土地売却の流れが全て分かる!高く売るコツから注意点や費用まで解説

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「土地を売却したいんだけど何から始めればいいんだろう……。」

「なるべくスムーズに高値で売るにはどうすればいいの?」

土地を売却しようとしたとき、このように悩む方も多いのではないでしょうか。

土地は所有しているだけで管理コストや税金などの費用がかかりますから、売却を決めたらなるべく手間をかけず早く売りたいですよね。

しかし、一口に土地を売却するといっても家付きの土地や相続した土地など、状況によって売却に必要な手続きやベストな売却方法は異なります

また、土地によっては古い建物の解体や境界線の測量などが必要になるケースも考えられます。

どのような方法で売却活動に臨むかによって土地の売れやすさや税金・費用の負担も異なるため、損をしないように計画的に売却活動を進めましょう。

この記事では、一般的な土地売却の流れや費用、高く売るコツや売却の注意点などを徹底解説します。

不動産売却のプロ
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この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
公認会計士・税理士・行政書士。相続税対策に強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。株式会社チェスターでは、年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている。 TV/雑誌など各種メディアからの取材歴多数。また、土地や相続についての書籍も多数出版している。
株式会社チェスターは、総勢200名以上の税理士法人グループの不動産会社です
「税理士が教える不動産売却の知識」(以降、本メディア)では一部、メーカーやサービス提供事業者から広告出稿をいただいておりますが、コンテンツの内容については本メディア独自に制作しており、情報の掲載有無やコンテンツ内容の最終意思決定に事業者は関与しません。
目次

1.土地売却の流れ

土地を売るまでには、どんなことをすればいいの?
土地売却ってどれくらいの期間がかかるの?

いざ土地を売却しようと思ったとき、このような疑問を持つ方も多いでしょう。

一般的な土地売却は、大きく分けて以下の6ステップで進みます。

メモ
不動産の売却には不動産会社に買い主探しを依頼し買い主との間を取り持ってもらう「仲介(媒介)」と不動産会社に不動産を売却する「買取」があります。買取で売却した場合、売却価格は仲介で売却した場合の7割程度になるため、仲介での売却が一般的です。この記事でも、仲介で土地を売却する場合の方法についてお伝えします。
不動産売却のプロ
売却活動を始める前に、まずは土地売却の流れを知っておきましょう。

あわせて読みたい!
これから始まる売却活動の流れを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
不動産売却の基礎知識~不動産売却の流れを把握しよう~

STEP1 事前準備をする

土地を売り出す前には、売却に必要な書類と売却する土地の情報を集めましょう。

土地売却では、以下のような書類が必要になります。

【土地売却に必要な書類】
  • ・本人確認書類(身分証明書、印鑑登録証明書、住民票など
  • ・登記済権利証もしくは登記識別情報
  • ・固定資産税納税通知書および固定資産評価証明書
  • ・土地の測量図
  • ・境界確認書

※住民票、印鑑登録証明は発行から3カ月以内のもの

土地を売却したときには、登記済権利証を買い主に渡して移転登記を行い土地の所有権を移します。

登記権利証とは
いわゆる「土地の権利書」のことです。土地を取得した際に法務局から登録名義人に交付されます。

上記の書類の他にも、土地の購入時の契約書や地盤調査報告書などがあれば用意しておくと良いでしょう。

書類をそろえるだけでも手間がかかりそうだな……。

実は、これらの書類はもともと所有しているか、もしくは即日で発行できるものがほとんどです。

ただし、古くから所有している土地や相続した土地などで、本来手元にあるはずの書類や情報が欠けている場合には通常より多くの時間がかかることがあります。

特に、隣地との境界線が明確でない土地の場合は土地家屋調査士に測量を依頼することになり、完了までに数カ月程度の期間と数十万円の費用が必要になります。

不動産売却のプロ
書類の用意だけで数カ月かかるケースもあり、費用が必要になることもあるため早めに書類の準備や確認を進めておくと安心ですね。

また、売却する土地の周辺環境やこれまでの土地の用途などの情報についても明らかにしておく必要があります。

不動産売却のプロ
後ほどこちらで詳しく解説しますが、売却する土地に何らかの欠陥や留意事項がある場合には売り主には説明責任が生じます。

住宅地であれば問題になることは少ないですが、土壌汚染が懸念される土地や地下に建設物の一部が残ったままの土地もあるため注意しましょう。

売却活動を始めた後でトラブルにならないように、土地の調査や書類の用意などの準備はしっかり行っておくことが大切です。

あわせて読みたい!
必要書類についての記事はこちらです。
不動産売却に関わる一連の手続における必要書類完全ガイド

STEP2 不動産会社に査定を依頼する

売却する土地の情報収集や書類の用意ができたら、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。

不動産会社によって査定額は異なるため、査定の結果を比較することでより正確な相場を把握し、高値で売却できる不動産会社を選ぶことができます。

なお、査定には「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類の方法があります。

机上査定(簡易査定)は、立地や築年数などの物件の情報や周辺の不動産の取引価格などのデータをもとにおおよその査定をする方法です。

訪問査定は、その名のとおり不動産会社の担当者が実際に物件に訪れて物件の状態や周辺環境を加味して査定を行う方法です。

まずは6~10社程に机上査定を依頼し、その中から結果が気になった2~3社に訪問査定を依頼して不動産会社を絞り込みましょう

査定額が一番高い不動産会社を選べばいいのかな?
不動産売却のプロ
ちょっと待ってください!あくまで査定額は目安であり、不動産の売却価格を保証するものではありません。

査定額が高い不動産会社を選んだからといって、その価格で実際に売却できるとは限らないので注意しましょう。

査定の結果が出たら必ず不動産会社に査定額の根拠を確認し、きちんとした回答が得られるか、担当者の対応が誠実であるかを見極めることが重要です。

不動産会社について定めた法律「宅地建物取引業法」の第34条の2第2項においても、以下のとおり根拠を提示することが義務付けられています。

宅地建物取引業法 第34条の2第2項
宅地建物取引業者は、前項第2号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。

また不動産会社の担当者の対応が迅速かつ丁寧か、信頼がおけるかといった点もチェックすると良いでしょう。

不動産売却のプロ
複数の不動産会社に査定を依頼するときには、無料で使える「不動産一括査定サイト」を利用すると便利ですよ。詳しくはこちらで解説しています。

あわせて読みたい!
不動産一括査定サイトについてはこちらで詳しく比較しています。
厳選23サイト!不動産一括査定サイト比較ランキングとおすすめポイント

STEP3 不動産会社と媒介契約を結ぶ

信頼できる不動産会社が見つかったら、媒介契約を結びます。

媒介契約とは
不動産の売り主と不動産会社との間で結ばれる契約のことです。一般的には「仲介契約」と呼ばれ、売り主と媒介契約を結んだ不動産会社は売り主に代わって買い主を探します。

媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、以下のように異なる特徴があります。

【媒介契約の種類】
※横にスクロールできます
契約の種類 売却活動に関する
報告の義務
他社との同時契約 レインズへの
登録義務
自己発見取引 契約期間
専属専任媒介契約 1週間に1回以上 不可 契約から5日以内 不可 最長3カ月
専任媒介契約 2週間に1回以上 不可 契約から7日以内 最長3カ月
一般媒介契約 なし なし 規定なし(3カ月が一般的)
レインズとは
国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社同士が不動産物件情報を交換するためのコンピュータネットワークシステムです。会員となっている不動産会社はレインズを通じて売却・賃貸中の不動産に関する情報を共有しています。

レインズに登録された不動産情報は宅地建物取引業者(不動産会社)であれば閲覧できるので、不動産購入を検討している方から依頼を受けた他の不動産会社がレインズを見て売り主の依頼した不動産会社に連絡を取り、買い主が見つかるケースもあります。

レインズに登録されている物件は広く閲覧されるチャンスがあるのでその分買い主が見つかりやすいと考えられるのですね。

自己発見取引とは
売り主が自分で買い主を見つけ、不動産会社を通さずに行う取引です。
3種類の契約からどれを選べばいいんだろう?
不動産売却のプロ
それぞれにメリット・デメリットがありますが、土地売却に慣れていない方であれば専属専任媒介契約か専任媒介契約がおすすめですよ。

専属専任媒介契約もしくは専任媒介契約を結んだ場合、売り主は契約した不動産会社から定期的な売却活動に関する報告を受けることができます。

活動報告の頻度は専任専属媒介契約では1週間に1回以上、専任媒介契約では2週間に1回以上が義務付けられているため、売却活動の進行状況をしっかり把握できて安心です。

一方で、一般媒介契約の場合、不動産会社に売り主への報告義務はなく売却活動が不透明になりやすいといわれています。

一般媒介契約では売り主が積極的に複数の不動産会社とのやり取りを行うことになるため、土地売却に詳しい方でない限り基本的にはおすすめできません。

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媒介契約の違いについてはこちらもご参照ください。
不動産を売却する時の媒介契約とは

STEP4 不動産会社が売却活動を行う

媒介契約を結んだら、不動産会社が買い主を見つけるために売却活動を行います。

具体的にはどのような売却活動が行われるの?

不動産会社は物件の情報や売り出しポイントをまとめて物件情報サイトに登録したり、チラシを作って近隣の住宅にポスティングをしたりといった活動を行います。

不動産会社が利用するインターネット媒体にはSUUMOやLIFULL HOME’Sなどの一般公開されているサイトだけでなく、不動産会社しか利用・閲覧することができないレインズもあります。

最近ではインターネットを使って不動産を探すことも多いため、自分の土地がWeb上でどのように紹介されているかチェックしておくといいでしょう。

また、買い主候補が土地を見学するとき、現地で案内をするのも不動産会社の重要な仕事です。

STEP5 買い主と売買契約を結ぶ

買い主が見つかったら、書類を用意して売買契約を結びます。

一部を除き、売買契約に必要な書類は媒介契約を結んだ不動産会社が用意します

売り主自身が用意しなければならないのは、以下のようなものです。

【売買契約の際に必要なもの】
  • ・本人確認書類
  • ・実印
  • ・印鑑登録証明書
  • ・登記済権利証(権利書)
  • ・固定資産税納税通知書
  • ・固定資産評価証明書
  • ・仲介手数料の一部
不動産売却のプロ
売買契約を結ぶ際には必ず契約書にしっかり目を通し、少しでも気になる点があれば不動産会社に確認しましょう。

なお、売買契約が締結されると、媒介契約を結んだ不動産会社に対して仲介手数料を支払う義務が生じます。

仲介手数料を支払う時期は媒介契約の内容によって異なりますが、一般的には売買契約時に半額を支払います。

手持ちが不安なんだけど、売却金から仲介手数料の支払いはできないの?
不動産売却のプロ
買い主から手付金が支払われますから、手付金を仲介手数料に充てることができますよ。

ほとんどの場合、売買契約が交わされるタイミングで買い主から売却価格の5~10%程度の手付金が支払われます。

売買契約が成立してから契約内容を変更するのは困難なので、契約書の内容はしっかり確認しておきましょう

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売買契約書の確認ポイントについてはこちらで詳しく比較しています。
不動産売却の契約書|売買契約書の確認ポイントと売買契約時に準備するもの

STEP6 土地の引き渡しを行う

売買契約が完了したら、不動産会社の担当者の立ち会いのもと土地の引き渡しを行います。

この段階で手数料を差し引いた土地の代金がすべて振り込まれ、物件の所有権は売り主から買い主に移ります。

引き渡しの当日は司法書士や金融機関関係者などが同席し、以下のような手続きが行われます。

【土地の引き渡し時に行う手続き】
  • ・土地の状態確認
  • ・代金の決済
  • ・その他費用の精算
  • ・必要書類の引き渡し
  • ・登記の変更

登記の変更を行う際には、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。

この際、司法書士への報酬が依頼先に応じて3万~8万円程度、さらに登録免許税が発生しますが、いずれも買い主の負担となるのが一般的です。

メモ
土地の移転登記を行う際、固定資産税評価額の2.0%(令和8年3月31日まで軽減税率適用のため1.5%)を登録免許税として支払います。抵当権抹消に必要となるものを除き、登録免許税は買い主の負担となるのが一般的です。

また、仲介手数料もこのタイミングですべて不動産会社に支払います

不動産売却のプロ
不動産会社を介して土地を売却する場合には、引き渡しが完了するまでサポートを受けることができます。不明な点があればその都度相談しましょう。

2.土地を高値で売却するコツ

土地を高値で売却するには、どんなことに気を付ければいいんだろう?
できるだけコストをかけずに売却したいなあ。

土地を売るなら高値でスムーズに売却したいと考える方が多いでしょう。

また、費用を抑えてできるだけ多くのお金が手元に残るようにしたいですよね。

しかし、売却活動の進め方によっては、余分な税金や費用がかかってしまったり損をしてしまったりするケースも少なくありません

そこで、この章ではより高値で土地売却を成功させるために知っておきたい六つのコツをご紹介します。

コツ1 更地にする前に査定を受ける

土地に家が建っているんだけど、売却前に更地にするべきかな?
更地にしておいた方が売れやすいのかな?

建物が建っている土地を売却するとき、あらかじめ解体しておこうと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、査定を受ける前にいきなり更地にするのはおすすめできません

更地にしたからといって高く売却できるとは限らず、解体費用もかかるため結果的に損をするケースも多いからです。

メモ
家の解体を行う場合、平均的な規模の住宅でも100万~200万円程度の費用がかかるのが一般的です。土地を売却するために更地にしても、希望通りの価格で売却できるわけではないため解体費用を回収できない可能性があります。

家が建っていても建っていなくても土地自体の価格は変わりませんから、まずは解体せずにそのまま売却することはできないか不動産会社に査定を依頼してみましょう。

また、家が建っている土地よりも更地の方が固定資産税が高くなる点にも注意が必要です。

固定資産税の計算例

家が建っている土地の場合、家屋1戸あたり200㎡までの部分は「小規模住宅用地」、200㎡を超えた部分は「一般住宅用地」として固定資産税の軽減措置が適用されます。

しかし、更地の場合は減税の対象外となるため、土地の評価額の1.4%の固定資産税を支払わなくてはなりません。

土地の種類 固定資産税
小規模住宅用地 土地の評価額×1.4%×1/6
一般住宅用地 土地の評価額×1.4%×1/3
更地 土地の評価額×1.4%
総務省自治税務局固定資産税課「固定資産税制度について」をもとに執筆者作成

つまり、更地にしたときの固定資産税は家を解体する前と比べて3~6倍になります。

更地にしたからといってすぐに売れるとは限りませんし、売却するまでは固定資産税を納め続けなければなりません。

不動産売却のプロ
いきなり更地にしてしまうと負担が増えるケースもあるため、まずは不動産会社に査定を依頼して売却方法を相談してみましょう。

家付きの土地を売却する際の注意点については、こちらで詳しく解説しています。

コツ2 複数の不動産会社に査定を依頼する

できるだけ高く土地を売却したいなら、必ず複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼するのは面倒だなあ……。
初めから1社に絞ってはいけないの?

土地の査定額は不動産会社によって変わるため、1社のみの査定結果をうのみにしてしまうと相場が分からず安く売って損をするケースも考えられます。

土地売却では大手の不動産会社だからといって査定額が高いとは限りません。

また、中小規模の不動産会社であっても高額で売却できることもあります。

不動産会社によって土地の販路も異なりますから、タイプの異なる複数の不動産会社に査定を依頼してより好条件で売却してくれそうな1社を見つけると良いでしょう。

不動産売却のプロ
査定の結果が出たら査定額の根拠を確認しておくと安心です。

コツ3 隣地との境界線を明確にしておく

土地を高値で売却するには、隣地との境界線を明確にしておく必要があります。

手元に確定測量図がない場合には、測量士に確定測量を依頼しましょう。

確定測量とは
測量士によって土地の境界を確定させることです。確定測量が行われると確定測量図が作成され、土地境界には金属で造られた境界杭が埋められます。隣地との境界をすべて確定させるには、測量士と売り主だけでなく隣地の所有者にも立ち会いを依頼し了承を得る必要があります。
測量しないと土地の売却はできないの?
手間もかかりそうだし、面倒だなあ……。

このように思う方も多いでしょう。

確かに、測量をした土地でなければ絶対に売却できない訳ではありません。

しかし、隣地との境界線が曖昧な土地は、購入を避けられがちな傾向にあります。

境界線が曖昧な土地は認識の違いから感情的なトラブルに発展したり、建物を建てる際に隣家の所有者から建設の差し止めや変更を請求されたりする可能性があります。

そのため購入者にとってリスクとなってしまうのですね。

不動産売却のプロ
土地の面積と境界線を明確にしておけばこのようなトラブルを回避できるため、買い手が付きやすくなり結果的に高値で売却できる傾向があります。

売り主と買い主の双方が安心して土地を売買できるように、測量はあらかじめ済ませておきましょう。

測量の費用などの詳細についてはこちらで詳しく解説しています。

コツ4 売却する土地の条件に合う不動産会社を選ぶ

土地をスムーズに高値で売却するには、売却する土地の条件に合う不動産会社を選ぶことが重要です。

土地売却が不得意な不動産会社を選ぶと、売却に時間がかかったり売れなかったりする可能性が高くなるため慎重に見極めましょう。

まずは以下の三つのポイントに注目して、不動産会社をピックアップしましょう。

【土地売却におすすめの不動産会社の特徴】
  • ・土地売却の実績が多い
  • ・売却したい土地のエリアでの売却実績がある
  • ・土地の状況に合った売却プランを提案してくれる

売却実績があることはもちろん、売り主や土地の状況に合わせて売却プランを提案し、親身になってくれる不動産会社を選ぶのがおすすめです。

不動産会社と一口でいっても、会社の規模や得意な不動産のジャンル、エリアなどはさまざまです。

大手だから高く売れるというわけではありませんから、地域密着型や土地売却に特化した中小規模の不動産会社などにも目を向けると良いでしょう。

コツ5 土地や物件の状態は正確に伝える

土地や物件の状態は不動産会社と買い主に必ず正確に伝えましょう。

以下のように売却する土地に何らかの問題や留意事項がある場合、売り主は買い主に対して説明責任を負います

【土地売却で売り主に説明すべき事項】
  • ・土壌汚染がある(またはその可能性がある)
  • ・地下埋設物が残っている(またはその可能性がある)
  • ・隣地との境界線が明確でない など

工場の跡地などは土壌汚染の恐れがあったり、古くからある土地では建物の基礎が地下に残っていたりする可能性もあるためしっかり確かめましょう。

また、売買契約を結ぶ際には土地や物件の状態について口頭で説明するだけでなく、その内容を契約書に記載します。

契約書と一致しない事項や記載がない瑕疵(かし)が発覚すると「契約不適合責任」となり、破談になったり損害賠償請求されたりするケースもあるので注意が必要です。

契約不適合責任とは
売買契約で引き渡したものの種類や品質、数や量などが売買契約書の内容に適合していない場合、売り主が負わなければならない責任のことをいいます。故意に瑕疵を隠したかどうかにかかわらず契約内容に不一致があれば売り主に責任が生じます。
不動産売却のプロ
売買契約後にトラブルにならないように、売却する土地のこれまでの用途や境界線などを確かめておき問題があれば必ず伝えるようにしましょう。

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コツ6 土地の見栄えを整えておく

売却する土地の見栄えは美しく整えておき、土地の印象を良い状態に保ちましょう

土地を購入する際、ほとんどの買い主は土地を実際に見学します。

このときに土地にごみがたまっていたり荒れ果てた状態になっていたりすると、買い主候補からの印象が悪くなり売却までに時間がかかってしまいます。

土地の印象が悪くなれば、相場よりも低い価格で売却せざるを得なくなるケースもあるため注意しましょう。

不動産売却のプロ
たとえ土地の条件が買い主候補の希望に合っていても、実際の印象が悪ければ購入を見送られてしまいます。

また、土地を管理せず放置するとごみを不法投棄されたり、害虫の被害を受けたりして土地は荒れ果てていきます。

不法投棄されたごみの処分には数十万円以上かかるケースもあり、害虫駆除などの費用も不動産の所有者が負担しなければなりません。

土地を管理しないと印象が悪くなるばかりか、余計な出費がかかることもあります。

スムーズに好条件で売却するためにも、定期的に土地を管理して見栄えを美しく整えておくことが大切です。

3.土地売却におすすめの不動産一括査定サイト

不動産一括査定サイトもいろいろあるけれど、どのサイトを選べばいいの?

このように思う方もいらっしゃるでしょう。

不動産一括査定サイトと一口でいっても、以下のようにその特徴はさまざまです。

「大手の不動産会社に査定依頼できる」「地域密着型」「特定のジャンルの不動産に特化している」など、サイトによって参加している不動産の種類や数、傾向などは異なります。

売却したい土地の条件に合わせ、タイプの違う複数の不動産一括査定サイトを併用し使い分けると良いでしょう。

不動産売却のプロ
具体的には「提携会社数が多いサイト」「業界最大手に依頼できるサイト」「土地や一戸建て住宅に特化したサイト」を組み合わせるのがおすすめです。

ここからは、土地売却におすすめの不動産一括査定サイトをご紹介します。

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サイト名 参加不動産会社数 特徴 同時査定
依頼可能数
運営会社
HOME4U 1,800社 大手から中小までバランス良く参加 最大6社 NTTデータ スマートソーシング
すまいValue 6社(全国対応875店舗)
※2023年4月10日時点(賃貸専門店舗を含む)
大手6社が共同で運営 最大6社 東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井不動産リアルティ、小田急不動産、野村不動産ソリューションズ
SUUMO 不明 知名度ナンバーワンで安心感も抜群 非公開
※査定可能会社数は物件所在地によって異なります
リクルート
LIFULL HOME’S 3,282社 参加不動産会社数最多クラス 最大10社 LIFULL
イエウール 1,900社以上 地方の中小規模不動産会社も多数参加 最大6社 Speee
※2023年7月14日時点
※提携不動産会社数は公式サイトに明記されているものもしくは公式サイトに掲載された提携不動産会社を当社が数えたものです。

おすすめ1 HOME4U:安心安全・実績十分の老舗サービス

メリット
全国1,800社の不動産会社が参加
NTTデータグループ運営で安心
デメリット
業界最大手クラスの不動産会社は参加していない
こんな人におすすめ!
安心感のあるサービスを利用したい方
信頼できる不動産会社を探したい方
参加不動産
会社数
1,800社
同時査定依頼可能数 最大6社
査定可能不動産 マンション一室、一戸建て、土地、ビル一室、店舗・事務所・倉庫、マンション一棟、アパート一棟、ビル一棟、その他
代表的な参加不動産会社 三井住友トラスト不動産、三菱UFJ不動産販売、みずほ不動産販売、京王不動産、CENTURY21など

HOME4Uは2001年にサービスが開始された日本で最も歴史の古い不動産一括査定サイトです。

大手から中小まで全国の不動産会社1,800社が参加しており、都市部から地方まで幅広い地域をカバーしています。

またさまざまな種類の不動産を査定に出すことができます。

NTTデータグループの「NTTデータ スマートソーシング」という官公庁などとも取引がある企業が運営しているので、「個人情報を悪用されるのでは?」などと不安を感じている方でも安心して利用できるでしょう。

また悪質な不動産会社を排除するための独自の取り組みを行っている点も魅力的です。

同時に最大6社まで査定依頼が可能なので、きっと信頼できる不動産会社を見つけることができますよ。

おすすめ2 すまいValue:業界をけん引する大手6社が運営

すまいValue
メリット
業界トップクラスの大手6社に一括査定が依頼できる
他の一括査定サイトでは依頼できない大手企業が参加
デメリット
6社以外の不動産会社には査定を依頼できない
こんな人におすすめ!
業界トップの不動産会社に査定を依頼したい方
名前を知っている安心感のある会社に査定を依頼したい方
参加不動産
会社数
6社(全国対応875店舗)
※2023年4月10日時点(賃貸専門店舗を含む)
同時査定依頼可能数 最大6社
査定可能不動産 マンション、一戸建て、土地、マンション一棟、ビル一棟、アパート一棟、その他
運営不動産会社 東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井不動産リアルティ、小田急不動産、野村不動産ソリューションズ

すまいValueは、不動産仲介を行う不動産会社のなかでも特に大手といえる6社が共同で運営を行う不動産一括査定サイトです。

東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井不動産リアルティ(三井のリハウス)、小田急不動産、野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+)が運営を行っています。

参加不動産会社数は少ないものの、複数の大手不動産会社に同時に査定を依頼できるという唯一無二の特長があるため、利用価値が高いサイトだといえるでしょう。

なかにはすまいValueにしか参加していない大手不動産会社もあります。

参加不動産会社数の多い他の不動産一括査定サイトと併せてぜひ利用しておきたいサービスだといえるでしょう。

おすすめ3 SUUMO:知名度ナンバーワンで安心感も抜群

メリット
大手から中小まで幅広い不動産会社が参加
参加している不動産会社の詳細な情報が確認できる
デメリット
一部地域は取扱対象外
大手3社には査定依頼できない
こんな人におすすめ!
都市部の不動産を売却したい方
まずは大手サービスを利用したい方
参加不動産
会社数
不明
同時査定依頼可能数 非公開
※査定可能会社数は物件所在地によって異なります
査定可能不動産 マンション一室、一戸建て、土地
代表的な参加不動産会社 野村不動産ソリューションズ、大京穴吹不動産、CENTURY21、京王不動産、東宝ハウスグループなど

賃貸探しのポータルサイト「SUUMO」をご存知の方は多いのではないでしょうか。

実はSUUMOは不動産一括査定サイトも運営しているのです。

耳なじみのあるサービスだから安心感が違うといえますよね。

大手から地域に密着した中小まで、非常に幅広い不動産会社が参加しているのできっと信頼の置ける不動産会社が見つかりますよ。

売却実績や営業スタッフの人数など査定を依頼できる不動産会社に関する詳細な情報が確認できるのもうれしいポイントです。

一部地域が取扱対象外となっているのが唯一のデメリットといえますが、まずはご自分の売りたい不動産で利用ができるか気軽に確かめてみるのが良いでしょう。

おすすめ4 LIFULL HOME’S:参加不動産会社数最多クラス

メリット
3,222社の不動産会社が参加
総掲載物件数ナンバーワンの物件サイトが運営
デメリット
大手3社には査定依頼できない
こんな人におすすめ!
地方の物件をお持ちの方
安心感のあるサービスを利用したい方
参加不動産
会社数
3,222社
同時査定依頼可能数 最大10社
査定可能不動産 一戸建て、土地、マンション、投資用区分マンション、投資用一棟アパート・マンション、倉庫・工場
代表的な参加不動産会社 三井住友トラスト不動産、三菱UFJ不動産販売、みずほ不動産販売、京王不動産、大成有楽不動産販売など

HOME’S一括査定は総掲載物件数ナンバーワンの不動産ポータルサイトLIFULL HOME’Sが運営する不動産一括査定サイトです。

CMなどでHOME’Sの名前を聞いたことがあるという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

全国3,000社を超える不動産会社が参加しており、他の不動産一括査定サイトでは不動産会社を見つけられなかった場合でもHOME’S一括査定なら信頼のおける不動産業者を見つけられる可能性が高いといえます。

またユーザーが安心して利用できるよう工夫が凝らされているのもうれしいポイントです。

HOME’Sが設けた独自の基準をクリアしている不動産会社だけが参加しており、個人情報の取り扱いも徹底されています。

きっと相性の良い不動産会社を見つけることができますよ。

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メリット
全国1,900社以上の不動産会社が参加
地方の物件も査定依頼が出せる可能性が高い
デメリット
大手3社には査定依頼できない
こんな人におすすめ!
地方の不動産を売却したい方
参加不動産
会社数
1,900社以上
同時査定依頼可能数 最大6社
査定可能不動産 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、区分マンション(収益)、一棟ビル、区分所有ビル(一室)、店舗・工場・倉庫、農地、その他
代表的な参加不動産会社 三井住友トラスト不動産、みずほ不動産販売、住友林業ホームサービス、近鉄不動産、CENTURY21など

イエウールは全国1,900社を超える不動産会社が参加する不動産一括査定サイトです。

なんといってもその強みは日本全国の幅広い不動産会社が参加していること。

誰もが知っている大手不動産会社だけでなく、地域密着型の小さな不動産会社も多数参加しています。

「大手の不動産会社の方が安心できるんじゃない?」

などと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、地域を熟知している不動産会社は独自の顧客を抱えているため高額で売却できる場合もあります。

他の一括査定サイトでは不動産会社を見つけられなかったという地方の物件でも、イエウールならぴったりの不動産会社が見つけられるかもしれません。

地方の物件の売却を考えていらっしゃる方には特にイエウールがおすすめだといえますよ。

4.【状況別】土地売却の注意点

土地に古い家が建っているんだけど、どのように売るのがいいの?
相続した土地を売るときには何をすればいいの?

このように悩む方も多いのではないでしょうか?

家が建っている土地を売却するときには、家の状態や状況に合わせて適切な方法を選び売却を進める必要があります

また、相続した土地を売却する場合、通常の土地売却の工程に進む前にさまざまな手続きを行わなければなりません。

そこでこの章では、それぞれの状況に合わせた売却の注意点を解説します。

4-1.売却したい土地に家が建っている場合

売却したい土地に家が建っている場合、そのまま売却するか解体して土地のみを売却するか悩む方が多いでしょう。

家を解体して更地にした方が売れるのではと考えがちですが、更地にすることで生じるデメリットもあるため無計画に解体するのはおすすめできません。

まずは家を解体せずに売却できないか専門家に相談し、必要に応じて解体を検討すると良いでしょう。

ここでは、家付きで売却する方法と更地にしてから売却する方法をそれぞれ解説します。

4-1-1.家付きで売却する

古い家が建っている土地を売るなら、リフォームした方がいいの?
できれば解体やリフォームなどの費用をかけずにそのまま売りたいなあ……。

このように思う方もいらっしゃるでしょう。

家を解体せずに売却する場合、手を加えずにそのまま売る方法とリフォームをしてから売る方法があります。

まずは、そのままの状態で家付き土地として売却できないか検討してみましょう。

近年では古民家の需要も高まっており、築年数が経っていてもきれいに管理されている家であれば買い手が見つかるケースも増えています。

解体やリフォームの費用がかからなければ売り主の手元に残る金額は多くなりますから、売却に成功できれば最も良い方法だといえるでしょう。

もし売りたい家が空き家であれば、各地方自治体が運営する「空き家バンク」に登録するのもおすすめです。

空き家バンクとは
地方自治体が運営する空き家に限定した住宅情報サイトのことです。地域内外の住民の交流や定住促進による地域の活性化を目的としており、不動産会社で取り扱わないような物件や家財が残ったままの物件でも登録することができます。

空き家バンクを利用すれば、自治体によってはリフォーム・解体・家財の処分などの援助が受けられるケースもあり、仲介手数料もかかりません

しかし、売却に時間がかかってしまったり、地域によっては空き家バンクを運営していなかったりというデメリットもあるので注意が必要です。

家をそのままの状態で売却する場合、立地や物件の状態によってはなかなか買い手が見つからないことも少なくありません。

まずは専門家に相談して手を加えずに家ごと土地を売却できるか判断を仰ぐのが得策です。

やっぱりリフォームした方が高く売れるのかな?

このように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、リフォームの費用を家の代金に上乗せして売ることは難しいため、費用の回収ができずに損をしてしまうケースもあります。

また、買い主の好みに合わなければ、リフォーム済みであることが逆効果になることも考えられます。

リフォームした方が売却に有利になるか損なのかは物件の需要や条件によっても異なります。

リフォームを検討している方は自己判断ぜず、まずは専門家に相談しましょう。

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リフォームすべきかどうかの検討にはこちらの記事も参考になります。
築年数が経過した中古不動産は売却前に修理や修繕をした方が売りやすい?

4-1-2.更地にして売却する

家ごと売却するメリットは分かったけど、更地にした方が売れやすいんじゃない?

このように思う方も多いでしょう。

家付きの土地を購入した場合、解体の費用は買い主負担になるのが一般的です。

そのため、解体する手間も費用もかからない更地を選ぶ買い主は多く、早期で売却しやすいといわれています。

しかし、さまざまなデメリットがあることも忘れてはいけません。

更地にする際には、以下の三つのデメリットに注意が必要です。

【更地にするデメリット】
  • ・固定資産税が上がるため、買い手がつかなければ高額の維持費がかかる
  • ・家屋の解体費用を売却代金で回収できずに損をしてしまう
  • ・更地にすることで再建築不可の土地になるリスクがある

家を解体して更地にした場合には固定資産税の軽減措置が適用されなくなるため税額が3~6倍に上がるのが一般的です。

早期で土地を売却できれば問題ありませんが、長期間売れ残ってしまった場合には高い固定資産税がかかり続けるため高額の維持費を支払わねばなりません

さらに、売却前に更地にしてしまうと解体費用も売り主の負担になります。

土地の売却価格には相場があるため、解体費用を上乗せした額で売却するのは基本的に難しいといえます。

解体費用の負担を減らしたいという方は、家付きで土地を売り出してから買い主と交渉するのがおすすめです。

また、更地にしてしまうと再建築できなくなる土地もあるため注意が必要です。

メモ
建築基準法第43条により、新たに建物を建てるときには敷地が道路に2m以上接していなければならないという接道義務が定められています。しかし、古くから所有している土地には昔の法律が適用されており、条件を満たしていない可能性があります。この場合、建物を取り壊した時点で現行の法律が適用されるため再建築不可の土地となります。

土地の用途が狭まると買い手が付きにくくなり、長期間売れ残ったり本来より安い価格でないと売却できなくなったりするので注意しましょう。

不動産売却のプロ
建物を取り壊してから売るときには、更地にした後に再建築できる土地であることを役所にあらかじめ確認しておくと安心です。

家が建っている土地を売却するとき、適切な方法は物件の状態や需要によって異なります。

個人で判断するのは困難なので、まずは土地売却についての深い知識と経験を持つ専門家に相談すると良いでしょう。

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再建築不可物件についてはこちらで詳しく解説しています。
再建築不可物件は売却できるのか?解消方法や注意点、概算売却価格は?

4-2.相続した土地を売却する場合

土地を相続したんだけど、どうやって売ればいいんだろう……。
どんな手続きが必要になるのかな?

このように相続した土地の売却に悩む方もいらっしゃるでしょう。

相続した土地を売却するにはまず、不動産の所有者の名義変更をするために「相続登記」を行います

相続登記とは
不動産の所有者が亡くなり相続が発生した際に、法務局に対して行われる不動産の名義変更手続きのことです。

相続した土地を売却するときには、相続登記は必須です。

所有者の名義が故人のままの土地は売却できないので注意しましょう。

なお、相続登記の際には以下のような費用が発生します。

ただし、自治体によって手数料が異なるケースもあるため参考程度に捉えてください。

項目 費用
登記事項証明書の発行 600円
固定資産評価証明書の発行 300円
住民票・住民票の除票の発行 300円
戸籍謄本の発行 450円
除籍謄本の発行 750円
印鑑登録証明書の発行 300円
登録免許税 固定資産税評価額の0.4%
司法書士の報酬 6万〜7万円程度
(※依頼先による)

すぐに売却する予定がなくても、将来的に手放す予定の土地であれば早めに相続登記しておくと良いでしょう。

不動産売却のプロ
特に複数の相続人で土地を共有している場合、時間が経って状況が変われば登記登録が困難になるケースもあるため注意が必要です。

5.土地売却にかかる費用

土地を売るには高額の費用や手数料が必要になるの?
手持ちが心配なんだけど、いくら用意しておけばいいのかな?

このような不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

土地を売却するときは、条件によって以下のような費用や手数料が発生します。

【土地売却にかかる主な費用】
  • ・仲介手数料
  • ・解体費用
  • ・測量費用
  • ・抵当権抹消費用

この章では、土地売却にかかる費用について詳しく解説します。

5-1.仲介手数料

不動産会社が買い主を見つけ、売買契約が成立すると不動産会社に対し報酬として仲介手数料が発生します。

メモ
売り主が不動産会社を通さずに買い主を見つける「自己発見取引」を行った場合、仲介手数料が発生するか否かは媒介契約の種類により異なります。3種類の媒介契約のうち専属専任媒介契約は自己発見取引が禁止されているため仲介手数料の支払い義務が生じます。

仲介手数料は売却金額ごとに上限が設けられており、以下の速算式で求めることができます。

売却価格(税抜) 仲介手数料
200万円以下 売却価格(税抜)×5%+消費税
200万円超400万円以下 売却価格(税抜)×4%+2万円+消費税
400万円超 売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税

仲介手数料には一般的な売却活動にかかる費用も含まれており、不動産会社が上限を超える仲介手数料やその他の費用・報酬を受け取ることはできません。

メモ
売り主から事前の承諾を得て特殊な売却活動を行った場合や、契約期間の満了を待たず売主の都合で契約破棄に至った場合のみ、不動産会社はその費用を請求することができます。
上限ということは、仲介手数料が安くなるケースもあるの?

確かに法律で定められているのはあくまで上限であるため、仲介手数料0円など上限を下回る仲介手数料を提示する不動産会社も存在します。

しかし、不動産会社に対する報酬は仲介手数料以外には発生しないため、実際には上限ギリギリの金額を設定している会社がほとんどです。

不動産売却のプロ
仲介手数料が少ないと売却活動の経費も減るため、安ければいいというわけではありません。むしろ、売却活動が思うように進まなくなるケースもあるので注意しましょう。

5-2.解体費用

売却前に家を取り壊す場合、解体費用はどれくらい必要なの?
どこに依頼すればいいの?

古家などが建っている土地を更地にするときには、解体を行わなければなりません。

解体された建物は産業廃棄物となるため、廃棄物処理の免許を持つ専門の解体業者に依頼しましょう。

メモ
解体業者を選ぶときには、一般的に自分で探すか、仲介を依頼する不動産会社に紹介してもらうことになります。詳しくはこちらの記事で解説しています。

解体費用は依頼する業者によって異なり、取り壊す建物の構造・広さ・周辺の環境などによって決定されます。

一般的な規模の住宅の解体にかかる費用の目安は200万~300万円程度で、木造よりもRC造やSRC造の方が高額になります。

RC造/SRC造とは
RC造(Reinforced Concrete)は鉄筋コンクリート、SRC造(Steel Reinforced Concrete)は鉄筋鉄骨コンクリートで造られた建物のことをいいます。

家を更地にしてから売却するとき、解体費用は売り主が負担しなければなりません。

あらかじめ見積もりを依頼し予算を確保しておきましょう。

5-3.測量費用

売却する土地の隣地との境界線が明確でない場合、測量士に依頼して確定測量を実施するのが一般的です。

確定測量にかかる費用は土地の広さや業者によって異なりますが、国有地と接していない土地であれば約35万~45万円程度が相場です。

しかし、売却したい土地が公道や河川など国有地と接している場合には、国や行政の確認が必要になるため通常より高い60万~80万円程度の費用がかかります。

また、手入れされていない土地や観測しにくい形状の土地、古い資料しかない土地などの場合は費用が高くなる傾向があります。

隣接している土地の所有者が多い場合にも費用がかさむことがあるため注意しましょう。

測量費は売り主が負担しなければならないの?

通常、土地の売買をするときには売却前に測量を行うため、売り主が測量費を支払うのが一般的です。

しかし、売り出し前に買い主が見つかった場合には、売り主と測量費についても交渉できるケースもあります。

不動産売却のプロ
測量費用は業者によっても異なりますから、コストを抑えたいなら何社か見積を取っておくと良いでしょう。

また、測量を受ける際には以下のような書類が必要になります。

【確定測量に必要なもの】
  • ・公図
  • ・登記事項証明書(登記簿謄本)
  • ・共同担保目録
  • ・地積測量図
  • ・建物図面

上記の書類は、法務局や土地を管轄する市区町村の役所で手に入ります

確定測量を行い申請が完了するまでには1カ月半~3カ月程度の期間が必要になりますから、早めに準備して測量を済ませておくと良いでしょう。

5-4.抵当権抹消費用

売却する土地を購入した際に組んだローンの返済が済んでいない場合、引き渡し当日までにローンを完済し、借入先の金融機関の持つ「抵当権」を抹消する必要があります

抵当権とは
債務者(お金を借りた側)の返済が滞った場合に、債権者(お金を貸した側)が債務者の不動産などを差し押さえることのできる権利です。例えば住宅ローンを融資した金融機関は、お金を借りた人が購入する家の抵当権を持ちます。

抵当権が残った状態では土地を売却することはできません。

引き渡しの日が決まったら金融機関に連絡し、ローンを返済しましょう。

借入先の金融機関によって異なりますが、抵当権の抹消手続きには繰り上げ返済手数料として数千円~5万円程度かかるのが一般的です。

不動産売却のプロ
売却代金を返済に充ててもローンが残ってしまう場合には、完済の費用を工面する必要もあります。ローン返済中の不動産の売却方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

6.土地売却にかかる税金

土地を売却するときには、いくつかの税金を支払わねばなりません。

特に以下の三つの税金は重要なので確認しておきましょう。

【土地売却にかかる主な税金】
  • ・印紙税
  • ・登録免許税
  • ・譲渡所得税

これらの税金は売却する土地の条件や売却代金によって異なり、場合によっては高額になるため注意しましょう。

ここでは、土地売却にかかる税金の発生条件と金額についてそれぞれ解説します。

6-1.印紙税

印紙税は、契約書や領収書などの課税文書と呼ばれる書類の作成時に発生する税金です。

土地売却の際には売買契約書が課税文書となるため、必ず印紙税を支払わなくてはなりません

印紙税額は売買契約書に記載された金額に応じ、以下のように定められています。

契約金額 税額(軽減税率) 税額(本則)
100万円超500万円以下 1千円 2千円
500万円超1,000万円以下 5千円 1万円
1,000万円超5,000万円以下 1万円 2万円
5,000万円超1億円以下 3万円 6万円
1億円超5億円以下 6万円 10万円

なお、不動産の譲渡に関する契約書にかかる印紙税は令和9年3月31日までは軽減税率が適用されます。

印紙税は取引額に応じた印紙を購入し、契約書に貼り付ければ納税できます。

印紙税を支払うときには「消印」をする必要があるので忘れないようにしましょう。

消印について、詳しくは国税庁の「印紙の消印の方法」をご覧ください。

注意
課税文書を作成するとき、印紙税の支払いや消印を忘れると過怠税が課されます。印紙税を納めなかった場合には本来の税額の3倍(印紙税+印紙税の2倍の過怠税)、消印を忘れた場合には2倍(印紙税+印紙税と同額の過怠税)の税金を納めなければなりません。

6-2.登録免許税

登録免許税とは、法務局で登記手続きをする際にかかる税金のことをいいます。

土地売却においては、ローンを完済し抵当権を抹消したときに「抵当権抹消登記」を行う必要があります。

抵当権抹消登記とは
金融機関の融資を受けるときに担保とした不動産の抵当権を不動産登記簿から抹消する手続きのことをいいます。

抹消登記には不動産1件(土地の場合は1筆)につき1,000円の登録免許税がかかります。

メモ
登記簿に登録された一つの建物を1件、一つの土地を1筆といいます。登録免許税は、売却する土地が登記簿上1筆であれば1,000円、2筆であれば2,000円となります。

抵当権抹消手続きは個人でも行えますが、さまざまな書類が必要になるため司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。

司法書士への報酬は1万~2万円程度が相場ですが、依頼先によって異なるので必要に応じて確認しておきましょう。

6-3.譲渡所得税

譲渡所得税は、土地売却などで発生した譲渡所得(売却益)に課される税金の総称です。

譲渡所得とは
不動産を売って得た利益のことです。土地の場合、売却代金から取得費(物件購入時の金額)と譲渡費用(仲介手数料や印紙税など売却にかかった費用)を引いた金額を指します。

譲渡所得税には以下の3種類があります。

【譲渡所得税の種類】
  • ・所得税
  • ・住民税
  • ・復興特別所得税(※2013年から2037年まで)

譲渡所得が発生しなかった場合、課税対象にならないため譲渡所得税は発生しません。

しかし、少額であっても譲渡所得が発生した場合には、確定申告を行う義務があります。

注意
譲渡所得は他の所得と区分して計算する必要があるため、年末調整を行っていたとしても確定申告は必須です。申告漏れがあった場合には、延滞税や無申告加算税が課されるため注意しましょう。

なお、所得税と住民税の税率は土地の所有期間によって以下のように異なります。

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得(所有期間が5年を超える場合) 15% 5%
短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合) 30% 9%
(復興特別所得税は所得税額の2.1%)国税庁「土地や建物を売ったとき」をもとに執筆者作成
土地の所有期間が5年を超えてから売却した方が、税率が低くなるんですね。

ただし、譲渡所得税の対象となる土地の所有期間は、売却のタイミングではなく土地を売却した年の1月1日時点となるため注意が必要です。

例えば2016年10月1日に購入した物件を2021年10月1日に売却した場合、土地の所有期間は売却時の5年ではなく2021年1月1日時点の4年が適用されます。

実際の所有期間が5年を超えていても、売却のタイミングによっては短期譲渡所得となるケースもあるため注意しましょう。

他に譲渡所得税を節税する方法はないの?

現在住んでいる家の土地を売却した場合や、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却した場合には、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例の適用対象となるケースがあります。

詳細については国税庁の「No.3302 マイホームを売ったときの特例」をご覧ください。

また控除を受けるためには確定申告時に申請書類を提出しなければなりません。

必要に応じて税理士に依頼しても良いでしょう。

7.まとめ

土地をスムーズに高値で売却するには、土地売却の流れを理解し適切な方法で進めることが大切です。

土地売却では不動産会社への仲介手数料だけでなく、測量費や解体費、税金など予想外の出費がかさむことも少なくありません。

特に土地にもともと建っている家を解体する場合など、タイミングによって費用や税金が大きく異なることもあるためよく考えてから行う必要があります。

測量や解体なども自己判断で行わずに、土地売却のプロである不動産会社に相談すると良いでしょう。

土地売却は不動産会社と二人三脚で進めますから、まずは複数の不動産会社の査定を受け信頼できる1社を見つけることが重要です。

取り扱う不動産のジャンルによって不動産会社にも得意不得意があるので、売却する土地の条件に近い売却実績があるかも確認しておきましょう。

不動産売却のプロ
不動産会社にもさまざまなタイプがありますから、無料で利用できる不動産一括査定サイトを活用して効率よく見つけるのがおすすめですよ。

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