不動産投資とは?不労所得以外の3つのメリットと成功のコツ
「不動産投資とは?」
「興味はあるけど、失敗したら大変なことになるんじゃない?」
なんて疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
不動産投資は、勉強さえすれば誰でも儲かる可能性の高い投資の一種です。
迂闊に始めるのは危険ですが、コツを抑えて知識を身につけておけば失敗のリスクは低いといえます。
この記事では、不動産会社のプロの視点から不動産投資についてご説明します。
ご安心ください。不動産投資は比較的低いリスクで安定した収入を得られる可能性が高い投資だといえます。
不動産投資とはどんなものなのか、成功のためにどうすべきなのか、分かりやすく解説していきますね。
目次
1.不動産投資とは?基礎知識を押さえよう
不動産投資とは簡単にいうと、
「購入したマンションやアパートを賃貸として入居者に貸し、家賃収入を得るというもの」
です。
不動産投資の最大の特長は、入居者をうまく見つけられれば毎月安定した家賃収入が得られるということです。
実際、不動産投資でどれくらい儲かるのか、というのが気になるところでしょう。
年間収益モデルの計算を確認してみましょう。
このモデルでは、経費を差し引いて年間84万円の収益であることがわかります。
「意外と儲からないのかな?」
なんてお思いかもしれません。
しかし、手堅く儲けるのであれば、不動産投資はぴったりです。
他の投資に比べても利回りが高く、リスクが低いため安心して始めることができます。
例えば定期預金の金利は、銀行によって異なりますが大手銀行は0.25%です。(2024年6月現在)
一方、不動産投資であれば利回り5%~10%前後は狙える範囲です。
株式投資やFXは成功すれば大きなリターンが見込める一方、失敗すると元手を失ったり、借金を負ったりする可能性があります。
小まめに為替市場の動向をチェックするのも大変ですよね。
不動産投資であれば、株式投資やFXのように元手を失ったり借金を負ったりするリスクはほとんどなく、管理を管理会社に任せていても定期的に不労所得が入ってくる、と考えると、不動産投資はとても魅力的ですよね。
投資には、基本的に「元本割れ」といって元手を失う可能性があります。人によっては、失った元手を取り返すべく借金を重ねてしまうこともあるようです。
しかし不動産投資なら、事前の情報収集をしっかりしておけば大失敗する危険性は低くなります。
更に詳しく不動産投資のメリットを解説していきます。
2.不動産投資の4つのメリット!気になる魅力を解説
ここでは、不動産投資の4つのメリットを詳しくご紹介します。
- ・メリット1 毎月安定した不労所得を得られる
- ・メリット2 自己資金が少なくても始められる
- ・メリット3 家族へ遺す生命保険代わりにもなる
- ・メリット4 税金対策としても有効
メリット1 毎月安定した不労所得を得られる
不動産投資の最大の特長は、「入居者をうまく見つけることさえできれば毎月安定した収入が得られる」ということです。
賃貸に出す物件の管理は管理会社に任せるのが一般的であるため、手間もかかりません。
安定した不労所得、という夢のような話が実現する可能性があるということですね。
一方、不動産投資では購入した物件を賃貸に出し定期的な家賃収入を得ることを狙います。
しかし、賃貸で「インカムゲイン」(=運用益)を得るのが一般的です。
メリット2 自己資金が少なくても始められる
不動産投資以外の多くの投資は、自分で用意できた資金を元本として投資することになります。
一方不動産投資は、不動産を購入することになるため、金融機関が提供する投資用物件購入のためのローン商品を利用することができます。
投資の種類 | 自己資金の必要性 |
---|---|
不動産投資 | 自己資金に加え融資を受けることができる |
株式投資 | 自己資金100% |
投資信託 | 自己資金100% |
FX | 自己資金以上の投資もできる |
不動産投資であれば、物件購入費用の10%未満の自己資金しかなくても、融資を受けて物件を購入できる場合もあります。
基本的には、元本が少ないとその分見込めるリターンも小さくなる傾向にあります。FXであれば自己資金以上の投資も可能ですが、元本割れのリスクが高いのが難点です。
メリット3 家族へ遺す生命保険代わりにもなる
生活を守るべき家族がいると、自分に万一のことがあったときのことも考えなくてはなりませんよね。
不動産投資のために組んだローンの返済中に自分が亡くなってしまった場合、ローンの返済は免除され、家族には購入した物件とその家賃収入が遺りますのでご安心ください。
ローンを借りる際には、一般的に「団体信用生命保険」という保険に入ることになります。通称「団信」と呼ばれるこの保険は、ローン契約者が高度機能障害に陥ったり死亡したりした場合に、保険金でローンが完済されるというものです。
自分に万一のことがあっても大切な家族に物件と家賃収入を遺すことができる不動産投資は、保険金代わりになるともいえますね。
メリット4 税金対策としても有効!
不動産投資は、所得税や住民税の税金対策になります。
賃貸物件の運用には、管理費や修繕費、ローンを借りていた場合にはその利息、各種の税金などの諸費用がかかります。
これらの諸費用を、確定申告の際に家賃収入から差し引くことで、課税対象額を減らすことができます。
会社員の方はあまり馴染みがない考え方かもしれませんが、お金を儲ける際にはそのための費用も必要になります。実は所得税とは、稼いだ額ではなく、いわば「儲けた額に対して課される税金」です。
所得税は、手元に入ってきたお金から利益を得るため支払った費用や損失額を差し引いて課税対象額を計算し、それに対して課税されるのです。
モデルケースを確認してみましょう。
このケースでは、経費と減価償却費の計上によって、収入が増えているにもかかわらず、課税対象額が435万円となり、給与所得額の600万円より165万円も下がっていることが分かりますね。
これを、実質的な損とみなし、毎年「費用」として計上するのが「減価償却」です。建物の減価償却費は、取得費(=購入費用)と、国税庁が定める法定耐用年数および償却率から算出されます。
例えば上記の例のように築10年の物件を5,000万円で購入した場合、法定耐用年数は19年となり、毎年265万円ずつ減価償却を行うことになります。減価償却を行うと、取得費用(=物件の購入代金)を残りの法定耐用年数で割った金額を毎年費用として計上し、課税対象額となる「儲けた金額」を減らすことができるのです。
また、不動産投資によって相続税を大幅に節税することもできます。
現金で相続する場合には遺産額に対して相続税が課税されますが、不動産の場合には「固定資産税評価額」=「相続税評価額」に対して課税されることになります。
固定資産税評価額は市場価格よりかなり低く設定されています。
そのため、現金で相続するよりも課税対象額が数十パーセント引き下げられ、相続税が大幅に安くなるのです。
固定資産税評価額=相続税評価額は、具体的には、土地は市場価格の70%程度、建物については建築費の50〜70%程度であるといわれています。さらに賃貸の場合は建物の評価額が30%、土地の評価額が30〜90%引き下げられることになっています。
3.不動産投資の流れ
ここまで、不動産投資がどういったものなのか、どんなメリットがあるのかご説明しました。
不動産投資の魅力は伝わったのではないでしょうか。
しかし、一般にあまり馴染みのないことですから、
「やってみたい!」
と思っても気軽に始められるものではありません。
まずは投資用物件を購入するまでの流れをお伝えしましょう。
ステップ1 事前の情報収集
まずは、事前の情報収集が大切です。
不動産投資は、やれば必ず儲かるというものではありません。
低いリスクで手堅く設けられる可能性の高い投資ではありますが、迂闊に手を出すと悪徳な不動産会社に騙されたり物件選びに失敗したりして損をしてしまうこともあります。
失敗は知識を身に付けておけば避けられる可能性が高いので、面倒に思わずしっかり情報を集めておきましょう。
インターネットで情報を収集するだけでなく、本を読んだり、セミナーに足を運んでプロに話を聞いたりするのもおすすめです。
ローンを借りる方は、ローンについても知識を身につけておきたいところですね。投資用物件を購入する際に借りるローンは、マイホームを購入する際の「住宅ローン」とは違い、「投資用物件ローン」「アパートローン」などと呼ばれ金利や審査基準などが異なります。
自己資金をどれだけ用意することができるのか、どれくらいの額の融資を受けて何年で完済するのか、イメージしておくと良いでしょう。
おすすめの本やセミナーについては、記事の後半でご紹介します。
ステップ2 投資用の物件を探す
知識が十分に身に付き賃貸を運用するイメージがまとまったら、投資用の物件を探していきましょう。
不動産投資成功の可否は、物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。
物件選びに失敗すると、賃貸として出すまでにリフォーム代など想定外の出費が必要となったり、入居者が見つからなかったりする可能性があります。
しっかりと熟考して、良い物件を見極めましょう。
初心者は小さな物件から始めるのがおすすめです。
一般的中古価格帯 | 特徴 | |
---|---|---|
区分マンション | 500万〜2,000万円 | ・数が多い ・価格の低い物件もある ・収益は少なめ |
一戸建て | 500万円前後 | ・現金で購入するケースが多いため資金が必要 ・自主管理で管理費用を抑えることもできる |
一棟アパート | 2,000万〜1億円 | ・新築から古い物件までさまざま ・コストパフォーマンスが高い物件も多い |
一棟マンション | 1億〜3億円 | ・高額だが、得られる収益が大きい ・資産性も高い |
区分マンションから始めるのが、手頃かつ手堅いといえるでしょう。
流通数が多く、コストパフォーマンスの高い物件も見つかるかもしれません。
物件を選ぶ際には、賃貸としてのニーズがあるかどうか、しっかり見極めておきたいところです。立地や間取り、耐震基準は最新のものになっているか、などをチェックしましょう。
金融機関からローンを借りて物件を購入する際、完済までの期間には制限が設けられているので物件を選ぶ際にも念頭に置いておくのがおすすめです。ローンの完済時に80歳前後となるのが一般的であるため、現在50歳であれば融資期間は最長で30年と考えておきましょう。
また、金融機関は物件を担保として融資を行うため、完済時に法定耐用年数が残っていない状態のローンを組めない可能性があります。
例えば鉄筋コンクリート造の物件の法定耐用年数は47年なので、築15年の物件を購入するのであれば、融資期間の目安は32年になります。
契約者の年齢と築年数、2つの要素のうち短い方が基本的には優先されるものとお考えください。
ステップ3 投資用物件を購入しよう
購入したい物件の目星が付いたら、購入に向けて動いていくことになります。
ある程度の予算感は物件を探し始める前に決めているでしょうが、実際のところローンが組めるかどうかは物件が決まってからでなければ分かりません。
住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なります。
居住用賃貸として出す投資用物件を融資を受けて購入する場合、図のような流れが一般的です。
賃貸用物件は、管理会社に管理を委託するのが一般的です。
購入の流れのなかで管理会社も選ぶことになります。
大切な物件を任せることになる会社ですから、管理会社の選定も慎重に行いたいですね。
4.注意!不動産投資でよくありがちな失敗例
ここまで、ざっくりと不動産投資の流れをご説明しました。
どのようなことをすべきか、なんとなくお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、不動産投資に失敗する人も少なくありません。
失敗した先人たちの二の舞にならないように失敗事例を知っておくことも重要です。
失敗例1 情報不足で物件選びに失敗
不動産投資を始めるにあたって、事前の情報収集が非常に重要であるということは既にお伝えしました。
十分な情報を集めないままに物件を購入してしまい、
「こんなはずじゃなかった……」
と後悔する羽目になることも少なくありません。
例えば、以下のような失敗が考えられます。
賃貸のニーズが少ない物件
投資用物件を購入して賃貸に出しても、居住者が見つからなければ収益を上げることはできません。
物件を購入する際には、居住者が見つかる見込みのある物件なのかしっかり見極める必要があります。
例えば、以下のような物件は注意が必要です。
- ・駅から遠い、設備が古いなど利便性が低い
- ・居住者として見込める層が限定的
- ・その土地の住人層のニーズに合っていない間取り
家を決めるときには、その物件が住みやすい物件なのかを考えて選びますよね。
駅から遠かったり設備が古かったりと不便な点のある物件は、自分が家を借りる側であれば避けようと思うはずです。
居住者にとって魅力的な物件なのかどうか、しっかり見極めておきたいですね。
また、近くに大学や企業がある場合、そこの関係者が居住者として見込めるかもしれません。
しかし、例えば近所に大学が一つしかなく、そこの学生からしかニーズがないと思われる物件などは避けた方が良い可能性があります。
大学のキャンパスが移転すると、一気にニーズがなくなってしまうからです。
例えば学生向けのアパートやマンションを購入するのであれば、近くに2校以上大学がある場所の物件を選ぶようにしましょう。
学生街など、特定の層の居住者が多い街の物件は、間取りがニーズに合っているかも確認が必要ですね。
天災によるリスクが高い物件
物件購入の際には、その土地や建物の天災のリスクについても知っておきたいところです。
手頃な物件だと思って購入したら海抜が低く洪水が起きた際に被害に遭ってしまった、なんてことも起こり得ます。
購入前に、ハザードマップを確認しておきましょう。
地盤沈下、浸水、洪水、土砂崩れなどの心配の少ない土地の物件を選びたいですよね。
また、耐震基準も要チェックです。
耐震基準は大きな地震が起こるたびに見直されており、現在の耐震基準は1981年6月に施行されたものです。
1981年の法改正以降に建てられた建物は震度6〜7程度でも倒壊しないことが求められていますが、それ以前に建てられた物件には震度5程度の地震に耐えられるレベルの強度しかありません。
失敗例2 経費や税金への理解が足りず経営に失敗
経費や税金に対する知識が不足していたがための失敗も少なくありません。
こちらも、事前にしっかり財務や税務に関する知識を身に付けておきたいところです。
不動産投資は、いわば一種の事業です。
始める際にも続けていくのにも、さまざまな費用が発生します。
物件を購入してしまえば終わりというわけではなく、取得費(=購入費用)のほか、管理や修繕、居住者が退去した後の回復費用など、ランニングコストも必要となります。
また、不動産は購入するときにも、所有している間にも税金がかかります。
経費や税金のことをしっかり把握し、キャッシュフローのイメージをきちんと立てておかなければなりませんね。
失敗例3 投資物件を相場より安い価格で売却してしまう
ここまで、賃貸で運用益を得る方法についてお伝えしてきました。
しかし、より大きな物件の運用をしたい、何らかの事情で賃貸を続けることができなくなった、といった理由で物件を売却することになる場合もあるはずです。
売却する際には、市場相場をきちんと調べてから売りに出しましょう。
物件の立地によっては周囲の開発が進み、購入したときよりも市場価格が上がっていることもあります。
それを知らずに適当な価格で売りに出してしまうと、
「もっと高く売れたのに……」
と後悔することにもなりかねません。
きちんと周辺の物件の価格などを調べてから売り値を付けるようにしましょう。
5.初心者が不動産投資で成功するための7つのコツ
不動産のプロの立場から、不動産投資に失敗しないために覚えておきたいコツをお伝えしましょう。
コツ1 初心者は小さな物件から始める
端的にお伝えすると、初心者には「区分所有マンション」から始めるのがおすすめです。
なぜなら、区分所有マンションは管理が楽だから。
毎月、管理会社への管理費とマンションの管理組合の修繕積立金を支払うだけで、それ以外に何か手間を掛ける必要はありません。
また、物件が市場に豊富に出ており、自分の希望する地域で予算に合った物件を見つけられる可能性が高いという点も重要です。
コツ2 身の丈に合ったローンを組む
投資用物件のローンは、家賃収入を返済に充てることができます。
しかし、家賃収入をあてにして現在の収入ではとても借りられないような高額ローンを組むことはおすすめできません。
そもそも、居住者が見つからなければ家賃収入は得られません。
特に区分マンション一室だけを購入し賃貸に出していた場合、居住者が一人見つかるかどうかに全てがかかっていることになります。
よほど人気の物件でないかぎり、居住者がいない期間というものはあり得ます。
そうなってしまった場合でも、ローンを返済し続けられるでしょうか。
ローンを組む際には、仮に居住者がいない期間があっても返済できるような、身の丈に合ったローンを組むようにしましょう。
コツ3 セミナーには積極的に参加する
不動産投資は、初心者にはなかなか難しいものです。
ローンや税金、経費などお金の複雑な問題も絡みます。
また、どのような物件を選ぶべきなのか、といった点も気になるところですよね。
難しく感じられる点、不安に思う点などは、プロに相談するのがおすすめです。
「不動産投資」をテーマとしたセミナーがさまざまに開催されているので、積極的に参加しましょう。
不動産や投資について熟知した講師が不動産投資とはなんなのか、成功するためにはどうしたら良いのかを丁寧に教えてくれます。
初心者向けのセミナーも多数開催されているので、気軽に参加できます。
また、女性限定、職業別や年収別、といった多様なセミナーが開催されているので、不動産投資に興味のある社会的な立場が近しい方と出会い、情報交換できる可能性もありますよ。
大手不動産会社の開催するセミナーなら、投資を始めた際に物件の紹介から管理委託に至るまでワンストップで任せられるのも嬉しいポイントです。
もちろん、セミナーに参加したからといって、物件購入を無理強いされるというものではありません。
セミナー後には個別相談会を併催している場合も多くあり、気になった点については相談することもできます。
本やインターネットなどで情報収集するだけでなく、セミナーに参加することでプロしか知らない生きた情報を得ておきましょう。
おすすめの不動産セミナーについては、こちらをご覧ください。
コツ4 不動産投資に必要な経費・税金を把握する
不動産投資を始める前に、必要な経費・税金を必ず把握しておくようにしましょう。
例えば投資用物件の購入時には、以下のような税金がかかります。
- ・不動産売買契約書にかかる印紙税
- ・金銭消費貸借契約書のかかる印紙税
- ・建築工事請負契約書にかかる印紙税(リフォームなどを行う場合)
- ・登録免許税
- ・消費税
- ・不動産取得税
ランニングコストとして考えられるのは以下のようなものです。
- ・管理費
- ・修繕費
- ・広告費
- ・固定資産税、都市計画税
事前にきちんと把握して、収支をイメージしておく必要がありますね。
コツ5 信頼できる管理会社に依頼する
投資用物件を賃貸として出す場合、管理会社に管理を委託することになります。
この管理会社選びも不動産投資で成功する上で重要な点です。
なぜなら、居住者を見つけるのは管理会社の役目だからです。
不動産投資で管理会社に委託する業務には、以下のようなものが挙げられます。
- ・賃料の設定
- ・入居者募集
- ・空室管理
- ・近隣トラブル対応
- ・設備トラブル対応
- ・クレーム対応
- ・家賃の入金確認
- ・家賃滞納者への督促
- ・賃貸契約の更新手続き
- ・賃貸契約の解約手続き
管理会社の質が、大家さんの収入にも、居住者の住みやすさにも直接的に関わっていることが分かりますね。
不動産管理業務は、「プロパティマネジメント」(PM)と呼ばれる業務と、「ビルメンテナンス」(BM)と呼ばれる業務に分けられます。賃貸物件(投資用物件)の場合は、プロパティマネジメントを委託するケースが一般的です。設備点検や定期清掃など物件のビルメンテナンスは別途オプションを利用するか別会社に委託する必要があります。
中古物件を購入した場合には売り主が委託していた管理会社を引き継ぐケースが一般的ですが、新築を購入したり、管理会社を変更したりする場合には信頼できる管理会社なのかきちんと見極めるようにしましょう。
コツ6 物件の売却相場は常にチェックしておく
購入した投資用物件を売却するといくらくらいで売れるのかは常にチェックしておきましょう。
物件によっては周囲の開発が進んだなどの理由から地価が上がり、購入したときよりも高値で売却できる可能性があります。
家賃収入でコツコツ運用益を得るのも良いですが、売却益を得るチャンスがあれば逃さず掴むようにしましょう。
コツ7 購入後5年経ったら売却も検討しよう
投資用物件を購入後、5年が経過したら売却を検討するのも手です。
取得(=購入)して5年が経過したか、していないかで売却益にかかる税金が大きく変わる可能性があるためです。
投資用不動産を売却した場合、以下のような税金がかかります。
利益にかかわらずかかる税金 | 印紙税 | |
---|---|---|
登録免許税 | ||
消費税 | ||
利益が出た場合にかかる税金 | 不動産譲渡所得税 |
売却にかかった費用を差し引いて利益が出た場合、その金額に対して「不動産譲渡所得税」と総称される所得税・住民税が課されます。
この不動産譲渡所得税は、売却のタイミングが取得してから5年を超えているかいないかで以下のように大きく変わります。
所有5年以下 | 所得税率 | 30.63% |
---|---|---|
住民税率 | 9% | |
所有5年超 | 所得税率 | 15.315% |
住民税率 | 5% |
所有5年以下の物件の場合、実に売却益の39.63%にもなる税金が課されてしまいます。
5年を超えると20.315%と、約半分にまで下がるので、5年を超えたタイミングで一度売却を検討してみるのもおすすめです。
6.プロ厳選!不動産投資に役立つおすすめ書籍・セミナー
不動産投資には事前の情報収集が肝心だとお伝えしてきました。
しかし、ここまでお読みになった方のなかには、
「専門的で難しいな」
「ネットの情報だけじゃ不安かも……」
「具体的にどうやって勉強したら良いんだろう?」
といった不安を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
でも、ご安心ください。
ここでは、プロが厳選した不動産投資の初心者におすすめの書籍とセミナーをご紹介します。
6−1.プロが厳選するおすすめ書籍
まずは、不動産投資がどんなものなのか、何をどのようにすべきなのか、不動産のプロや投資の経験者が分かりやすく解説してくれる本をご紹介しましょう。
『世界一やさしい不動産投資の教科書1年生』
不動産鑑定士の浅井佐知子氏著の不動産投資の入門書です。
学校の授業になぞらえ、「不動産投資とは?」というそもそもの疑問に答える「0時限目」から「将来的に安定した運用を目指すために、今からしておくこと」という「6時限目」まで、初心者にも易しく網羅的に解説している良書です。
初心者が抱きがちな疑問にも易しく答えているため、躓くことなく、読みやすい構成です。
また、細かい知識もしっかり補ってくれます。
不動産投資を始める方の必読書といえますよ。
『ゼロから始める不動産投資』
不動産賃貸管理や不動産賃貸仲介、投資家向けの不動産投資コンサルティングを行う不動産会社ウェーブハウスの代表取締役市川周治氏が書いた不動産投資の入門書です。
タイトルどおり、不動産投資をゼロから始める際の極意、不動産投資で堅実に資産を殖やす方法をプロならではの視点から指南してくれます。
本書は、不動産投資はある種の事業であり経営者としての視点を持つことが重要であると説いています。
なかには漫画のページもあり、読みやすいのも嬉しいポイントです。
『少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術』
本記事では融資を受けて不動産投資を行う際の過程をご説明してきましたが、
「自己資金で手頃に始められないの?」
とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
こちらは現金で24年に渡って不動産投資を続ける兼業大家・芦沢晃氏が中古ワンルームマンションの投資術を紹介する本です。
現金でワンルームマンション投資を始めようというコンセプトどおり、手堅く投資を続ける方法を解説しています。
著者の芦沢氏はサラリーマンの傍ら投資を続け、多数の投資術教本を著しているので、会社員でこれから不動産投資を始めようという方にぴったりですよ。
『世界一やさしいアパート一棟不動産投資の実践帖1年生』
おすすめ本として最初に挙げた『世界一やさしい不動産投資の教科書1年生』と同じシリーズですが、こちらはアパート一棟投資に特化した解説書です。
不動産投資歴15年の「サラリーマン大家」木村隆之氏がその経験をもとに、新築アパートを建て稼ぐ方法を教えてくれます。
図表や具体的な事例を交え、分かりやすく説明しているので初心者でも実践的な知識を身に付けることができます。
不動産投資に重要な利回りを計算する方法や各種届出ガイドなど、明日から不動産投資に使える便利な「読者限定特典」も必見です。
『空き家を買って、不動産投資で儲ける!』
こちらは、一軒家を賃貸に出して儲ける方法を教えてくれる本です。
著者は収益不動産経営コンサルタントの三木章裕氏。指導先の資産形成額が300億円にのぼる、不動産経営で資産を殖やすプロです。
現在、日本中で空き家が増えており、非常に安価で取引されています。
そんな空き家をリフォームして魅力的な物件に変え、賃貸で儲ける方法を初心者にも分かりやすく解説しています。
安価で購入した物件で資産形成ができるなんて、そんな嬉しいことはありませんよね。
6−2.プロが厳選するおすすめセミナー
不動産投資を始める際には、セミナーへの参加も強くおすすめします。
不動産セミナーは、不動産投資で最も重要な物件選びのサポートも行ってくれる重要なパートナーです。
セミナーによっては終了後に個別相談会を実施しているので、講師に悩みを直接相談することもできます。
セミナーを行う業者の中には、投資を執拗に進めてきたり、誤った情報を提供している質の低い業者もあります。参加するセミナーは慎重に選びましょう。
プロ視点から信頼できる不動産投資セミナーをご紹介しましょう。
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7.まとめ
不動産投資は、比較的低いリスクの割に利回りが高い、手堅く儲けられる可能性の高い投資の一種です。
リターンが見込める投資の多くは多額の自己資金が必要になる上、元本割れのリスクが付きものです。
しかし、不動産投資であれば、不動産購入によって資産を手に入れることになるため、金融機関の融資を受けることができる上、元本割れのリスクも他の投資に比べ低いといえます。
物件を購入すれば管理は管理会社に委託することになるため、働きながらでも堅実かつ手間なく続けられます。
「不動産投資をやってみたい……」
と思ったら、まずは事前の情報収集がとにかく重要です。
知識をしっかり身に付けることで失敗は避けられる可能性が高いので、まずは自分で積極的に不動産投資に関する情報を集め、信頼の置ける情報を精査しましょう。
とはいえ、自分で情報を収集するのには限度があります。
特に市場の最新動向やお金の話は、専門家にしか分からない部分も少なくありません。
情報収集も兼ねて、信頼の置ける企業が開催する初心者向け無料セミナーに参加するのがおすすめです。
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