古い家の売却方法を徹底解説!売却手順から売却後に使える控除も紹介
「古い家を相続したけど、維持費などがかかってしまっているので早めに手放したい」
「家を売りたいけど、古いのでちゃんと売れるのか心配……」
さまざまな理由から古い家を処分したいと考えていても、何をしたら良いか分からず困ってしまいますよね。
また買い主が見つかりやすいようリフォームを視野に入れたり、家を解体することを検討したりしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし自己判断でリフォームや解体をするとかえってコストがかかってしまう恐れがあります。
その前に古い家のままでも売れないか不動産会社に相談してみるのが重要です。
この記事では古い家を売るときの流れや売れやすくするためのポイントなどを解説します。
福留 正明
1分で無料査定を依頼できます
目次
1.古い家を売却する際の流れ
古い家を売却したいと思っていても、何から手を付けたら良いか悩んでしまいますよね。
まずは古い家を売るときの手順を6つのステップに分けて解説します。
STEP1 売却価格の相場確認や必要書類の準備
不動産は築年数によって大きく価値が変わります。
そのため、古い家を売却する場合には、先に相場を知っておくことが重要です。
先に不動産会社に査定を依頼してしまうと築年数がたっていることから足元を見られ、相場より低い査定額を提示されてしまう恐れがあります。
国土交通省が公開している「不動産情報ライブラリ」というサイトでは、実際に行われた過去の取引の価格を閲覧することができるので、相場の参考におすすめです。
その他に、SUUMOなどの住宅情報サイトで自分の土地がある地域がどのくらいの価格で売り出されているのかを確認する方法もあります。
また、必要書類を事前に準備しておくと後の作業がスムーズに進みますよ。
- ・登記簿謄本
- ・購入したときの契約書
- ・公図
- ・土地の測量図あるいは建物の図面
- ・登記済権利証または登記識別情報
- ・身分証明書
- ・印鑑登録証明書
STEP2 不動産会社に査定を依頼
必要な書類が用意できたら、不動産会社に査定を依頼します。
専門家に査定を依頼することで、実際にどれくらいの価格で売れるのか知ることができます。
先に調べておいた相場と査定結果を照らし合わせ、極端に価格が違った場合にはなぜその価格になったのか不動産会社に確認しましょう。
査定価格が低かった場合はもちろんのこと、高かった場合でもその根拠を聞くようにすることがポイントです。
査定額はあくまで「このくらいの価格で売れるだろう」という目安のため、長期間売れない場合には売却価格を下げる必要が生じます。
適切な価格で売り出さないと売れ残ってしまうリスクがあるということですね。
「ホームインスペクション」とは住宅診断のことで、床下から屋根裏、水回りなどの設備の調査までしてもらえます。
損をしないために複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
査定の依頼を1社だけにした場合、その査定額が妥当なのかの判断が難しいため複数の不動産会社に査定を依頼し、比較する必要があります。
しかし、自分で不動産会社を探したり個々に依頼したりするのは大変ですよね。
STEP3 不動産会社と媒介契約を結ぶ
信頼できる不動産会社を見つけたら媒介契約を結びます。
媒介契約には3つの種類があり、それぞれに特徴があります。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
自己発見取引 (自分で買い主を探し、直接やり取りする) |
× | 〇 | 〇 |
複数の不動産会社との契約 | × | × | 〇 |
レインズ(※)への登録義務 | 契約を結んでから5日以内 | 契約を結んでから7日以内 | 任意 |
不動産会社からの状況報告の頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 任意 |
契約の有効期間 | 3カ月 | 3カ月 | 法令上の指定はないが、行政指導では3カ月以内となっている |
古い家を売却する場合には「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」がおすすめです。
一般媒介契約ではどの不動産会社と媒介契約を結ぶか分かりませんが、専属専任媒介契約か専任媒介契約であれば買い主が見つかれば顧客は自社と契約することになります。
そのため、手数料などで収益を上げたい不動産会社にとっては一般媒介契約よりもメリットがあるのですね。
専属専任媒介契約と専任媒介契約の違いは自己発見取引の際に手数料が発生するかどうかです。
専属専任媒介契約では自己発見取引はできず、自分で買い主を見つけた場合にも不動産会社を通じて媒介手数料を支払う必要があります。
STEP4 家の売却活動を開始
不動産会社と契約を結んだら売却活動を開始します。
売却したい家をいくらで売り出すのか価格を決めるところから始まります。
売却活動の大まかな流れはこのようになります。
ここからは各工程の注意点と対策をご紹介します。
STEP4-1 売り出し価格の決定
売り出し価格は査定額をもとに最終的に売り主が決定します。
売り出し価格を決定するときに注意しておきたいのは「家にとってプラスになりそうな情報だけではなく、マイナスになりそうな情報も漏れなく伝えるようにすることです。
家を売るとき、売り主には引き渡す不動産の種類や品質について、契約内容と適合させるという法的な義務が生じます。
この義務を果たせていないときに発生するのが「契約不適合責任」です。
しかし、シロアリや水道管の劣化など、目に見えない不具合が発生している可能性もありますよね。
査定前に「ホームインスペクション(住宅診断)」を済ませていたら安心ですが、より確実なのは「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」に加入しておくことです。
既存住宅売買瑕疵保険に加入しておけば、引き渡し後に物件に不備があった場合でも、修繕費用を保険で賄うことができます。
買い主側にとっては「物件に対する一定の品質が保証されている」という安心感があります。
物件の安全性をアピールすることにつながるので、買い主が見つかりやすくなるというメリットもあります。
STEP4-2 レインズの登録
「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の場合はレインズへの不動産情報の登録が仲介を引き受けた不動産会社に義務付けられています。
レインズに登録された住宅情報は他の不動産会社が確認できます。
他の不動産会社が不動産を探している顧客に物件を紹介してくれる可能性があるため買い主が見つかりやすくなります。
レインズを閲覧できるのはレインズを登録している不動産業者だけですが、売り出し中の不動産は番地より前の住所などの情報が掲載されます。
STEP4-3 宣伝・広告活動
宣伝・広告活動は、基本的には媒介契約した不動産会社の担当者が行ってくれます。
しかし、全てを丸投げしてしまうのは少々リスクがあるといえるでしょう。
トラブルを回避するためにも、どのような内容で宣伝・広告を出すのか不動産会社に確認することが重要です。
宣伝方法は折り込みちらしや立て看板などがあり、近頃ではインターネットを利用した宣伝方法も主流になりつつあります。
折り込みちらしの場合、受け取った側の興味の有無に関係なく無差別に配布されます。
一方で、インターネットの場合は、少なくとも購入を視野に入れている方が自発的に検索しているので購入につながる可能性が高いです。
インターネットを利用した宣伝方法だけで十分なように思えますが、インターネット上での情報収集に不慣れな方には折り込みちらしが有効だと考えられます。
また、興味がなかった方でもちらしを見ることで興味を持ってもらえることもあります。
STEP4-4 内見の準備・実施
宣伝・広告を行い、内見希望者が見つかったら売却活動もいよいよ大詰めです。
内見はできるだけ売り主も対応するようにしましょう。
また、内見をするにあたり重要なのは「清潔」かつ「誠実」であることです。
極端に見栄えを良くさせる必要はありませんが、掃除と整理整頓はしっかり行うようにします。
忘れがちですが、においなどにも注意が必要です。
生活臭やたばこのにおいは不快に思う方が多いので、当日は換気を徹底しましょう。
できるだけ清潔にして、第一印象を良くしましょう。
さらに、内見者から質問をされたときにはできるだけ答えられるようにします。
近隣の治安や近所付き合いについてなど、提出している物件の情報では分からないようなことを聞かれることが多いです。
なかにはすぐに答えられないような質問もあるかもしれません。
そのような場合には正直に「分からない」と伝え、不確実なことは言わないようにしましょう。
誠実な対応を心掛けることで、売買契約につながる可能性がより高まりますよ。
STEP5 買い主が見つかったら売買契約を締結
売却価格や引き渡し日などが決定したら、買い主と売買契約を締結します。
- ・身分証明書
- ・実印・印鑑登録証明書
- ・登記済権利証または登記識別情報
- ・固定資産税納税通知書・固定資産評価証明書
- ・仲介手数料の一部
以上の5つを忘れずに用意しましょう。
売り主と買い主双方の合意のもと、売買契約が結ばれます。
「仲介手数料の一部」についてですが、一般的にはこのタイミングで不動産会社に仲介手数料の半額を支払います。
余裕をもって準備しておきましょう。
また、その他に不動産会社から指示された書類も用意します。
担当者としっかり打ち合わせを行い、スムーズに売買契約が進められるようにしましょう。
その後、引き渡し日までに物件に家財が残っている場合は処分を、土地として引き渡す場合は解体の手配をします。
家財の処分や家の解体費用を買い主が負担する契約の場合や、その分の費用を差し引いて売却価格を決定していた際は不要になります。
STEP6 物件の引き渡し
引き渡し当日は売り主と買い主、不動産会社の担当者が立ち合いのもと、物件の最終チェックを行います。
双方に認識の違いがないか、しっかり確認しましょう。
売り主不在で最終チェックを行うケースや、後日改めて行うケースもあります。
不備がないことを確認したら、決済に進みます。
司法書士や金融機関関係者が同席し、手続きが行われます。
- ①身分証明書
- ②実印・印鑑登録証明書
- ③登記済権利証または登記識別情報
- ④登記費用
- ⑤仲介手数料
- ⑥物件に関する資料と鍵
以上の6つを事前に用意しておきましょう。
このとき住宅ローンが残っていた場合は資金を用意し、ローンの残債を完済しなければなりません。
売却資金をローン返済に充てる方法もあります。
不動産会社の担当者に相談してみましょう。
「物件に関する資料と鍵」について補足ですが、鍵は正面玄関だけでなく、倉庫や物置のもの、それぞれのスペアキーも忘れずに渡しましょう。
全ての手続きを終えたら家の売却作業は終了となります。
やることが多いように思えますが、媒介契約を結ぶ不動産会社が見つかれば、後は流れに沿って進めるだけですよ。
2.古い家が売れにくい理由
古い家を売却する方法をご紹介する前に、「なぜ古い家は売れにくいのか」を確認しておきましょう。
ただ単に古いから、という理由もありますが、それだけではありません。
さまざまな要因が考えられますが、原因は大きく分けて「法定耐用年数」と「耐震基準」の二つに絞られます。
耐用年数は家の構造によって変わってきます。
木造は22年、レンガ・ブロック・石造りは38年、鉄骨鉄筋コンクリートは47年と国の法律で定められています。
「耐用年数=耐久年数」ではないので、次の持ち主がそのまま住み続けることも可能です。
しかし耐用年数が残っていない物件は家そのものの価値はゼロと評価されてしまうため、査定額は大幅に低くなってしまいます。
次に耐震基準についてです。
耐震基準は1981年6月1日より法律で大きく改正されました。
これにより、大規模の地震でも耐えられる建築物でなければ建ててはいけないことになりました。
つまり、改正される前(1981年5月31日以前)に建てられた建築物は、耐震強度が弱いことを意味しています。
築40年以上の古い家の場合、「旧耐震基準」で建てられた可能性があるので、売れにくくなってしまいます。
3.古い家を売却する4つの方法
次にいよいよ古い家を売却する方法を紹介していきます。
自分の物件の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
3-1.家の一部をリフォームする
一つ目は家をリフォームして家の価値を高める方法です。
築年数が古い場合、掃除をしただけでは解消しないような劣化している部分がいくつか見受けられるのではないでしょうか。
例えば古くなったトイレの便座や壁の汚れなどです。
家の劣化は仕方ないことではありますが、同じような立地や大きさの物件があった場合、リフォームをした家の方が見映えが良くなるので売却価格も高くなります。
またキッチンや壁紙などは個人の好みが出てしまうところでもあるので、かえって買い主が見つかりにくくなってしまう可能性もあります。
リフォームをするならトイレや浴室など家の一部にとどめておくのが無難です。
3-2.家を解体して土地として売り出す
あまりにも古過ぎる家の場合は思い切って解体してしまうのも手です。
新居を建てようと計画している方は家ではなく土地を求めています。
また、古い家を希望している買い主の中には、建て替えを見越して探している方もいます。
そういった方にとっては、解体費用を節約できるので魅力的な物件になります。
そのため、古い家の売り方としては最も買い主が見つかりやすい方法といえます。
解体費用の相場は家の構造によって変わりますが、1坪あたり3万~8万円です。
固定資産税はその土地に建物があると「固定資産税の軽減措置」の特例が適用され、3分の1から6分の1まで減額されます。
つまり家を解体してしまうと減額対象から外されてしまい、固定資産税が3~6倍にまで上がってしまうのです。
また例外として、「特定空き家」に指定されている場合は「固定資産税の軽減措置」は適用されません。
特定空き家はそのまま放置し続けると倒壊や汚染、景観を損なう恐れがあると自治体に判断されると指定されます。
特定空き家を解体する場合、解体費用の援助を得られる自治体もあります。
詳しくは「8.古い家を売却した際に利用できる控除や補助金」にて説明しています。
3-3.不動産会社に買い取ってもらう
不動産会社に直接買い取ってもらう方法を「買取」といいます。
この方法は不動産会社に直接家を売ることになるので買い主が見つかるまで待つ必要もなく、またリフォームや解体の必要もありません。
さらに仲介手数料を支払わないで済むため、出費を抑えて売ることができます。
しかし売却価格はあまり期待できないでしょう。
不動産会社は家を買い取った後、その家を売り出すためにリフォームをしたり新しく建て替えたりします。
買取はそういった費用分が差し引かれた価格で行われるので、売却価格は低くなります。
仲介で売った場合と比較して、価値は大体7割ほどになるといわれています。
また家の状態によっては買取を受け付けてもらえない可能性もあります。
そもそも買取自体をしていない不動産会社もあるので、この方法を希望する方は買取を行っているか必ず不動産会社に確認しましょう。
利益を考えず、とにかく早く家を手放したい方におすすめの方法と言えます。
3-4.そのまま売却する
最後は、リフォームや解体などの手を一切入れずに売却する方法です。
過去にリフォームをしていた場合やきれいに管理されていた場合、そのままでも売れる可能性が十分あります。
また、近年では古民家の需要が高まっている傾向があり、「自然豊かな環境で昔ながらの家に住みたい」と希望している買い主もいます。
しかし需要が高まりつつあるといっても、少数派であることには変わりません。
なかなか買い手が見つからないということもあり得ます。
こちらは各地方自治体が提供する、空き家に限定した住宅情報サイトです。
地域内外の住民の交流、定住促進による地域の活性化を目的としています。
特徴として不動産会社で買取を受け付けてもらえないような物件や家財が残ったままの物件でも登録することができます。
リフォーム・解体・家財の処分・その他不動産会社を経由した際に発生する費用が全て節約できるのです。
大きなデメリットとして、こちらも売却に時間がかかることが挙げられます。
一般的な不動産ポータルサイトと比較した場合、アクセス数はかなり少ないので人の目に触れる機会が少なく、買い主が見つかりにくくなります。
また、地域によっては空き家バンクを運営していない自治体もあるため注意が必要です。
「そのまま売る」という方法は早く売りたい方には向きませんが、出費を抑えて売りたいとお考えの方にはおすすめの方法です。
4.家の状態に合った売却方法を選ぼう
リフォーム・解体・買取・そのまま売却する、四つの売却方法を説明しましたが、どれが一番良い方法なのでしょうか?
4-1.自己判断でリフォーム・解体はNG
結論からお伝えすると家の状態によって適した方法が違うため、どの方法が一番なのかは一概にはいえません。
この判断は個人では難しい部分があります。
不動産についての深い知識が必要になりますし、需要なども把握しておかないとなりません。
誤った判断でリフォームや解体をしてしまうと買い主が見つかりにくくなったり、固定資産税が上がってしまったりします。
自己判断でリフォームや解体をする前に、まずは専門家に相談しましょう。
4-2.まずは不動産会社に相談しよう
不動産会社は不動産取引のエキスパートです。
専門知識と豊富な取引経験から、その家にとって最適な方法を教えてくれます。
希望すれば「家を売る」だけではなく、「売り主にとって負担が少ない」という視点でもアドバイスをしてもらえますよ。
5.古い家の売却には不動産会社選びが重要
どのような家でもいえることですが、特に古い家は不動産会社選びが重要です。
古い家はその特徴から他の中古物件に比べどうしても買い主が見つかりにくくなってしまいます。
そのため真剣に売却活動をしてくれる不動産会社を見つける必要があります。
不動産会社にもそれぞれ力を入れている分野や得意分野があります。
人間同士でのやり取りなので、対応などが気になる方もいらっしゃるかもしれません。
そういった強みや特徴は、複数の不動産会社に査定をしてもらい比較をすることで見えてきます。
とはいえ、不動産会社は全国に多数存在しています。
国土交通省が公開した統計によると令和5年3月時点で約13万業者にのぼります。
そんな大量の不動産会社から数社ピックアップするのも大変ですが、そこからさらに不動産会社一つ一つに査定依頼を出すのは骨が折れますよね。
不動産一括査定サイトを利用すれば、一度の入力で複数の不動産会社から査定してもらえます。
6.おすすめの不動産一括査定サイト5選
というのが気になるところですよね。
一般的には以下のように不動産一括査定サイトを組み合わせて利用するのがおすすめです。
6-1.HOME4U
運営会社 | NTTデータ スマートソーシング |
---|---|
参加不動産 会社数 |
1,800社 |
同時査定依頼可能数 | 最大6社 |
HOME4Uは2001年にサービスを開始した日本で一番歴史の長い不動産一括査定サイトです。
20年間もの長い期間で培われた知識を生かして、実績のある不動産会社を選定しています。
大手企業だけでなく地域に精通した中小企業まで約1,800社と提携しており、さまざまな状態の家でも対応できるようになっています。
古い家が得意分野の不動産会社も見つかるはずです。
またHOME4Uは官公庁や銀行などとも取引があるNTTデータグループが運営しているため、個人情報が悪用される心配はありません。
最大6社まで同時に査定を依頼できるので、信頼できる不動産会社が見つかるでしょう。
6-2.すまいValue
運営会社 | 東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井のリハウス、小田急不動産、野村不動産ソリューションズ |
---|---|
参加不動産 会社数 |
6社 |
同時査定依頼可能数 | 最大6社 |
すまいValueは大手不動産会社六社に査定を依頼できるため大手企業ならではの豊富な実績と経験から、より適正な査定額を提示してもらえます。
適正価格を提示してもらえることで買い主が見つかりやすくなり、早期売却に繋がります。
また大手6社にしか査定を依頼できませんが、売却後のトラブルに対応した手厚いサポートがあります。
古い家は目に見えない不具合が潜んでいる可能性があるので、売却後のサポートが充実しているのは安心です。
6-3.SUUMO
運営会社 | リクルート |
---|---|
参加不動産 会社数 |
非公開(店舗数としては全国2,000以上) |
同時査定依頼可能数 | 最大10社 |
賃貸探しで有名なSUUMOですが、実は不動産の一括査定サイトも運用しています。
高い知名度で得た信頼と実績から不動産会社の豊富な情報を得ることができます。
営業スタッフの人数が分かるなど会社の内部や雰囲気を知ることができるので、ネットでも安心して査定を依頼できます。
また路線や駅などのエリアを設定して不動産会社を絞れるなど、自分の求める条件で不動産会社を探すことができます。
大手企業から中小企業まで幅広く査定を依頼できるので、古い家の売却に適した不動産会社が見つかるでしょう。
6-4.LIFULL HOME’S
運営会社 | LIFULL |
---|---|
参加不動産 会社数 |
3,175社 |
同時査定依頼可能数 | 最大10社 |
LIFULL HOME’Sの掲載社数は3,000社以上と国内最大級です。
他の不動産一括査定サイトでは取り扱っていないような企業にも査定を依頼できます。
またLIFULL HOME’S独自の基準にのっとって不動産会社を掲載しているため、信頼のおける不動産会社が見つかります。
不動産会社情報を掲載しているページでは、その会社の強みや特色が分かりやすく掲載されているため自分好みの会社を見つけられます。
同時に10社もの不動産会社に査定を依頼できるので、古い家の売却が得意な会社を見つけることができるでしょう。
6-5.イエウール
運営会社 | Speee |
---|---|
参加不動産 会社数 |
1,900社以上 |
同時査定依頼可能数 | 最大6社 |
家が地方にある場合、大手企業だとそもそも取り扱い地域ではないという可能性があります。
イエウールは1,900社以上の不動産会社を掲載しているので、大手だけでなく地域に密着した企業にも査定を依頼できます。
また幅広い企業を取り扱っているため、古い家が得意分野の企業も見つかるでしょう。
地方にある古い家を売りたい場合には、適した一括査定サイトと言えるでしょう。
クレームが多い企業を排除する対応も取っているため、優良企業が多く集まっているのも安心です。
7.家を売却するときに発生する費用
「信頼できる不動産会社が見つかり、良い買い主も見つかった。いよいよ家を売却しよう」
となったときに、売り主側が支払う費用を説明します。
7-1.仲介を依頼した不動産会社に支払う費用
まずは不動産会社に支払う費用について説明します。
不動産会社を通じて家を売却する場合、その不動産会社と仲介契約を結ぶ必要があります。
媒介契約を結ぶことで、不動産会社は売り主と買い主を仲介し、両者の契約を滞りなく進めてくれます。
その際に発生する仲介手数料は家を売却するときに支払います。
一般的には買い主と売買契約を結んだ時に半額を支払い、物件の引き渡し時に残りを支払うケースが多いです。
仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が定められています。
売却価格によって仲介手数料は変わりますので、下の表をご確認ください。
売却価格(消費税は含まない) | 仲介手数料計算式(上限) |
---|---|
200万円以下 | 売却価格(税抜)×5%+消費税 |
200万円超~400万円以下 | 売却価格(税抜)×4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税 |
上の表はあくまで仲介手数料の上限になります。
計算式をもとに算出された価格が、そのまま仲介手数料になるわけではありません。
しかしこれ以上払うことはないという目安にはなりますので、ぜひ参考にしてください。
7-2.住宅ローンで購入した家を売却する場合に支払う費用
住宅ローンを組んで購入した家を売却する場合には、「抵当権」を抹消するための費用がかかります。
抵当権とは、住宅ローンが返済できなくなったときに金融機関が不動産を担保として確保することができる権利のことです。
ローンを完済したら抵当権を抹消できるようになります。
抵当権の有無は不動産登記簿謄本に記載され、誰でも確認することができます。
抵当権が付いたままだと買った側がローンを組めなくなりますので、買い主が見つかりにくくなります。
家を売却する際には必ず抵当権を抹消させましょう。
ここで注意していただきたいのは、ローンを完済しても自動で不動産登記簿謄本から抵当権の表記が消されるわけではないということです。
もちろん抵当権の効力自体はローンを完済した時点で自動的に解消されます。
しかし不動産登記簿謄本に抵当権が記載されたままだった場合、買い主側は完済しているかどうか調べる方法がありません。
このようなトラブルが起こらないように、「抵当権抹消」の手続きをしましょう。
手続きには「登録免許税」と、司法書士に手続きを依頼した場合は「手数料」が発生します。
登録免許税は登記をする際に支払う税金のことです。
抵当権抹消にかかる登録免許税は定額課税で、不動産一個につき1,000円です。
不動産は土地1筆、建物1戸と数えて算出しますので一戸建て住宅を売却するときには最低でも2,000円の登録免許税を支払わなくてはなりません。
また土地に地番が複数ある場合や、建物が複数ある場合はその分支払う必要があります。
ローンを完済すると金融機関から抵当権抹消に必要な書類が届くので、自分で抵当権抹消の手続きができます。
しかしローンが完済できていないと、抵当権抹消の手続きができません。
家の売却金をローン残債に充てる場合、引き渡しと同時に抵当権抹消の手続きをすることになり、司法書士に依頼する必要があるので注意しましょう。
司法書士に抵当権抹消の手続きを依頼すると手数料が発生します。
手数料の相場は15,000~20,000円ほどです。
その他、手続きに必要となる書類の発行に1,000円ほどの費用がかかります。
抵当権抹消の費用の総額は3,000~20,000円ほどとなります。
7-3.確定申告後に支払う費用
不動産を売って利益を得た場合、確定申告をしなければなりません。
不動産の売却価格が買ったときより低かった場合は確定申告の義務はありませんが、条件を満たしていれば様々な控除を受けることができるので申告するようにしましょう。
詳しくは「8-1.売却価格が低かった際に使える控除」で解説しています。
家を売ったことで利益を得ていた場合、確定申告後に「譲渡所得税」と「住民税」の納税を求められます。
赤字だった場合は確定申告後に所得税の還付や住民税の控除が行われます。
譲渡所得税を求める計算式を紹介します。
- 譲渡所得税=【譲渡価額―(取得費+譲渡費用)―特別控除】×税率
専門用語がたくさんあるのでそれぞれ解説します。
減価償却とはもとの価値から経年によって下がった価値を差し引くことで、法定耐用年数を用いて計算します。
仲介手数料や売買契約の際に支払う印紙代、そのほかに解体費用などが含まれます。
代表的なものとして「居住用財産の3000万円特別控除」と「相続空き家の3000万円特別控除」があげられます。
譲渡所得税は家を売却した翌年の2月16日~3月15日(当日が土日祝日の場合は翌平日)の間に納税します。
確定申告をするときに振替納税の手続きをしておけば、4月頃に指定の銀行口座から自動で譲渡所得税が引き落とされます。
次は住民税について解説します。
こちらは譲渡所得税とは違い改めて手続きをする必要はありません。
確定申告をした年の5月以降に市町村から納付書が届くので、指定された金額を支払います。
支払いは一括払いか4回の分割払いを選ぶことができます。
分割払いを選んでも年度内に全額を納税しなくてはなりません。
譲渡所得税と住民税は支払いの時期がずれていますので、忘れないように注意しましょう。
7-4.その他、場合によって必要になる費用
①家財などの処分費用
不動産を引き渡すときには家の中を空にしておくのが基本です。
粗大ごみの処分は有料である自治体が多く、大き過ぎる家具は回収に来てもらう必要があります。
効率よく家財を処分するために専門の業者に依頼する方法もあります。
業者に依頼する場合は15万~50万円程の依頼料がかかります。
②ハウスクリーニング代
家を引き渡す前に家全体を掃除する必要があります。
古い家の場合は落ちにくくなっている汚れもあるので、業者にハウスクリーニングを依頼するのがおすすめです。
ハウスクリーニングは家財などを全て撤去してから頼むと依頼料を節約することができます。
家財が残ったままだとスムーズに作業を進めることができないため、2~3割程度高くなります。
家の広さによっても変わってきますが、1LDKの家であれば3万~4万5,000円ほどがハウスクリーニング代の相場です。
③契約書類の発行費用
売買契約を結ぶためにはさまざまな書類が必要になります。
住民票や印鑑登録証明書、固定資産評価証明書などがあげられます。
これらは手元にない場合は市役所で発行しなくてはならず、それぞれに発行手数料がかかります。
発行手数料は書類によって変わりますが、大体300円ほどです。
8.古い家を売却した際に利用できる控除や補助金
最後に古い家を売却するときに知っておきたい控除や補助金について説明します。
8-1.売却価格が低かった際に使える特例
古い家は築年数が経過していることから売却価格が低くなりがちです。
取得費よりも売却価格が低くなり、損失が出てしまうこともあります。
このように家を売ったことで出た損失を「譲渡損失」といいます。
譲渡損失が出ると譲渡所得税と住民税を納税する必要がなくなります。
そのため確定申告をする必要はないのですが、確定申告をすると特例を受けられるのでなるべく申告するようにしましょう。
譲渡損失が出たときに受けられる特例は以下のようなものがあります。
- (1)マイホームの買い換えの場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
- (2)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
それぞれの専門用語について説明します。
「損益通算」とは譲渡損失があった場合、その分の損失を他の所得から差し引くことです。
所得税や住民税は所得から計算されるので譲渡損失が他の所得から差し引かれると、その年の所得税や住民税が低くなります。
損益通算がその年の所得から差し引かれるのに対し、「繰越控除」は翌年以降の所得からも差し引かれます。
譲渡損失が多く、その年だけでは控除しきれない場合に適用されます。
最長で3年繰り越すことができます。
それでは各種特例が適用される条件を説明します。
まずは(1)と(2)で共通している条件を先に説明します。
- ・売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている
- ・今は住んでいないが以前住んでいた家の場合、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却していれば適用の対象となる
- ・合計所得金額が3,000万円を超えた場合、繰越控除は適用されない
また繰越控除の途中だった場合もその年は対象外となる - ・売り主と買い主が親子や夫婦など、特別な関係(家族の他に自身や家族が株主となっている同族会社なども含む)でない
以上の4点が共通している条件です。
次に、(1)と(2)それぞれ固有の条件を説明します。
- ・家を売却した年の前年1月1日から翌年の12月31日までに新居を取得する
- ・新居を取得した年の翌年の12月31日までに入居、もしくは入居見込みである
- ・新居の家屋の床面積が50㎡以上である
- ・返済期間が10年以上の住宅ローンを借りて新居を取得する
- ・敷地面積が500㎡以上あった場合、500㎡を超えた部分は繰越控除の対象とならない
「マイホームの買い替えの場合」と限定されているため、買い替え先の新居があることが前提とされています。
- ・売却した家に返済期間10年以上の住宅ローンが残っている
- ・家の売却価格で住宅ローンの残債が払いきれない(オーバーローン)
(1)とは違い新居の有無は関係なく、賃貸住宅などに引っ越しても適用の対象となります。
以上が売却価格が低かった際に使える控除です。
8-2.マイホームを売却した際に使える控除
マイホーム(居住用財産)を売却したときは、所有期間の長さに関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。
これを「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
この特例を受けるためには以下の六つの条件を満たす必要があります。
- ・今は住んでいないが以前住んでいた家の場合、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却している
- ・売った年の前年と前々年にこの特例およびマイホームの譲渡損失についての損益通算や繰越控除を受けていない
- ・売った年も含め、前年と前々年にマイホームの買い替えやマイホームの交換の特例を受けていない
- ・売った家について、収用などの特別控除など他の特例を受けていない
- ・災害によって滅失した家の場合、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却している
- ・売り主と買い主が親子や夫婦など、特別な関係(家族の他に自身や家族が株主となっている同族会社なども含む)でない
この他、以下の三つに該当した場合は適用外となります。
- ・この特例を受けるためだけに入居していた場合
- ・仮住まいなど一時的な目的で入居したと認められる場合
- ・別荘など趣味や娯楽を目的とした家屋だった場合
この特例を受けるためには、確定申告をしなくてはなりませんので忘れずに申告しましょう。
8-3.相続した空き家を売却した際に使える控除
売却した家が相続により取得したものであり、かつ自宅として使っていない家だった場合、条件に適していれば譲渡所得から最高で3,000万円まで控除できる特例があります。
これを「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。
この特例を受けるためには以下の十個の条件に適う必要があります。
- ・昭和56年5月31日以前に建てられた家である
- ・相続開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいない
- ・区分所有建物登記がされている建物(マンションなど)でない
- ・相続された日から3年後の12月31日までに売却している
- ・売却価格が1億円以下である
- ・売った家について、収用等の特別控除など他の特例を受けていない
- ・売った家の他に同一の被相続人から取得した家がある場合、同様の特例を受けていない
- ・売り主と買い主が親子や夫婦など、特別な関係(家族の他に自身や家族が株主となっている同族会社なども含む)でない
- ・売却までに建物が一定の耐震基準を満たすか家屋を取り壊して売却する
(令和6年1月1日以後は、売却後翌年2月15日までに家屋の耐震化または取り壊しを実施してもよい)
また、この特例には適用期間が定められており平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売っていることが前提とされています。
この特例を受けるためには、確定申告をしなくてはなりませんので忘れずに申告しましょう。
8-4.空き家を解体するときに受けられる補助金制度
「特定空き家」に指定されている家の場合、解体費用を補助してもらえる可能性があります。
特定空き家は、次の状態にある空き家に対して指定されます。
- ・このまま放置すると倒壊などの危険がある状態
- ・衛生上有害となる恐れがある状態
- ・適切な管理がされていないため著しく景観を損ねている状態
- ・その他周辺の生活環境を保全するためには放置するのが不適切な状態
注意していただきたいのは、全ての自治体が解体費用を補助してくれるわけではないということです。
また上限金額などの補助内容や対象となる条件も自治体によって違いますので、各自調べておく必要があります。
それから建物に対して老朽化具合や倒壊の危険性についてチェックするため、申請から審査が通るまで1カ月ほどかかることもあります。
前もって調べておきましょう。
9.まとめ
今回は古い家を売れやすくするための方法を四つ紹介しました。
家に合った方法を選ぶことができれば、古い家でも買い主が見つかりやすくなります。
しかし自己判断で決めてしまうのは避けた方が良いです。
もしその判断が誤っていたらリフォームや解体の費用が高く付いてしまったり、逆に買い主が見つかりにくくなったりする恐れがあります。
そのような失敗をしないために、古い家を売却するときは不動産会社に相談するようにしましょう。
しかしながら不動産会社にも取り扱う物件に得意不得意があります。
複数の不動産会社に査定を依頼し、信頼できる不動産会社を見つける必要があります。
不動産会社は全国に多数存在しているので、複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる「不動産一括査定サイト」を利用するのがおすすめです。
また家を売るには仲介を依頼した不動産会社に支払う費用の他に、家を引き渡すための準備費用や税金などさまざまな出費があります。
受けられる控除を最大限有効活用し、賢く家を売りましょう。
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