情報検索などで周辺の不動産相場を調べ査定額と見比べるのも良いでしょう。

類似の物件の価格を調べれば相場感の把握ができますよ。

査定額と相場が大きく離れていないかという点もポイントになるはずです。

メモ
不動産ポータルサイトで確認できるのは現在売りに出されている不動産の売り主の希望価格であり、その価格で実際に取引されるとは限りません。

「査定額が高い会社を選べば良いんじゃないの?」

と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、査定額が高ければ高いほど良いというものでもありません

なかにはとにかく媒介契約を結ばせるために意図的に高い査定額を提示し、契約を結ぶと媒介手数料欲しさに必要以上に値下げを促して売却を急がせる悪質な不動産会社も存在します。

そのため査定額の根拠を確認することが重要なのです。

不動産会社について定めた法律「宅地建物取引業法」の第34条の2第2項においても、以下のとおり根拠を提示することが義務付けられています。

宅地建物取引業法 第34条の2第2項
宅地建物取引業者は、前項第2号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。

また不動産会社の担当者の対応に信頼がおけるかという点も重要なポイントです。

不動産売却のプロ
その他にも以下のような点を確認しておくと良いでしょう。

【不動産会社選びの際に確認しておきたいポイント】
  • ・売却活動はどのように行うのか
  • ・売却したい不動産のある地域にどれくらい詳しいか
  • ・他社とどのようにサービスが違うのか
  • ・どれくらいの期間で買い主が見つかる見込みか

ポイント3 余裕を持ったスケジュールを立てる

仲介での売却は、一般的に3カ月〜6カ月ほどの時間がかかるといわれています。

状況によってはさらに時間がかかってしまうこともあるかもしれません。

売却を急いでいると、どうしても売り出し価格を下げるなどの妥協をせざるを得なくなってしまいます。

仲介で売却したい場合はできるだけ余裕を持って行動するのがポイントですよ。

ポイント4 掃除は丁寧に

不動産を買う側の気持ちに立ってみれば、できるだけきれいな物件を買いたいと思うのは当然のことですよね。

マンションや一戸建て住宅などの建物は、売りに出す前に徹底的に掃除を行いましょう。

特に水回りは多くの方が気になるポイントなので、丁寧に掃除しておきたいところです。

不動産会社と相談し必要に応じてハウスクリーニングなどを行うのも良いでしょう。

また暗い部屋は購入希望者の心証を悪くしてしまうので、明るい照明を取り付けておくのもポイントですよ。

ポイント5 大々的なリフォームはしない

「古い家だから、売りに出す前にリフォームをした方が良いのかな……」

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし売却のために大々的なリフォームを行うことはおすすめできません。

リフォームを行ってもその分を売却価格に上乗せするのは難しいといわれています。

また中古マンションや中古住宅の購入を検討している方のなかには、購入後にリフォームをして新築よりも安く自分好みの家をつくることを目的としている方も少なくありません。

不動産売却のプロ
傷みが気になる場合は小規模な修繕を行うのも一つの手ですが、自己判断で進めずまずは不動産会社の担当者に相談するのが良いといえるでしょう。

ポイント6 囲い込みに注意する

売却活動を不動産会社に任せきりにしていて、

「不動産を売りに出したのに、なかなか買い主が見つからない……」

という場合、「囲い込み」が行われていないか要注意です。

囲い込みとは
不動産会社が媒介の依頼を受けた不動産を他の不動産会社の顧客に紹介しようとせず、自社の顧客から買い主を見つけようとすることです。

不動産会社は自社で顧客を見つけることができれば売り主からも買い主からも媒介手数料を受け取ることができます。(不動産業界では「両手仲介」または「両手取引」と呼ばれています)

そのため悪質な不動産会社は他社からの問い合わせをシャットアウトして自社の顧客から買い主を見つけようと囲い込みを行ってしまうのです。

囲い込みが行われないようにするためには、レインズの「登録証明書」を不動産会社からもらっておくことがポイントです。

レインズは不動産業者(宅地建物取引業者)向けの物件情報共有サイトですが、登録証明書に記載されたURLとパスワードを利用すれば売りに出した物件の掲載情報を確認することができます。

「公開中」「書面による購入申し込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」など、ステータスがどのようになっているかチェックしておきましょう。

売却活動中であるにもかかわらず「一時紹介停止中」になっている場合は囲い込みが行われていると考えられます。

ポイント7 内見の際は丁寧に対応する

売却活動を進めるのは不動産会社ですが、可能であれば内見に立ち会い、丁寧に対応しましょう。

内見(内覧)に売り主が対応することで実際にその不動産に住んでいた方にしか分からない魅力を伝えることができます。

日当たりの良さなど不動産自体の魅力はもちろん、近くに品ぞろえの良いスーパーがあるといった近隣の環境も気になるところでしょう。

具体的に伝えることで心証アップにつながるかもしれませんよ。

不動産売却のプロ
物件をきれいにしておくのはもちろん、スリッパを用意したり、照明を明るくしたりといった細かな気遣いも購入につながるポイントです。

また近年ではインテリアを工夫し室内をモデルルームのように飾り付ける「ホームステージング」と呼ばれる手法も広まりつつあります。

実際に購入した後の暮らしが想像できることで購入希望者の購買意欲を高められると考えられますね。

不動産会社の担当者と相談してみましょう。

ポイント8 不動産の不具合は正直に伝える

「水回りに故障があるんだけど、言わなきゃ分からないから黙っていようかな」

うっかりこのように考えてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産の「瑕疵(かし)」を隠すのは禁物です。

瑕疵とは
設備の故障など、なんらかの欠陥や不具合のことです。雨漏りや建物の虫食い、土壌汚染などが該当します。

このような瑕疵を隠して売却し「契約内容と異なるものを売却した」と判断できる場合、売り主は「契約不適合責任」を問われ、買い主から補修代金の支払いや代金の減額、契約解除、損害賠償などを迫られる可能性があります。

契約不適合責任とは
売買契約において売り主が買い主に引き渡した物が「契約内容に適合していない」と判断された場合に売り主が問われる責任です。2020年4月の民法改正以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていました。

契約不適合責任に問われる可能性があるのは、売買契約書や重要事項説明書に記載されていない瑕疵が発見された場合です。

つまり事前に瑕疵があることを伝え、契約書などにしっかりと記載しておけば契約不適合責任を問われることはありません

不動産売却のプロ
不動産を売りに出す際は事前に瑕疵がないかしっかり確認し、見つかった場合は包み隠さず正直に買い主に伝えるようにしましょう。

ポイント9 確定申告を忘れない

「売買契約と引き渡しが終われば一安心……」

と思ってしまうところですが、売却が完了したからといって安心はできません。

不動産を売却して利益(不動産譲渡所得)が出た場合、翌年に確定申告が必要となるので注意してください。

確定申告とは
1年間の所得の合計金額を所轄の税務署に申告し、所得に応じた税金を確定、納税する手続きです。

確定申告では、前年の1月1日〜12月31日の所得を翌年の2月中旬〜3月中旬に申告します。(2020年および2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け申告期間が延長されました。)

通常一社に雇用されている方は源泉徴収と年末調整がその役割を果たすため確定申告は不要ですが、譲渡益が出た場合は給与とは別に所得が発生している形になるので確定申告が必要になります。

なお譲渡益は売却価格から取得費(その不動産を買ったときの価格と諸費用)、売ったときの諸費用を差し引いて計算します。

メモ
取得費は、土地の場合であれば購入価格をそのまま取得費として計算しますが、建物の場合は経年によって減少した価値を差し引く「減価償却」の処理が必要です。

マイホーム(居住用住宅)を売却した場合は特別控除が適用されるのでしっかりと確認しておきましょう。

不動産売却のプロ
脱税に当たる場合は指摘されますが、適用可能な控除を知らずに課税所得を多く申告してしまっても指摘や税金の返還はありません。よく確認して控除を活用することが重要です。

また譲渡益がマイナスになった場合は確定申告は義務ではないものの、行うことで節税になる可能性があるので忘れないようにしましょう

譲渡益がマイナスになった場合、損失分は所得と「損益通算」を行える場合があります。

損益通算とは
一定期間内の利益と損失を相殺することです。損益通算を行うことにより課税所得額が小さくなるため、支払わなければならない税額もそれに伴って小さくなります。

確定申告についても、不動産会社の担当者に確認しておくと良いでしょう。

4.仲介で不動産を売却する場合のおすすめ一括査定サイト

査定を依頼する不動産会社はどうやって選べば良いんだろう?
どの不動産一括査定サイトを利用すれば良いのかな?

不動産売却において最も重要な過程ともいえる査定と不動産会社選びは、どうして良いのか迷ってしまいますよね。

信頼のおける不動産一括査定サイトを利用することで簡単に複数の不動産会社に机上査定を依頼できますよ。

不動産一括査定サイトでは悪質な不動産業者を排除する取り組みも行なっているので、安心して利用できるのもうれしいポイントです。

ここではおすすめの不動産一括査定サイトをご紹介しましょう。

ご自分の売りたい不動産の立地や種類に合わせて利用する不動産一括査定サイトを選んでくださいね。

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同時査定依頼可能数 最大6社

HOME4Uは2001年にサービスが開始された日本で最も歴史の古い不動産一括査定サイトです。

官公庁などとも取引があるNTTデータグループの「NTTデータ スマートソーシング」という企業が運営しているので、安心して個人情報を入力できるといえるでしょう。

また悪質な不動産会社を排除するための独自の取り組みを行っている点も魅力的です。

ユーザーの安心感を重視してサービスを提供しているからこそ多くの方に信頼されているのですね。

全国の不動産会社1,800社が参加しており、都市部から地方まで幅広い地域をカバーしています。

同時に最大6社まで査定依頼が可能なので、きっと信頼できる不動産会社を見つけることができますよ。

不動産一括査定サイトを利用する際はまずはHOME4Uを試してみるのがおすすめです。

おすすめ2 すまいValue:業界をけん引する大手6社が運営

メリット
業界トップクラスの大手6社に一括査定が依頼できる
他の一括査定サイトでは依頼できない大手企業が参加
デメリット
6社以外の不動産会社には査定を依頼できない
こんな人におすすめ!
業界トップの不動産会社に査定を依頼したい方
名前を知っている安心感のある会社に査定を依頼したい方
運営会社 東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井のリハウス、小田急不動産、野村不動産ソリューションズ
参加不動産
会社数
6社
同時査定依頼可能数 最大6社

すまいValueは、不動産仲介を行う不動産会社のなかでも特に大手といえる6社が共同で運営を行う不動産一括査定サイトです。

東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井のリハウス、小田急不動産、野村の仲介+(野村不動産ソリューションズ)が運営を行っています。

参加不動産会社数は少ないものの、複数の大手不動産会社に同時に査定を依頼できるという唯一無二の特長があるため、利用価値が高いサイトだといえるでしょう。

なかにはすまいValueにしか参加していない大手不動産会社もあります。

誰もが知っている大手の不動産会社に査定を依頼したいという方にはすまいValueがおすすめですよ。

おすすめ3 SUUMO:知名度No.1だから安心感も抜群

メリット
大手から中小まで幅広い不動産会社が参加
参加している不動産会社の詳細な情報が確認できる
デメリット
一部地域は取扱対象外
大手3社には査定依頼できない
こんな人におすすめ!
都市部の不動産を売却したい方
まずは大手サービスを利用したい方
運営会社 リクルート
参加不動産
会社数
非公開(店舗数としては全国2,000以上)
同時査定依頼可能数 最大10社

賃貸探しのポータルサイト「SUUMO」をご存知の方は多いのではないでしょうか。

実はSUUMOは不動産一括査定サイトも運営しているのです。
耳なじみのあるサービスだから安心感がありますよね。

大手から地域に密着した中小まで、非常に幅広い不動産会社が参加しているのできっと信頼のおける不動産会社が見つかりますよ。

売却実績や営業スタッフの人数など査定を依頼できる不動産会社に関する詳細な情報が確認できるのもうれしいポイントです。

一部地域が取扱対象外となっているのが唯一のデメリットといえますが、まずはご自分の売りたい不動産で利用ができるか気軽に確かめてみるのが良いでしょう。

おすすめ4 LIFULL HOME’S:参加不動産会社数最多クラス

メリット
3,175社の不動産会社が参加
総掲載物件数ナンバーワンの物件サイトが運営
デメリット
大手3社には査定依頼できない
こんな人におすすめ!
地方の物件をお持ちの方
安心感のあるサービスを利用したい方
運営会社 LIFULL
参加不動産
会社数
3,175社
同時査定依頼可能数 最大10社

HOME’S一括査定は総掲載物件数ナンバーワンの不動産ポータルサイトLIFULL HOME’Sが運営する不動産一括査定サイトです。

CMなどでぃフッのが HOME’Sの名前を聞いたことがあるという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

なんと全国3,175社の不動産会社が参加しており、他の不動産一括査定サイトでは不動産会社を見つけられなかった場合でもHOME’S一括査定なら信頼のおける不動産業者を見つけられる可能性が高いといえます。

またユーザーが安心して利用できるよう工夫が凝らされているのもうれしいポイントです。

HOME’Sが設けた独自の基準をクリアしている不動産会社だけが参加しており、個人情報の取り扱いも徹底されています。

きっと相性の良い不動産会社を見つけることができますよ。

おすすめ5 イエウール:地方の物件を売りたい方におすすめ

メリット
全国1,900社以上の不動産会社が参加
地方の物件も査定依頼が出せる可能性が高い
デメリット
大手3社には査定依頼できない
こんな人におすすめ!
地方の不動産を売却したい方
運営会社 Speee
参加不動産
会社数
1,970社以上
同時査定依頼可能数 最大6社

イエウールは全国1,974社を超える不動産会社が参加する不動産一括査定サイトです。

なんといってもその強みは日本全国の幅広い不動産会社が参加していること。

誰もが知っている大手不動産会社だけでなく、地域密着型の小さな不動産会社も多数参加しています。

「大手の不動産会社の方が安心できるんじゃない?」

などと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、地域を熟知している不動産会社は独自の顧客を抱えているため高額で売却できる場合もあります。

他の一括査定サイトでは不動産会社を見つけられなかったという地方の物件でも、イエウールならぴったりの不動産会社が見つけられるかもしれません。

地方の物件の売却を考えていらっしゃる方には特にイエウールがおすすめだといえますよ。

メッセージアプリ風の画面で気軽に査定依頼ができる独自のサイトデザインも魅力的ですよね。

おすすめ6 おうちダイレクト:都会のマンション査定におすすめ

メリット
Yahoo!不動産に物件が掲載できる
SRE不動産への一括査定依頼も可能
デメリット
地方の物件や一軒家などは対応外の場合もある
参加不動産会社数が少ない
こんな人におすすめ!
都市部のマンションを売却したい方
運営会社 ヤフー、ソニーグループ
参加不動産
会社数
10社
同時査定依頼可能数 最大10社

都市部のマンション売却をお考えの方にはおうちダイレクトがおすすめです。

おうちダイレクトはヤフーとソニーグループが共同で運営する不動産一括査定サイトで、以下の不動産会社が参加しています。

【おうちダイレクトに登録されている不動産会社】
  • ・大京穴吹不動産
  • ・大成有楽不動産販売
  • ・CENTURY21
  • ・ロイヤルハウジング
  • ・POLUS
  • ・オークラヤ住宅
  • ・京急不動産
  • SRE不動産(旧ソニー不動産)

参加不動産会社の数は少ないものの、都市部のマンション売買を得意とする企業が多く参加しているため都会のマンションを売りたいと考えている方にはぴったりのサービスです。

また売り主のみの仲介を行う「片手仲介」専門で他社よりも高い査定額を出してくれるといわれているSRE不動産に一括査定が依頼できる唯一の不動産一括査定サイトである点も大きなポイントです。

片手仲介とは
不動産会社が売り主か買い主、どちらか一方とのみ仲介契約を結ぶ形態のことです。契約を結んだ売り主(または買い主)の利益を優先するため、片手仲介専門の不動産会社に売却を依頼した場合には高値で売れる傾向にあるといわれています。

片手仲介専門の不動産会社では、囲い込みのリスクがありません。

SRE不動産は自社の査定サービスも提供していますが、おうちダイレクトを通じて売りに出した不動産はヤフーの運営する不動産ポータルサイトYahoo!不動産に無料で掲載できるというメリットがあります。

不動産売却のプロ
片手仲介のSRE不動産と他の不動産会社の売却価格を比較してみたい方は、おうちダイレクトがおすすめですよ。

メモ
他の不動産会社にすでに査定を依頼している方などで、「片手仲介の不動産会社がいい!」と思う場合は、SRE不動産に直接査定を依頼してみましょう。

5.買取で不動産を売却する流れ

買取で不動産を売却しようと思うんだけど、何から始めて良いんだろう?

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産会社に直接買取を依頼する場合、売却活動を行って買い主を探す時間が不要になるので仲介よりも短期間で売却を済ませられる傾向にあります。

売却成立を急いでいる方は買取での売却がおすすめだといえるでしょう。

ここでは買取で不動産を売却する際の流れをご紹介します。

不動産売却のプロ
買取での売却の場合、不動産会社が売り主から買い取った不動産を売りに出す前に物件の状態を精査し必要に応じてリフォームなどを行うため一般的に契約不適合責任が免責になっている点もメリットだといえるでしょう。

STEP1 売却に必要な書類を用意する

取引をスムーズに進めるため、まずは売却に必要な書類をできるだけ用意しておきましょう。

必要書類に関しては仲介で売却する場合と基本的に変わりはありません。

不動産売却のプロ
必要書類はこちらでご紹介しています。

分からないことがあれば売買契約を交わす前に不動産会社の担当者に確認できますが、手元にあるものはあらかじめそろえておくのがベターだといえます。

STEP2 不動産会社に査定を依頼する

準備が整ったら不動産会社に査定を依頼します。

不動産会社によって査定額が大きく異なる場合があるので複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。

会社によっては予想よりも高値を付けてくれるケースもあるかもしれませんよ。

まずは机上査定を依頼し、結果が気になった会社に訪問査定を依頼します。

不動産売却のプロ
残念ながら不動産一括査定サイトの多くは仲介専門ですが、LIFULL HOME’Sが買取の一括査定サービスを提供しています。

STEP3 不動産会社を選ぶ

査定結果が出そろったら実際に売却する不動産会社を選びます。

仲介の場合と違い、買取の場合の査定額は買い主となる不動産会社が支払う用意のある価格です。

不動産会社としてきちんとした買取実績があることが確認できれば、査定額の高い不動産会社を選ぶのが良いでしょう。

STEP4 不動産会社と売買契約を結ぶ

不動産会社が決まったら、契約に向けて引き渡し条件の話し合いが行われるでしょう。

具体的には代金の決済や引き渡しなどのその後のスケジュールや、物件を引き渡す上での細かな条件、必要書類の確認などが含まれます。

例えば売却する不動産の中に家具や家電などの設備が残っていた場合、どちらが処分の費用を負担するのか、といった点も重要です。

確認を怠ると後から予期せぬ費用を請求されてしまう可能性もあります。

気になる点があればこのときしっかり確認しておきましょう。

諸条件が合意に至ればいよいよ売買契約です。

売買契約の際には再度契約書などの読み合わせを行い、内容を確認します。

売買契約時に必要な書類は以下のとおりです。

【売買契約時に必要な書類など】
  • ・身分証明書
  • ・実印
  • ・登記済権利証または登記識別情報通知
  • ・印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの)
  • ・住民票
  • ・固定資産税納税通知書
  • ・収入印紙(契約額に応じて売買契約書に貼付)

またこのタイミングで手付金も支払われます

STEP5 引き渡し

売買契約が締結されたら、いよいよ物件の引き渡しです。

引き渡し日にもさまざまな手続きを行うことになります。

【引き渡し日に行う手続き】
  • ・代金の決済
  • ・登記の変更
  • ・その他の費用の清算
  • ・その他必要書類の引き渡し
  • ・鍵の引き渡し

「代金の決済」とあるとおり、手付金を差し引いた代金もこの支払われます

引き渡しは登記の変更を行う司法書士が同席することが一般的です。

必要な書類などは以下のとおりです。

【売買契約時に必要な書類など】
  • ・身分証明書
  • ・登記済権利証または登記識別情報通知
  • ・印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの)
  • ・住民票
  • ・鍵一式
  • ・その他

建築確認済証や境界確認書、測量図などは売却する不動産会社に引き継ぎます。

マンションの場合は建築・分譲時のパンフレットや管理規約、設備の取扱説明書・保証書なども引き渡します。

不動産売却のプロ
買取での売却の場合、不動産会社が売り主から買い取った不動産を売りに出す前に物件の状態を精査し必要に応じてリフォームなどを行うため一般的に契約不適合責任が免責になっている点もメリットだといえるでしょう。

6.不動産売却でよくある疑問

ローンが残っている不動産を売却したいんだけど、そんなこと可能なのかな……?

ローン返済中や賃貸中、あるいは相続で得たなどなんらかの事情がある不動産を売却したいと考えていらっしゃる方は、このようにご自分がお持ちの不動産が売却できるのか、どうやって売却すべきなのか不安に思っていらっしゃるかもしれませんね。

ここでは不動産売却でよくある疑問にお答えします。

疑問1 ローンが残っている不動産は売却できる?

離婚などなんらかの事情でローン返済中の不動産を売却したい、と考えている方もいらっしゃるでしょう。

結論からお伝えするとローンが残っている不動産でも、売りに出すことは可能です。

ただし不動産の引き渡し日までにローンを完済し、「抵当権」を外す必要があります。

抵当権とは
住宅ローンを融資した金融機関(債権者)が、融資により購入された家(不動産)を借金の担保とする権利のことです。融資を受けた人(債務者)がローン返済不能となったとき、金融機関は抵当権の付いているその家(不動産)を差し押さえられます。

売却代金でローンが返済できない場合には返済費用を自己資金でまかなうか、「住み替えローン(買い替えローン)」を借り入れる必要があります。

住み替えローン(買い替えローン)とは
今の自宅を売ってもローンを完済できない際に、残債の返済資金と新しい家(不動産)の購入資金をまとめて融資してくれる住宅ローンの一種です。
不動産売却のプロ
ローンが残っている不動産を売却したい場合はその旨を不動産会社に相談し親身になってくれる業者を選ぶと良いでしょう。

詳しくは「家を売るのは住宅ローン返済中でも可能?売却までのステップを解説」の記事でご説明しています。

疑問2 賃貸中の不動産は売却できる?

賃貸中の不動産を売却する場合にはまず、今の居住者やテナントが入居したまま売却するか、退去をお願いして空き家の状態で売却するかを決めることになるでしょう。

賃貸中の不動産の借り主には、「借家権」という権利があることに注意が必要です。

借家権とは
賃貸の借り主に認められている権利のことです。不動産の所有者による解約や契約更新拒絶には正当な理由がなくてはならないことなどが定められています。

つまり不動産の持ち主の都合でいきなり退去を迫ることは法律的にはできないのですね。

空き家状態で不動産を売却するためには、現在の入居者に立ち退き料を支払う必要がありますし、引っ越しに時間も要します。

一方、居住者が入居したままの売却は居住者に借家権があり買い主が不動産を好きに利用できないことから、空き家状態よりも売価は低く設定される傾向にあります。

不動産売却のプロ
一長一短だといえるので、不動産会社とよく相談して売却を進めましょう。

また賃貸不動産は収益を上げるためのものですから、買い主が購入の決め手とするのは利回りであると考えられます。

査定額も利回りによって決まるものであることを把握しておきましょう。

メモ
賃貸マンションなどの場合、管理費や修繕積立金の滞納額は買い主に引き継がれるので事前に精算しておきましょう。費用の滞納は売買の重要事項説明書で記載する必要があるので、それらを内緒にして売却はできません。

疑問3 相続した不動産はどうやって売却すべき?

突然相続で不動産が手に入ったとき、どうして良いのか戸惑ってしまいますよね。

相続した不動産の売却には、通常の不動産売却とは異なる手続きが必要になる場合があります。

不動産売却のプロ
相続した不動産を売却するときには節税対策をきちんと行える不動産会社を選びましょう。

不動産を相続した際にはまず相続登記を忘れずに行いましょう

亡くなった方の名義のままにしておくと売却したり不動産を担保にお金を借りたりすることができず、いざというときに困ってしまう可能性があります。

不動産を売却し不動産譲渡所得が発生した場合には税金がかかります。

税額の決定には所有年数やその不動産が居住用(マイホーム)であったかなどが関わってくるため、何も知らず相続してすぐに売却してしまうと多額の税金を支払わなくてはならなくなる場合があるのです。

不動産売却のプロ
しかし実は亡くなった親が住んでいて空き家になってしまった物件でも、制度を理解していれば3,000万円の控除を受けられる可能性があります。

また取得費(いくらで買ったか)が分からない場合にも、市街地価格指数という手法を使い税額を大きく抑えられるケースもあるのです。

大手の不動産会社であれば相続不動産の売却ノウハウも豊富で必要以上の税金が発生しないよう取り計らってくれると考えられます。

査定を依頼する際などに節税について相談してみましょう。

7.まとめ

不動産売却は不動産会社に買い主探しを依頼する仲介と不動産会社に不動産を売却する買取に分けられます。

買取に比べ成約価格が高い仲介が一般的ですが、売却の成立を急いでいる方や個人には購入の難しい高額物件を売却したい方、そのままでは売却が難しい古い物件を売却したい方などは買取を検討するのも良いでしょう。

不動産売却において重要なのは信頼の置ける不動産会社選びです。

不動産会社によって査定額は大きく異なる場合があるため、必ず複数の不動産会社に査定を依頼し査定結果を見比べましょう。

複数の不動産会社に自力で査定を依頼するのは手間と時間がかかってしまうため不動産一括査定サイトの利用がおすすめですよ。

また担当者の対応が丁寧で迅速であるか、きちんと納得できる説明をしてくれるかといった点も不動産会社選びのポイントにすると良いでしょう。

不動産売却のプロ
売却に必要な書類がそろったら、早速不動産会社に査定を依頼しましょう。

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株式会社チェスター税理士法人チェスターグループの不動産会社です。年間100億円以上の売却案件を取り扱っています。グループには税理士法人の他、司法書士事務所もあり、各分野の専門家と連携してスムーズに不動産売却・購入を進められます。特に相続不動産の売却や、相続対策の不動産購入に多くの実績があります。
取締役阿部 雅行
取締役阿部 雅行
宅地建物取引士二級建築士。戸建て分譲住宅の企画、不動産仲介業務、相続不動産の売買に関する業務などを経験した後、2015年に株式会社チェスターの取締役に就任。
株式会社チェスター取締役の阿部雅行

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