マンション売却の流れとコツ!初心者が騙される【3つの落とし穴】

マンション売却の流れとコツ

マンション売却の上手いやり方が分からず途方に暮れる方は多いのではないでしょうか。

マンションを売るということは人生でそう何度もあるものではありません。しかし、売却額も大きく、非常に重要なことですから、絶対に失敗したくないですよね。

この記事では、マンション売却の流れとコツ、初心者が陥りがちな落とし穴について解説します。

この記事さえ読めば、マンションを売る際にはどうしたら良いのか分かるようになりますよ。

このページで解決します!
Q&A 良くある疑問
マンションの売却にはどれくらい時間がかかる?
通常3~6カ月程度かかります。
>>もっと詳細を知る
マンションを高く売るためにはどうしたらいい?
最も重要なのは、高く売ってくれる不動産会社と出会うことです。
>>もっと詳細を知る
マンションを売却するのに費用がかかるって本当?
不動産会社に支払う仲介手数料や、売上金にかかる税金などを支払う必要があります。
>>もっと詳細を知る
住み替える場合、気を付けることはある?
売上金でローンが払えなかった場合は、買い替えローンで対応することができます。
>>もっと詳細を知る

この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
公認会計士・税理士・行政書士。相続税対策に強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。株式会社チェスターでは、年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている。 TV/雑誌など各種メディアからの取材歴多数。また、土地や相続についての書籍も多数出版している。
株式会社チェスターは、総勢190名以上の税理士法人グループの不動産会社です

【注意が必要です】
相次ぐ不動産会社とのトラブル
厚生労働省発表によると、不動産取引において、毎年1,000件以上の紛争・相談が寄せられています。
そのうち約41%(年間400件超)は、「媒介・代理(売買)」に係る紛争であり、不動産会社が関係すると考えられるトラブルは毎日1件以上のペースで発生しています。
不動産を売却する際は、必ず複数の不動産会社から見積もりを取って、査定額が妥当な金額であることを確認してください。

見積もりを取る際は安全性確実性などを考慮して以下サービスの利用をおすすめしています。
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1.誰でも分かる!マンション売却の流れ

マンションを売却するまでには、大まかに8つのステップが存在します。まずはその流れをご説明しましょう。

※流れを既に把握している方はこのセクションを飛ばして、3.マンションを高く売るコツから読み進めてください。

マンション売却の流れ全体図

それぞれのステップを少し細かく解説していきます。

STEP1 事前準備

マンションを売却する際には、事前の情報収集が肝心です。マンション売却に必要な最低限の知識がなければ、悪徳な不動産会社に騙されて損をしてしまう危険性もあります。

〈事前準備の際にすべきこと〉
 □売りたい物件の相場を理解する
 □売りたい物件のローンが残っている場合は残債を確認する
 □スケジュール感を把握しておく

まず、インターネットや市販の情報誌、折込チラシなどで、自分のマンションが大体いくらくらいで売れるのか相場感をイメージしておきましょう。

ローンが残っている場合は、残債がいくらであるか確認しておきましょう。ローンが残っているかいないかで物件の引き渡し時の手続きが異なるため、不動産会社に伝える必要があります。

スケジュール感も知っておきたいところです。マンションの売却には、通常3〜6カ月程度の時間が必要だとされています。時間があまりないと、売却価格を下げなければ買い主が見つからないなど損をしてしまう可能性があります。

可能なかぎり余裕を持って売却の準備を進めるようにしましょう。

STEP2 査定を依頼する

ある程度感覚が掴めてきたら、いよいよ不動産会社に査定を頼みます

〈査定依頼の際にすべきこと〉
 □不動産一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に査定を依頼する
 □まず「机上査定」、それから「訪問査定」を依頼する

査定の際は、必ず複数の不動産会社に査定を依頼するようにしてください。

おすすめは、無料で利用できる不動産の一括査定サイトを利用することです。一括査定サイトとは、その名のとおり複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるものです。売りたい物件の築年数や床面積、部屋数などの基本的な情報を入力するだけで、複数の不動産会社が見積もりを出してくれます。

一口に一括査定サイトといってもサイトによって異なる特色があるため、複数の一括査定サイトを活用すると良いでしょう。都市部の物件を中心に扱う大手の不動産会社が多数参加しているサイトや、参加する不動産会社の数が多く地方でもカバーしているサイト、マンション売買に特化した不動産会社が多く参加しているサイトなど、さまざまです。

査定には、「机上査定」と「訪問査定」という2種類があります。机上査定は、築年数や立地、駅からの距離、過去の類似物件の成約価格などの情報から、大まかな金額を査定してもらう方法。訪問査定は、実際に不動産会社の担当者が部屋を訪問し、眺望や日当たり、部屋の状態などを確認してより正確な査定金額を出してもらう方法です。

売却することが決まっているのであれば、まずは机上査定をしてもらい、それから訪問査定をお願いするのが良いでしょう。6〜10社に机上査定を依頼し、査定結果が気になる不動産会社3社程度に訪問査定を依頼して契約を交わす不動産会社を絞り込むのがおすすめです。

STEP3 不動産会社を決める

見積もりが複数出揃えば、「このマンションは大体これくらいの価格で売れるんだ」という相場感の把握にもなります。それから、いよいよ売却をお願いする不動産会社を決定していきます。

〈不動産会社を決める際にすべきこと〉
 □査定額の根拠を確認する
 □信頼の置ける担当者か見極める
 □(ローンが残っている場合)不動産会社にローンが残っていることを伝える

マンション売却の成否を左右するのは、不動産会社選びだといっても過言ではありません。ここが最も重要なポイントなので要注意です。

多くの不動産会社は似たような価格を出してくることでしょう。少しでも高い値をつけてくれる不動産会社に依頼したいと思うかもしれませんが、不動産を買うのは不動産会社ではなくあくまで買い主です。その値段で売れる保証があるわけでもありません。

重要なのは、その不動産会社がどのような根拠からその査定価格を出しているか、ということです。必ず、根拠を聞くようにしましょう。どれほどきちんとした査定を行っているかが分かります。

「聞きづらい」「本当に教えてもらえるのか分からない」と思うかもしれませんが、「宅地建物取引業法 第34項の2 第2項」において、以下のように定められています。

宅地建物取引業者は、前項第二号の価額(※)又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
※前項第二号の価額……当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額

つまり、不動産会社は見積価格の根拠を提示する義務があるということです。なぜこの価格なのか、明確な根拠を示してくれない不動産会社はまず信用に値しません。必ず、しっかりと根拠を提示してくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。

ローンが残っている場合は不動産会社に残債を伝えましょう。売却して得られるお金を返済にあて、完済に至らない場合には返済費用を用意する必要があるため、手続きなどについて確認しておくのが良いでしょう。

また、担当者の仕事が迅速かつ丁寧か、コミュニケーションにストレスがないか、ということも、不動産会社選びの決め手となるでしょう。

マンションを売る際には、不動産会社に任せきりというわけにはいきません。詳しくは後述しますが、定期的に提出される販促活動にまつわる報告書を確認したり、売り出した後の状況が芳しくない場合にはどのような方策を取るのか担当者と相談したりする必要があります。

売却が成約するまでは、担当者と相互に連携して売却活動を行うことになります。担当者がきちんと信用できる不動産会社を選ぶようにしましょう

STEP4 不動産会社と契約

不動産会社が決まったら、「媒介契約」を結びます。この媒介契約を結ばなければ、不動産会社を通じて売却活動を行うことはできません。あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、「仲介」とほぼ同じ意味であり、不動産売却の契約においては「媒介」という語を使います。

〈不動産会社と媒介契約を結ぶ際にすべきこと〉
 □契約の種類を選ぶ(専任媒介契約がおすすめ)
 □不動産会社と契約を交わす

媒介契約には「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があり、契約を結ぶ前にどの媒介契約を行うかを売り主が決める必要があります。

それぞれの媒介契約がどのようなものが簡単にご説明します。

【媒介契約の種類】
※横にスクロールできます
契約種類 メリット デメリット
専属専任媒介契約 ・窓口が一元化できる。
・1週間に1回、不動産会社から売り主に対して売却活動に関する報告を行うことが義務づけられている。
・売り主が知人など、自分で買い主を見つけた「自己発見取引」の場合にも仲介手数料などが発生する。
・悪徳な不動産会社に依頼してしまうと、両手仲介を目論んで他社に情報を提供せず、買い主がなかなか決まらないことがある。
専任媒介契約 ・窓口が一元化できる。
・2週間に1回、不動産会社から売り主に対して売却活動に関する報告を行うことが義務づけられている。
・売り主が知人など、自分で買い主を見つけた「自己発見取引」の場合には仲介手数料は発生しない。
・悪徳な不動産会社に依頼してしまうと、両手仲介を目論んで他社に情報を提供せず、買い主がなかなか決まらないことがある。
一般媒介契約 ・複数の不動産会社に同時に売却を依頼することができる。
・売り主が知人など、自分で買い主を見つけた「自己発見取引」の場合には仲介手数料は発生しない。
・売り主に対する報告義務がなく、売却活動が不透明。

初心者の方は、専任媒介契約を選ぶようにしましょう。2週間に1度、売却活動に関する報告を行うことが義務付けられているため安心です。また、売り主が親族や知人など、自力で買い主を見つける「自己発見取引」になった場合には、仲介手数料は支払う必要がありません。

もし、自己発見取引を行う可能性がゼロで、さらに綿密に担当者からの報告が欲しい、という場合には、1週間に1度の報告が義務付けられている専任専属媒介契約を行うのも良いかもしれません。ただし、自己発見取引となった場合でも仲介手数料が発生するため注意が必要です。

また、専任専属媒介契約で義務付けられているのは報告の頻度のみで、報告の内容に関しては定められていないため、きちんとした内容の報告を行ってくれる担当者かどうかを見極めておくことが重要だといえるでしょう。

一般媒介契約は、不動産売買に慣れているという方でなければおすすめできません。窓口が複数あることで、複数の不動産会社とやりとりする手間ができてしまいます。複数の不動産会社に同時に売却を依頼できるため販路を広く取れますが、売り主に対する報告義務がなく、売却活動が不透明になってしまうのも難点です。

STEP5 売却活動

不動産会社と媒介契約を交わしたら、いよいよ売却活動の始まりです。不動産会社があなたのマンションの買い主を見つけるために動き出します。

〈売却活動の際にすべきこと〉
 □担当者がきちんと売却活動を行っているかチェック
 □内覧希望者への対応
 □物件に雨漏りや騒音、事故歴などがある場合は隠さず説明する

不動産会社は物件が売れて初めて、手数料を得ることができます。そのため、なかには必要以上に売り値を下げて成約を急ごうとする不動産会社もあります。担当者があなたの物件を売るために真摯に動いてくれているのか、きちんとチェックするようにしましょう。

何か疑問や不満に思うことがあればすぐに担当者に確認し、知識と意欲を持った売り主であることをアピールしましょう。プロだから間違っていないはず、と任せきりにしてしまうのは信頼ではなく盲信です。

売却活動がどのように行われているか、それは十分なのか、必ず確認することが重要です。

売却活動ではまず、業界用語で「マイソク」と呼ばれる販売用図面を不動産会社が作成します。マイソクは、間取りや外観・内観、築年数や駅からの所要時間などの情報を伝えるだけでなく、物件の魅力をアピールするいわばあなたの物件の「プロフィール」です。

このマイソクは、ポスティングチラシにしたり、ウェブ上に掲載したり、他の不動産会社への営業資料にしたりするため、非常に重要です。外観だけでなく室内の写真をたくさん使用したり、物件のアピールポイントを分かりやすく説明したりするのが理想的です。

また、不動産会社は、「レインズ」という、宅地建物取引業者しかアクセスすることのできないサイトでどの物件がいついくらで販売されたのかという過去のデータや、現在売りに出されている物件の価格などの情報を共有しています。他社の取り扱う物件であっても、顧客の要望に応じてレインズで物件を検索し、顧客に紹介しすることもできるのです。

マイソクはレインズにアップロードされ、他社が閲覧・ダウンロードすることもできるようになっています。当然、マイソクが登録されている物件の方が情報量も多く、マイソクのクオリティが高い方が、買い主の仲介をする不動産会社からの問い合わせも増えます。

どのようなマイソクが作られて、レインズにアップロードされているのか、担当者に確認するようにしましょう。

また、内覧の際に「この部屋に住みたい」と思ってもらえるよう、売り主も工夫しなくてはなりません。部屋が散らかっていたり、照明が薄暗かったり、水回りが汚れていたりすると購入意欲が削がれてしまいます。

内覧の希望は可能なかぎりすぐに受けられるようにしておきましょう。リフォームの必要はありませんが、先々引っ越すことも考え、部屋がすっきりして見えるように物を減らしておくことが得策です。

また、内覧は担当者に任せきりにするのではなく、売り主も対応するのがおすすめです。実際にその物件に住んでいるからこそ分かる魅力を伝えるようにしましょう。

しかし、良い点ばかり伝えれば良いというものでもありません。「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」といって、物件に雨漏りや騒音、事故歴などがある場合には、売り主は買い主に対してその事実をきちんと説明する義務があります。説明を怠ると損害賠償請求をされたり、契約解消になったりするリスクがあるので、絶対に隠し事はしないようにしましょう。

不動産売却は売り主と不動産会社の担当者の二人三脚です。売却活動を少し工夫しただけでそれまでまったく購入希望者が現れなかった物件がすぐに成約したという例もありますので、しっかりと対策しておきましょう。

STEP6 買主と売買契約

無事、買い主が見つかれば、売買契約を交わすことになります。

〈売買契約を結ぶ際にすべきこと〉
 □契約に必要な書類などを用意する
 □買い主との合意条件をよく確認する

売買契約を結ぶと、正式に売却が決定します。多くの場合、売買契約を交わす際に売買代金の5〜10%程度を「手付金」として買い主から受領することになります。

契約は、買い主のローン審査が通っているかを必ず確認してから交わすようにしてください。万一ローン審査が降りなかった場合、契約は白紙になり手付金を返さなければならず、契約書に添付した収入印紙代も無駄になってしまいます。

契約の際に必要となるものは一般的には以下のとおりです。

・実印
・印鑑証明書
・権利証(登記識別証明情報)
・本人確認資料

契約書などの必要書類は、仲介会社が作成し説明をしてくれます。特に売却条件はよく読んで理解し、不利な条件となっていないか確認してからサインするようにしましょう。疑問に思った点は必ず担当者に聞いておきましょう。

STEP7 引き渡し

売買契約が済めば、次はいよいよ物件の引き渡しです。ここでは、さまざまな手続きが必要となります。

〈引き渡しの際にすべきこと〉
 □代金の決済
 □登記の変更
 □物件の状態確認
 □(ローンが残っている場合)ローンの完済
 □(ローンが残っている場合)抵当権の抹消

代金の決済、その他の費用の清算、費用書類の引き渡し、部屋の状態の確認、鍵の引き渡しなどが行われます。

引き渡しの日には、手付金を差し引いた物件の代金が振り込まれます。所有権の移転などの登記にまつわる作業は司法書士に依頼するのが一般的です。

売却するマンションを購入した際に組んだローンが残っている方は、この日がローンの完済日となります。引き渡しの日にちが決まった時点で、必ずローンを借り入れている金融機関に連絡してください。

また、ローンを貸している金融機関は万一債務者がローンを返済できなかった場合に物件を担保とすることのできる「抵当権」という権利を有しています。マンションの売却には、この抵当権を抹消する手続きが必須ですが、こちらも司法書士が担うことになります。

ローンの返済方法について、詳しくは住宅ローンが残っている家は売れない?売却が難しいたった1つの理由をご覧ください。

STEP8 確定申告

マンションが売れたら、翌年には必ず確定申告を行なってください。

〈確定申告の際にすべきこと〉
 □各種の控除の確認

マンションを売却したことで得たお金は給与所得ではなく譲渡所得となるため、会社員の方であっても自分で申告が必要です。

多くの場合は、売却で得る金額よりも、購入時に支払った金額の方が多いでしょう。

その場合、必要な要件を満たした上で確定申告をすると、既に納めた税金が還付金として返ってきたり、所得税が控除されたりする可能性があります。

また、稀なケースですが、マンションの購入費用を売却金額が上回って利益を得た場合には、譲渡所得税を支払わなくてはなりません

ただし、自分が住んでいた不動産を売却した場合には、通称「3,000万円特別控除」といって、一定の要件を満たしていれば譲渡所得から最高3,000万円の特別控除を受けることのできる特例があるので、しっかりチェックしましょう。

なお、マンション売却時の税金に関して詳しくは、不動産売却時にかかる税金の計算方法と節税ノウハウをご覧ください。

ここまでのポイント
  • マンション売却の流れは「事前準備」「査定依頼」「不動産会社を比較・決定」「不動産会社と媒介契約」「売却活動」「買主と売買契約」「引き渡し」「確定申告」の全8行程
  • マンション売却の成否を決めるのは不動産会社選び
  • 事前準備~引き渡しまでで3~6カ月程度の時間がかかる
  • 2.騙されないで!初めての方が陥りがちな3つの落とし穴

    初めてマンションを売却する人が陥りがちな落とし穴を3つ紹介します。

    落とし穴1 高額な査定価格は罠!
    落とし穴2 売り出し価格を安易に下げるのは危険!
    落とし穴3 両手仲介の「囲い込み」に注意!

    落とし穴1 高額な査定価格は罠!

    複数の不動産会社に見積価格を出してもらうと、見積価格が高い業者と、低い業者があることが分かるでしょう。せっかくなら高い見積価格を出してくれた業者に頼みたいと思うかもしれません。

    しかし、一社だけ飛び抜けて高い見積価格を出してきた場合は要注意です。不動産会社は、物件が売れて初めて売り主から報酬を得ることができます。つまり、まず売り主と契約を交わすことが第一ステップとなるわけです。

    そのため、なかには売り主との契約を得るために相場とかけ離れた高額な見積価格を出す、という悪徳な不動産会社も存在します。

    そのような不動産会社と安易に契約を交わしてしまうと、売り出した後に「この価格では売れませんから価格を下げましょう」と値下げを提案され、結局他社の出した見積もり金額よりも安い金額でしか売れなかった、ということにもなりかねません。

    高額な査定価格に釣られ、あとから泣きを見ることにならないよう注意が必要ですね。

    落とし穴2 売出価格を安易に下げるのは危険!

    売却を開始しても、問い合わせや内覧の申し込みが少なく、なかなか買いたいという人が現れないということもあります。そんなとき、不動産会社から値下げを提案されることもあるでしょう。しかし、安易な値下げはおすすめできません。

    不動産会社は、物件が売れて初めて仲介手数料として報酬を受け取ることができます。なかには、必要以上に売値を下げて成約を急いだり、後述する「両手仲介」を目論んで自社の顧客から買い主を見つけようと他社に十分に情報を開示しなかったりする例もあります。

    値下げに踏み切る前に、マンションを今の価格で売るためにできることを全て行ったかをチェックするようにしましょう。

    〈「値下げに踏み切る前に力を尽くした?」チェックリスト〉

    ①買い主となり得る層にそもそも情報が届いているのか
    □マイソク(物件広告)は物件の魅力を十分に伝えられる内容になっているか
    □不動産情報を共有するサイト「レインズ」に十分な情報が公開されているか
    □大手不動産会社のサイトに物件情報が掲載されているか
    □大手ポータルサイトに物件情報が掲載されているか
    □売出中のほかの部屋や、近隣の賃貸マンションにポスティングを行ったか
    □潜在顧客を持っていそうな近隣エリアの不動産仲介会社に物件の告知をしたか
    □不動産会社が「囲い込み」(後述)を行っていないか

    ②興味を持った人に物件が持つ魅力は十分にアピールできているのか
    □部屋のクリーニングは十分か
    □室内に臭いがついていないか
    □必要に応じて室内に説明や魅力をアピールするパネルを掲示しているか

    可能なかぎりできることをやって初めて、「売れないのは値段が原因である可能性が高い」という判断を下すことができます。

    力は尽くしたけれどもやはり売れない、ということであれば、値下げで状況が変わる可能性もあります。

    担当者に、現在の価格で売却に至らなかった理由、周辺の類似物件の取引情報、売り出した当初の目論見と現在の状況との相違点、競合物件の状況などを確認し、納得ができたら、思いきって値下げに踏み切っても良いでしょう。

    落とし穴3 両手仲介の「囲い込み」に注意!

    不動産会社によっては、「囲い込み」といって無理に自社の顧客から買い主を見つけようとする悪質な会社もあるため、「物件情報が広く開示されているか」を必ず確認するようにしましょう。

    マンション売却の媒介契約を結んだ不動産会社は、売り主の代わりに物件の営業活動を行い、買い主が見つかった場合には契約書などを用意することで、手数料という形で利益を得ています。この手数料は、成約価格の3%+6万円(税別)であることが一般的です。

    一方、買い主はどうでしょうか。こちらも、物件を見つけたり、契約の手続きなどを行ったりする際のサポートをしてくれる不動産会社に対して、手数料を支払うことになります。

    売り主と媒介契約を結んだ不動産会社が、自社で買い主を見つけることができれば、売り主からも買い主からも手数料を受け取ることができ、倍のお金を受け取れることになります。これを「両手仲介」といいます。

    両手仲介の図
    片手仲介の図

    多くの不動産会社が両手仲介を行っており、それ自体は必ずしも悪いことではありません。売り主と買い主の間に入るのが一社となるため、やりとりがスムースに行えることでしょう。

    しかし、この両手仲介をしたいがために、そもそも物件の売却情報を開示しない、買い主となり得る潜在顧客を抱える近隣の不動産会社に営業を行わない、内覧などの申し込みがあっても「既に購入希望者が現れて交渉中です」などと嘘をついて物件を紹介しない、といった悪徳不動産会社もあるようです。これが業界用語で「囲い込み」と呼ばれる行為です。

    囲い込みの図

    物件を売り出してもなかなか買い主が現れない、早々に値下げを提案された、といった場合には、囲い込みが行われていないか、先のチェックリストの「買い主となり得る層にそもそも情報が届いているのか」という観点から、確認してみましょう。

    多くの不動産会社は両手仲介を行っていますが、そもそも両手仲介は「少しでも高く売りたい売り主」と「少しでも安く買いたい買い主」の利益が相反し、不動産会社ばかりが得をするものではないか、という指摘もあります。

    両手仲介ではなく、売り主または買い主の仲介のみを行う、「片手仲介」を専門としている不動産会社もなかにはあります。もし、囲い込みを避けるために必ず片手仲介を行ってほしいということであれば、片手仲介のみを行っている不動産会社を選ぶのも良いでしょう。

    ここまでのポイント
  • 高額な査定価格を出してきた不動産会社には、査定価格の根拠を聞く
  • 売出価格の値下げを提案されたら、不動産会社が売却活動をきちんと行っているかチェックリストを確認
  • 「囲い込み」されないよう、両手仲介と片手仲介の仕組みを理解して対策
  • 3.マンションを高く売るコツ

    マンションを売却するためにどのようなことをすべきなのか、おおまかなイメージは掴めてきましたか?

    上述したマンション売却までの流れと、注意点さえ掴めていれば、マンション売却にありがちな失敗は回避できるでしょう。

    しかし、せっかく売るからには、できるだけ高く売りたいですよね。現在のマンションを売って新たにマンションや一軒家を購入する「住み替え」を行う場合には、ローン返済のことも考えなくてはなりません。できれば、ローンを返済し、次に購入する物件の資金に充てられるだけのお金を得たいところです。

    では、マンションをできるだけ高く売るためには、どうすれば良いのでしょうか。このセクションでは、マンションを高く売るためのコツをお伝えします。

    コツ1 買い主にメリットのある築年数を知っておく
    コツ2 生活環境の変わる季節に売り出すのがおすすめ
    コツ3 売却前にリフォームはNG
    コツ4 高く売りたいなら買取より仲介
    コツ5 売却前に賃貸にしない
    コツ6 最も重要なのは不動産会社選び

    コツ1 買い主にメリットのある築年数を知っておく

    まず、マンションを売却するタイミングとしては、築10年を目安にしましょう。

    マンションの資産的な価値は、築年数が増えるごとに段階的に下がっていきます。しかし、不動産の価格決定には、そこに価値を見出す人がいるかどうかということが大きく関係します。

    実際のところ、新築からの売却価格はどのように変遷するのでしょうか。

    築年数による売却価格の推移

    (公財)東日本不動産流通機構が公開したデータを確認すると、築年帯別の1㎡あたりの平均単価は、築10年までの間に最も激しく落ち込み、その後やや緩やかになりながらも下落していきます。最も下がるのは築26〜30年の物件です。

    築30年を超えるとやや上向きとなっているのは、近年セルフリノベーションが人気で、古い物件を安く買って自分の理想どおりの住まいを実現したいという方が増えているためだと考えられます。

    周辺環境や競合次第では築年数が浅いにもかかわらず売値を下げなければ買い主が見つからない場合や、反対に買ったときよりも高値で売れる場合もあり得ます。しかし、基本的には、売りに出すのは早ければ早いほどマンションの価値は高くなる、と考えてください。

    では、人気はどうでしょうか。いくら価値が高かったとしても、買い主が現れなければ意味はありません。

    下のグラフは、2018年のレインズに新規登録された中古マンション成約率を築年帯別に示したものです。

    築年数による制約率の推移

    築6〜10年のマンションが最も成約率が高く、その後築年数が増えるにつれ下落、1㎡あたりの単価同様、築30年を超えるとやや上向きとなっていることが窺えます。やはり、築10年以内に売却するのが売りやすいことが分かります。

    また、マンションを売りに出す際は、買い主側の法的な事情も鑑みておくのがおすすめです。

    例えば、築12年を超える物件だと、買い主は35年ローンを組むことができません

    さらに、住宅ローンを組んだ方に適用される特別控除、通称「住宅ローン控除」は、築25年以内の物件に対してのみ適用されます。

    住宅ローン控除は、住宅ローン残高の1%(ただし最大40万円)までが10年間控除されるという大きな控除です。

    築25年以上の物件の場合は住宅ローン控除の適用外になってしまうため、10年間フルで控除の対象となるためには、築15年以内の物件を購入する必要があります。最大400万円の税金が控除されるこのシステムは、もちろん多くの買い主が利用したいと考えていることでしょう。

    買い主にとってのメリットがアピールできるタイミングで、売りに出しておきたいところですね。

    コツ2 生活環境の変わる季節に売り出すのがおすすめ

    日本では、4月が年度の変わり目です。進学や就職、異動など、環境が変化する方が多く、それに合わせて住居環境を変えようというニーズが多いことが想像できますね。また、9〜10月も、秋の転勤や転職などで、春に次いで引っ越しが多い季節です。

    では、春と秋に売り出せば良いのかといえば、そういうわけではありません。環境が変化すると分かっていれば、事前に引っ越し先を探しますよね。

    4月から新しい環境での生活が始まるという方は、多くの場合3月中の入居を目指しているものです。また、マンション売却には、一般的に3〜6カ月の期間がかかります。

    つまり、新年度に向けての需要の高まりに乗っかりたいのであれば、遅くとも前年の12月には売り出していなければなりません。

    マンションを売却する場合には、早め早めの行動を心がけましょう。

    コツ3 売却前にリフォームはNG

    内覧に来る方の印象を少しでも良くするため、室内はきれいにしておきたいところです。しかし、売却前にリフォームを行ってしまうのはおすすめできません

    リフォームした分だけ査定額が上がるとは限りませんし、昨今はセルフリノベーションが流行っています。物件は購入してから、自分の理想の住まいにカスタマイズしていきたいという買い主も多いようです。

    室内は自分で掃除をしておくに留めましょう。特に水回りや玄関、バルコニーなどが汚れていると、内覧者に与える印象が一気に悪くなってしまいます。可能なかぎりきれいにしておきましょう。

    コツ4 高く売りたいなら買取より仲介

    マンションを売る際には、買取か、仲介かの二択となります。物件をより高く売りたいなら、買い取りではなく、仲介を選ぶようにしましょう。

    仲介は不動産会社に買い主を探してもらうこと。買取は、文字どおり不動産会社に物件を買い取ってもらうことです。

    買取と仲介のイメージ図

    仲介の場合は、不動産会社は売り主から成約価格に基づいた手数料を受領することで利益を得ています。しかし、買取の場合は、不動産会社が売り主から物件を買い取り、それを買い主に売ることで利益を得ることになります。いわば「仕入れ」です。

    そのため、不動産会社はマンションを買うことが目的の買い主よりも安い価格でマンションを買い取ることとなります。一般的には、買取価格は相場の70〜75%だといわれています。

    買取のメリットとしては、仲介に比べて早くお金を受け取れること、買い主に対して雨漏りなどの物件の故障箇所に関する責任(=瑕疵担保責任)を負わなくても良いことなどがあります。

    「価格は大きく下がっても良いから売却にかける手間と時間を省きたい」という場合や、一般の個人では購入できないような広大な土地を売却したい場合は買取も検討してみてください。

    コツ5 売却前に賃貸にしない

    マンションを賃貸にするか、売却するか迷っているという場合、売却の方がおすすめです。

    日本は少子高齢化が急激に進んでおり、2033年には空き家率が30%を超えると予測されています。今後コンスタントに借り主を見つけ続けるのは、余程人気の物件でなければ難しいといえるでしょう。不動産の運用には手間とお金がかかるため、その余裕も必要です。

    売却前にマンションを賃貸に出すのもおすすめできません。賃貸中の物件を高く売ることは難しいためです。

    所有者が自ら住む「居住用物件」と賃貸で利益を得る「投資用物件」とでは扱いが異なり、投資用物件を買う際には、買い主は住宅ローンではなく投資用ローン(事業用ローン)を組まなくてはなりません。

    住宅ローンであれば物件価格の100%の金額を借りられる場合がありますが、投資用ローンは物件価格の70%ほどの金額しか融資されず、金利も非常に高く設定されています。

    わざわざ高い金利の投資用ローンを組んで物件を購入しようという人はあまりいないと考えられますよね。

    コンパクトな物件であっても、面積が40㎡以上であれば住宅用ローンを組むことが可能です。なるべく居住用として売り出して、買い主が住宅用ローンを利用して購入することができるようにしておきましょう。

    現在賃貸中の物件を売りに出す場合にも、賃借人から「解約予告通知書」を受け取ってから、不動産会社に机上査定を依頼するようにしましょう。

    もし、それでも賃貸を視野に入れたいという方は、仲介を決める前に、「マンションナビ」などの売却と賃貸の査定が両方行える一括査定サイトを利用してみるのも手かもしれません。

    コツ6 最も重要なのは不動産会社選び

    ここまで、マンションを高く売るためのさまざまなコツをお伝えしてきました。しかし、マンションを売却する上で、最も重要な鍵となるのは誠実な対応をしてくれる不動産会社選びです。

    物件を売却するまでには、売出価格の設定から売却活動、内覧の準備、成約価格の交渉、契約の締結などさまざまな過程があります。物件がいかに早く、いかに高く売れるかは、不動産会社の担当者の能力にかかっているといえます。

    どの不動産会社と媒介契約を交わすかは、焦ることなく、慎重に考えて決定しましょう。

    「大手・地域密着・片手仲介」をあわせて比較しよう!

    まずは、一括査定サイトなどを利用して多くの不動産会社に査定をお願いし、担当者の対応を見極めましょう。不動産会社には、それぞれ違った強みがあります。大手の不動産会社、地元の地域密着型の不動産会社、売り主とのみ媒介契約を結ぶ片手仲介の不動産会社を併せて比較するのがおすすめです。

    きっと、多くの人が「大手に頼むのが一番安心なのでは?」と思うのではないでしょうか。

    (公財)不動産流通推進センターの発表した「2019 不動産流通統計集(9月期改定) 3不動産流通」によれば、不動産売却の仲介件数ランキングにおける上位6社は以下のとおりとなっています。

    【不動産売却仲介件数ランキング】
    企業名 仲介件数
    三井不動産リアルティグループ 41,533件
    住友不動産販売 37,643件
    東急リバブル 25,570件
    野村不動産グループ 8,922件
    三井住友トラスト不動産 7,935件
    三菱UFJ不動産販売 5,569件

    この6社が日本の不動産流通業界における大手6社です。大手には大手ならではの広い販路と安心感があるといえます。しかし、必ずしも大手の会社に任せれば良いというものでもありません。

    大手の不動産会社の多くは都心を中心に事業を展開しており、地方ではそもそも対応していない、ということも少なくありません。仮に大手の不動産会社が参入していても、その地域についてよく理解している地域密着型の不動産会社の方が、潜在的な顧客を抱えていて物件を売りやすい、ということもあり得ます。

    大手の不動産会社、地域密着型の不動産会社、片手仲介のみの不動産会社を併せて比較し、最終的には担当者が信用できると感じた会社を選ぶのが良いでしょう。

    売り主の要望に耳を傾け、丁寧な対応をしてくれる担当者ならば、適切な売却活動をしてくれると考えられます。売り主の質問に適切に答えてくれる、自社に不利益なことであってもきちんと売り主に伝えてくれる担当者が理想的です。

    不動産一括査定も複数のサイトを利用しよう!

    残念ながら、全ての不動産会社に同時に査定を依頼できる一括査定サイトは存在しません。そのため、一括査定サイトも、複数のものを利用してみるのがおすすめです。

    以下が代表的な不動産査定サイトと、その特徴です。

    【代表的な不動産一括査定サイト】
    サイト名 特徴
    イエウール 1,600社以上が提携されていて、地域密着の優良不動産会社が多数登録している。悪徳業者を排除する仕組みも整っていて安心して使える
    HOME4U 日本で初めて一括査定サービスを発足した老舗サイト。登録されている会社は全て厳しい審査を通った不動産会社のみなので、悪徳業者につかまる心配もなく安心して利用できる。NTTデータグループが運営しておりセキュリティも充実している
    おうちダイレクト エリアは限られているが、Yahoo!やSRE不動産など他にない独自の販売チャネルが特徴
    LIFULL HOME’S 不動産情報サイトLIFULL HOME’Sが提供する売却査定サービス。
    1,700社以上の不動産会社が参画し、多くの情報が提供されていて不動産会社の特色や雰囲気がわかるようになっている。
    すまいvalue 他の一括査定サービスには加盟をしていない大手不動産会社に査定依頼が出来る
    マンションナビ マンション売却が得意な会社が多く登録されている。また売却査定だけでなく、賃料査定も同時にできる

    売却したい物件の情報と、自分の氏名・住所などを入力するだけで、無料で簡単に利用することができます。

    ここまでのポイント
  • 売れるマンションの築年数は10年が目安
  • 春や秋など生活環境が変わる季節に売れやすくなる
  • 売却前にリフォームをする必要はない
  • 不動産会社に買取してもらうと査定額が低くなるので、仲介がおすすめ
  • 賃貸経営は売却よりハードルが高いので、売却の方が確実
  • マンションを高く売るために最も重要なのは不動産会社選び
  • マンション売却に必要な費用まとめ

    マンションを売るためにも、実は費用がかかります。どのようなお金がかかるのか確認していきましょう。

    【マンション売却に必要な費用】
    ※横にスクロールできます
    費用 条件 費用
    仲介手数料 成約価格が200万円以下 成約価格の5%
    成約価格が200万~400万円 成約価格の4%+2万円
    成約価格が400万円~ 成約価格の3%+6万円
    抵当権抹消登記費用 登録免許税 3,000円
    司法書士への報酬金 8,000円~12,000円程度
    印紙税
    ※2020年3月31日までの契約には軽減税率が適用され()内の価格が適用される。
    成約価格が100万〜500万円 2,000円(1,000円)
    成約価格が500万〜1,000万円 1万円(5,000円)
    成約価格が1,000万〜5,000万円 2万円(1万円)
    成約価格が5,000万〜1億円 6万円(3万円)
    成約価格が1億〜5億円 10万円(6万円)
    不動産譲渡所得税 所有歴5年以下の不動産を売却 所得税30.93%+住民税9%
    所有歴5年超の不動産を売却 所得税15.315%+住民税5%
    ローン完済費用 残債は早めに確認し、引き渡しの日時が決まり次第金融会社に連絡する

    例えば、5,000万円で購入したマンションが、3,000万円で売却できたとします。その場合必要になる費用は以下のとおりです。

    ・仲介手数料:30,000,000×0.03+60,000=960,000円
    ・抵当権抹消費用:15,000円
    ・印紙税:10,000円(※2020年4月1日以降の売買契約の場合は20,000円)

    不動産譲渡所得税がかからなかった場合であっても、ローン完済費用に加えて、100万円近いお金が必要となることが分かりますね。また、万一未納の管理費や修繕積立費用があった場合には、必ず売却の前に支払っておいてください。

    稀に仲介手数料が低く設定されている不動産会社がありますが、そういった会社では、通常仲介手数料に含まれている広告費などの経費が別途請求されることもあるため注意が必要です。さまざまな名目で後から請求が増え、かえって不動産会社に支払うお金が通常の仲介手数料より高額になってしまう可能性があります。安価に釣られて飛びつかず、必ず確認してから契約を結ぶようにしましょう。

    マンション売却時の手数料については「マンション売却の手数料の相場は?売却に必要な費用一覧と賢い節約術」で詳しく解説しています。

    マンション売却時にかかる税金まとめ

    マンションを売却した際には、税金がかかる可能性があります。

    利益が出た場合であっても、出なかった場合であっても、確定申告を行うことで節税ができる可能性が高いので、損しないよう、事前に知っておきましょう。

    売却して利益が出た場合

    マンションを売却して利益が出た場合には、利益に対して税金がかかります。利益とは、取得価格(=買ったときの価格)から不動産会社に支払った仲介手数料や司法書士に登記変更を依頼した依頼料などの諸経費を引いた金額のことで、「譲渡所得」といいます。

    譲渡所得=譲渡価格-(取得費+売却費用)

    この譲渡所得が発生した場合、その金額に対して所得税・復興所得税・住民税がかかることとなるのですが、これらを総称して「譲渡所得税」と呼ばれています。

    譲渡所得税は、マンションの所有年数によって異なります。売却した物件を5年を超えて所有していた場合には「長期譲渡所得税」が利益の20.315%、5年以下の所有の場合には「短期譲渡所得税」が利益の39.63%かかります。

    ただし、自宅を売却した方であれば、多くの場合は支払う必要はありません。「3,000万円特別控除」といって、譲渡所得より最高3,000万円を控除することができるためです。利益が3,000万円より低かった場合には譲渡所得税は発生しません。

    売却して利益が出なかった場合

    利益が発生しなかった場合にも、住民税や所得税を節税できる可能性があります。取得価格(マンションを買ったときの価格)から諸経費と売却価格を差し引いた金額がマイナスの場合、「損失額」として考えられ、確定申告の際、その年の所得から控除することが可能です。

    損失額が売却した年の所得税課税額を上回っている場合、最長4年間まで控除できるため、確定申告は必須です。大きな節税になりますよ。

    住み替える人必見!売上金でローンが払えなかったときの対処法

    現在のマンションを売却し戸建てや別のマンションなどへの引っ越し=住み替えを検討している方の多くは、マンションを売って得たお金で現在のマンションを購入した際の住宅ローンを返済しようと考えているのではないでしょうか。

    残債よりも高い価格でマンションが売却できれば問題なく返済することができますが、査定額が残債を大きく下回っているなど、売却して得たお金だけでは返済が難しいとなった場合には、「住み替えローン」、「買い替えローン」などと呼ばれるローンの利用を検討するのも良いでしょう。

    「住み替えローン」または「買い替えローン」とは、ローンが残っている物件を売却し、売却額がローン残高よりも少なかった場合、残債を新居の住宅ローンに上乗せして借りられるローンのことです。

    住み替えローンの説明図

    ただし、住み替えローンを利用する場合には、いくつか注意点があります。

    まず、売却と購入の決済日を揃える必要があること。こちらは、媒介契約を結んだ不動産会社に調整を頼むようにしましょう。

    また、本当に返済できる金額なのか、最初の住宅ローンを組んだとき以上にしっかりと考えてから借り入れを決める必要があります。通常の住宅ローンは住宅の価値(担保評価)に合わせてローンが組まれますが、住み替えローンの場合は、返済中の住宅ローンの残債+新しい家の購入代金+各種手数料、つまり新たに購入する住宅の価値以上の金額を借りることになります。

    住み替えローンを利用する際には慎重に検討するようにしましょう。

    1分で分かるこの記事のポイント

    事前準備から翌年の確定申告に至るまで、マンションを売却する際にはさまざまな手間がかかることが分かりましたね。

    そのなかでも最も重要な「誰にいくらで売れるか」を決定づける売却活動を行うのが、不動産会社です。売り主は、媒介契約を結んだ不動産会社の担当者と連携し、場合によっては部屋の掃除や内覧の準備などの手間をかけなくてはなりません。

    そのため、いかに信頼の置ける不動産会社を見つけるかが、マンションを高く売るための鍵となります。

    不動産会社を選ぶ際には、強みの異なる複数の会社を比較し、慎重に検討するようにしましょう。

    その際には、複数の不動産会社に同時に査定を申し込むことのできる不動産一括査定サイトを利用するのがおすすめです。複数の不動産会社を手軽に無料で比較することができますよ。

    査定額の高い不動産会社に頼めば良いというものではなく、担当者の対応がきちんとしているか、信頼できるか、といった観点でじっくり見極めるのが重要です。

    不動産会社のなかには、稀に悪徳業者も存在します。騙されたり損したりしないためには、不動産会社に任せきりにせず、売却活動がきちんと行われているか、囲い込みが行われていないかなど、自分で知識をつけきちんと確認することが必要です。

    マンション売却の流れやコツをしっかり把握して、できるだけ高くマンションを売却したいですね。

    この記事の要点まとめ
  • 事前の情報収集から引き渡しまで、マンション売却には3~6カ月程度の時間がかかる
  • 初めてマンション売却をするときは、「高額な査定価格」「売出価格の安易な値下げ」「両手仲介の囲い込み」に注意
  • マンションを高く売るためにはさまざまなコツがあり、最も重要なのは不動産会社選び
  • マンションを売却する際は、不動産会社への支払いや税金などの費用がかかる
  • マンションを売却し新しい住居へ住み替える場合、売上金でローンが支払えなければ買い替えローンを検討

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