家屋の解体費用はどれくらいかかる?解体費用の考え方と費用を抑えるために出来る事
古い家屋を解体しようと思った時に気になるのは解体にかかる費用ではないでしょうか?
壊すためにかかる費用なので、なるべく安く抑えたいと思うものの、相場が分からないという方もいらっしゃると思います。
家屋の解体費用は、立地や家屋の種類、状況などによって異なるため、明確な数字を算出することが出来ません。
しかし、家屋の解体費用の考え方などを理解することは出来ます。
見積りの内容を判断するためにも、解体費用の考え方を理解しておくことは大切です。
そこで、今回は、家屋解体にかかる費用の考え方を中心に、費用を抑えるために出来る事などを紹介します。
なお、家屋を解体せずに古い家を売却する方法については、「古い家でも高く売却できる?お金をかけずに家を処分する3つの方法」で詳しく解説しています。
福留 正明
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目次
1.家屋解体の流れ
家屋の解体費用の考え方を紹介する前に、簡単に家屋解体の流れを把握しておきましょう。
家屋の解体は上記のような流れで進みます。
解体工事そのものにかかる工事期間は、建物の種類などによって変わりますが、おおよそ5日~1ヶ月程度となります。
工事そのものというよりも工事前の準備が最も時間のかかる部分になると思います。
1-1.依頼業者は複数社を比較して決めましょう。
解体を依頼する業者を決める必要があります。複数社から見積りを取得して比較するようにしてください。
また、最終的に契約する業者を決める際には、数社に絞った業者に現地に来てもらって立ち合いで見積りを出してもらいましょう。
家屋の解体は状況等によって金額が大きく変動します。
現地調査をしっかりしてもらうことで、見積りと大きくずれるということを防ぐことが出来ます。
1-2.解体工事前の確認事項
家屋の解体はそれなりの騒音や振動が予想されます。
そのため、マナーとしてご近所へ挨拶に伺います。
この際、必ず解体工事を依頼する業者の方にも同行してもらいましょう。
また、電気やガス、電話などライフラインの停止申請手続きも必要となります。
水道に関しては、工事中の散水などで使用することになりますので、工事終了まで停止する必要はありません。
これらの手続きは解体業者に委任することも可能ですが、解体業者に委任すると停止までに時間がかかることがあります。
1-3.解体工事後の確認事項
家屋の解体による廃棄物は「産業廃棄物」となりますので、きちんとした処理が必要です。
もし、きちんとした処理をしてくれない業者に依頼していて、不法投棄などされてしまうと、その業者に依頼した依頼主も罰則を受けることになります。
業者がきちんと廃棄物処理を行ったかどうかはマニュフェスト(産業廃棄物管理票)で確認することが出来ます。
マニュフェストをきちんと提出してくれる業者を選んでください。
2.家屋解体にかかる費用の考え方
家屋の解体にかかる費用は地域などによっても異なるため、具体的な金額を提示することが出来ません。
基本的な解体費用の目安の考え方は、坪単価×延べ床面積です。
つまり、床面積が30坪の2階建で、坪単価が20,000円の場合は、20,000円×(1階30坪+2階30坪)=120万円となります。
この金額は、あくまでも家屋を解体するための目安となる金額です。
実際には、家屋解体以外にも費用が掛かりますので、総額がいくらになるかをきちんと確認する必要があります。
2-1.家屋の解体費用を決めるポイント4つ
家屋の解体費用は家屋の種類など様々な状況によって異なります。
以下の解体費用のポイントを4つ紹介します。
□ポイント1:家屋の種類と築年数
解体する家屋の躯体によって坪単価に違いあります。
上記のように、頑丈な建材を用いている家屋の方が解体にかかる費用も高くなります。
また築年数の浅い家屋は建材が丈夫なため、家屋の解体に時間がかかるという理由から解体費用が高くなる傾向にあります。
ただし、古い家屋で廃材が増える材質の建材(藁葺屋根など)を使用されている場合には、廃棄処理の費用が通常よりも高くなります。
□ポイント2:敷地や周辺の状況
敷地や周辺の状況は解体工事がしやすいかどうかという判断のポイントになります。
敷地や周辺道路の道幅が十分にある場所ならば、重機や車両が入りやすく解体工事がスムーズに進みます。
しかし、敷地や周辺道路の道幅が狭い場所の場合、業者の方が手で壊す必要や廃材を運搬車両まで運ぶ必要があるなど手間がかかるため人件費等のコストがかかります。
□ポイント3:依頼する業者の選択
家屋の解体は解体専門業者と工務店やゼネコンなど工事は下請けに依頼する業者の2通りがあります。
下請けに依頼する業者に家屋解体の依頼をお願いした場合、管理にかかる費用などが発生します。
□ポイント4:アスベスト(石綿)の有無
1970年代~1990年代に建てられた家屋で、鉄筋コンクリート等の家屋の場合、アスベストが使用されている可能性が非常に高いです。
アスベストが使用されている家屋を解体する場合、健康被害等を考慮し、アスベストが外部に飛散することが無いように工事を行う必要があるため、通常の解体工事よりも養生などに費用がかかります。
アスベストを含む家屋の解体の場合、通常の解体工事よりも費用が10万円以上高くなる事もあります。
□-家屋にアスベストが含まれているか調べるには?-
アスベストが含まれている家屋の解体は通常よりも費用がかかると言っても、解体する家屋にアスベストが使われているかどうかをどうやって判断したらよいかわからないという方もいらっしゃると思います。
アスベストは2006年に改正された労働安全衛生法によってアスベスト含有量が重量の0.1%を超えるものは使用禁止となっています。(製造・輸入・譲渡・提供も禁止されています。)
家屋では主に、屋根や天井、壁、床、間仕切り、断熱材、耐火材として使用されていることが多いのですが、肉眼でアスベストが使用されているかどうかを判断することは非常に難しいです。
家屋の設計図を取得することが出来れば、建築部材の商品名からアスベストが使用されているかどうかを判断することも可能ですが、設計図を取得することが難しい場合には、アスベスト調査の専門家に依頼することも可能です。
アスベスト含有建材は国土交通省と経済産業省が運営する「石綿(アスベスト)含有建材データベース」から調べることが出来ます。
国土交通省・経済産業省「石綿(アスベスト)含有建材データベース」
2-2.家屋解体以外に必要となる諸経費
家屋の解体では解体工事費用以外にも諸経費が発生します。
諸経費の細かな内訳は依頼業者によって異なりますが、主に以下のような項目の費用の合計となります。
諸経費は解体工事にかかる費用の5%~10%が相場と言われています。
3.家屋解体費用を抑えるために出来ることは?
家屋の解体にはそれなりの費用がかかります。
出来るだけ費用をかけずに家屋を解体するために出来る事を紹介しますので、参考にしてみてください。
3-1.複数社から見積りを取りしっかりと比較する
見積りを取るときには必ず複数社から見積りを取得しましょう。
見積りを取得し価格を比較することで相場感を掴むことも出来ます。
取得した見積りで金額に大きな違いがある場合は、安いという点だけでの判断は危険です。
細かな項目まで記載されている見積りかどうかをしっかりと確認しましょう。
また、依頼する業者を決める際には、担当者がきちんとした対応をしてくれるかも判断材料に含めておくことがポイントです。
契約後のトラブルを防ぐためにも、上記のような内容を事前にきちんと確認しておきましょう。
3-2.不用品は処分しておく
家財道具など解体する家屋内にある不用品は、解体業者に処分をお願いすることも可能ですが、費用を少しでも節約したいという場合には、ご自身で処分できる不用品は処分しておきましょう。
特に一般ゴミの回収が無料の地域は、一般ゴミ(可燃・不燃・資源ごみ等)はご自身で処分した方が費用はかかりません。
物によってはリサイクルショップなどで引き取りや買取をしてもらうという方法も一つです。
ご自身で処分する時間がないという場合には、不用品回収業者に回収してもらう場合と、解体業者に処分をお願いする場合の金額を比較して、不用品の処分をどこに依頼するかを決めるようにしましょう。
3-3.助成金などを活用する
少子高齢化などによって、近年、空き家の増加が問題となっています。
空き家問題を解決するために、国をはじめ地方自治体でも様々な取り組みが行われています。
空き家問題に対する取り組みの一つして、解体費用の一部を負担する助成金制度を設けている自治体も増えています。
利用できる助成制度がないかを自治体に問い合わせて見てください。
4.家屋解体前に確認すべきこと
相続などによって空き家となっている家屋を取得した場合など、古い家屋があるよりも更地の方が売却しやすいという考えから家屋解体を検討されている方は、事前に不動産会社に家屋を解体すべきかどうか相談することをお勧めします!
理由1:解体しない方が売れやすい可能性もある
古い家屋をそのまま残した状態でも「売れない」ということはありません。むしろ、解体費用分の値段を下げることで早く売却できる可能性もあります。
古い民家をリノベーションして活用したいという需要もない訳ではありません。早く売却したいという場合は
解体せずに売却できるかどうかも不動産会社に確認してみましょう。
理由2:場合によっては建物の再建築ができない可能性がある
建築基準法は時代の流れに沿って、細かく改正が行われています。
その結果、家屋を建築した当時は問題が無かったことが、数年後に建築基準法違反になっているというケースも珍しいことではありません。
例えば、接道義務違反などが挙げられます。
建築基準法の条件を満たしていない土地は、新たに建物を建築することが出来ない「再建築不可」に該当する可能性があります。
再建築不可の土地は売却が難しくなる可能性がありますので注意してください。
まとめ
家屋の解体費用は、地域や家屋の種類、状況などによって金額に大きな差が生じます。
最終的に依頼する業者を決める前に、現地確認後の見積りを取得して比較しましょう。
最近では、地方銀行や信用金庫、JAなどが空き家解体ローンや空き家対策ローンなど家屋解体費用を借りることができる商品を用意しているケースもあります。
家屋解体費用の資金調達方法も含め、事前にしっかりと検討してから家屋の解体を行いましょう。
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