マンションを査定に出すには?プロが解説する査定額が決まるポイント
「マンションを査定に出すには、まず何をすればいいんだろう?」
「マンションの査定額はどうやって決まるんだろう?」
マンションの売却に当たって、売却したいマンションがどれくらいの価格で売れるのかというのは非常に気になるところですよね。
不動産会社にいくらくらいで売れるのかチェックしてもらう査定は、マンション売却において非常に重要であるといえます。
できるだけ高値での売却を目指すためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが欠かせないといえるでしょう。
査定を依頼する不動産会社探しには不動産一括査定サイトを利用するのがおすすめです。
この記事では査定の流れや査定額が決まるポイントを不動産会社がプロの視点で解説します。
福留 正明
1分で無料査定を依頼できます
1.マンションを査定する流れ
マンションを査定に出す際は、何から手を付けていいか分からず困ってしまいますよね。
査定の前には適宜準備をしておくことでスムーズに査定依頼を進めることができるでしょう。
査定自体は不動産一括査定サイトを通じて依頼するのがおすすめです。
不動産会社一括査定サイトを利用すれば、簡単に複数の不動産会社から見積もりをもらうことができますよ。
まずはマンションを査定する流れを解説します。
STEP1 査定に出す準備をする
マンションを査定に出す際は、事前に「知っておきたいこと」と「しておきたいこと」があります。
STEP1-1 情報収集
マンションを査定に出す前に調べておきたい、知っておきたいことは以下の二つです。
- ・マンションの相場
- ・査定価格の算出方法
まずはマンションの相場を知っておくと良いでしょう。
査定額は概ねこの価格で売れるという想定であり、必ずその価格で売れるというものではありません。
そのため売りに出してから様子を見て値下げする必要が生じる場合もあります。
しかし一度価格を付けて売りに出してしまえばそこから値上げすることはまずできないと考えられるでしょう。
つまり不動産会社が提示する査定額が妥当かどうか判断し、売りに出す際にはそれを元に適切な売却価格を決めなければならないのですね。
マンションの相場を知らなければ、不動産会社が提示する査定額が妥当かどうかを判断することができません。
万一、不当に低かったり不自然に高かったりする査定額を付けられてしまっても気付けるよう、まずはマンションの相場を可能な範囲で調べておきましょう。
マンションの相場を調べられるサイトには全国指定流通機構連絡協議会が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」や国土交通省の「不動産情報ライブラリ」などがあります。
また、マンションの査定価格の算出方法についても知っておきましょう。
不動産の査定は以下の三つの方法を使って行われます。
- ・同じ建物をもう一度建て直す際のコストに基づく「原価法」
- ・不動産が将来生み出すと予想される純利益に基づく「収益還元法」
- ・近隣エリアの不動産の過去の取引事例に基づく「取引事例価格法」
このうち居住用マンションに対してはほとんどの場合「取引事例価格法」が用いられます。
取引事例価格法では、同一マンションまたは近隣エリアのマンションの過去の取引事例と査定の対象となる物件を比較して査定額を求めます。
比較の際は、事例対象となる物件との築年数や周辺環境などの違いが加味されます。
マンションの査定額を決めるポイントについてはこちらで詳しく解説します。
次に、マンションを査定に出す前にしておきたい三つのことを確認しましょう。
STEP1-2 書類の用意など
- ・アピールポイント・マイナスポイントの整理
- ・必要書類をそろえる
- ・部屋の清掃
売却したいマンションのアピールポイントとなる事項はあらかじめ整理しておきましょう。
具体的には住人だけが知っている情報や、周囲にあるスーパーや病院などのめぼしい施設、教育水準、眺望などをリストアップします。
日当たりの良さや夜景の美しさをアピールしたいときは、ベストな時間帯を選んで部屋や景観を撮影しておきましょう。
ただし設備の故障や漏水といったマイナスポイントがある場合も隠さず説明しましょう。
また、「机上査定」では書類の提出は不要ですが「訪問査定」の段階に進むといくつかの書類が必要になります。
査定に進む前に必要な書類を用意しておけばスムーズに進められるでしょう。
【準備する書類】
書類の名称 | 入手場所 |
---|---|
登記済権利証または登記識別情報 | マンション購入時に取得 |
重要事項説明書 | マンション購入時に取得 |
売買契約書 | マンション購入時に取得 |
間取り図 | マンション購入時に取得 |
固定資産税納税通知書 | 市区町村役場 |
管理規約・使用細則 | 管理組合 |
マンションのパンフレット | マンション購入時に取得 |
管理組合から渡される管理規約には、マンション特有の維持管理費などに関する説明があります。
また、駐車場や駐輪場をはじめとする共用部分の使い方、ペットの可否などが分かるよう使用細則も必要です。
パンフレットは必須ではありませんが、マンションのアピールポイントがまとめられており、査定に有利にはたらく可能性がありますよ。
訪問査定前には手の届く範囲での清掃も行いましょう。
STEP2 利用する不動産一括査定サイトを決める
査定前の準備が終わったら、査定を依頼する不動産会社を選びます。
ここで大切なのは複数の不動産会社に査定を依頼することです。
依頼する会社を1社に限定すると、より高値で売れるチャンスを逃してしまう恐れがあります。
必ず複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額や対応の速さ、丁寧さを比較し安心して売却を任せられる不動産会社を見つけましょう。
まずは机上査定を6~10社に依頼し、そのなかから絞り込んだ2~3社に訪問査定を依頼するのが望ましいでしょう。
そこでおすすめなのが無料で複数の不動産会社に査定を依頼できる「不動産一括査定サイト」を利用することです。
「不動産一括査定サイトなんて聞いたことないサービスを使って大丈夫かな……」
と心配される方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、不動産一括査定サイトのなかには東急リバブルや住友不動産販売などの誰もが知っている大手の不動産会社が共同で運営しているものもあります。
その他の不動産一括査定サイトも優良業者のみを厳選して提携しているため、自力で不動産会社を探すよりも安全性が高まることが期待できますよ。
実は、不動産一括査定サイトによって参加している不動産会社は異なります。
【不動産一括査定サイトと不動産会社の関係】
不動産会社はそれぞれ異なる強みを持っています。
取引件数が多く広い販路を持っている大手の不動産会社もあれば、地域に密着し地元を知り尽くした中小規模の不動産会社、マンションなど特定の物件に特化した不動産会社もあります。
物件を高値で売却するためにはさまざまな特色を持つ不動産会社にバランス良く査定を依頼することが大切です。
しかし残念ながら、全ての不動産会社が参加している不動産一括査定サイトはありません。
そのため複数の不動産一括査定サイトを組み合わせて利用する必要があるのです。
マンションを査定に出す際におすすめの不動産一括査定サイトはこちらで詳しく紹介します。
STEP3 10社程度に机上査定を依頼する
机上査定とは実際に現地を訪れることなく、物件の情報だけをもとに査定してもらう方法のことです。
担当者が物件に足を運んで行う訪問査定に比べて所要時間が短く、書類を提出する必要もないため手軽であるというメリットがあります。
机上査定の結果をもとに訪問査定へ進む不動産会社を決めましょう。
不動産一括査定サイトを利用して10社程度に机上査定を依頼します。
弊社がおすすめする不動産一括査定サイト「おうちダイレクト」を例に机上査定を依頼する方法を見てみましょう。
まずは公式サイトのフォームにマンションの情報を入力します。
- ・物件の所在地
- ・おおよその築年数
- ・おおよその専有面積
- ・現在の状況(居住しているか、空室か、賃貸で貸しているか)
- ・物件との関係(本人が所有しているか、親族が所有しているか、その他)
- ・売却/賃貸の時期
- ・査定理由(住み替え、資産整理、転勤など)
マンションの情報の入力が終わったら、個人情報の入力に移ります。
万一しつこい営業の電話がかかってきてしまったとしても、撃退する方法はあるので安心してくださいね。
営業電話の防ぎ方と撃退法はこちらで詳しく解説します。
個人情報を入力すると、査定を依頼する不動産会社が選択できるようになります。
おうちダイレクトでは最大10社に査定を依頼することができますよ。
気になる不動産会社にチェックを入れ、「価格をチェック」ボタンをクリックすると査定の依頼が完了します。
STEP4 絞り込んだ2〜3社に訪問査定を依頼する
机上査定の結果が届いたら、訪問査定を依頼する不動産会社を2~3社まで絞り込みましょう。
不当に高い査定額を提示することで強引に契約へこぎ着けようとする不動産会社がないともいえません。
一般的に適正な査定価格は、概ね3ヶ月程度で売却できる価格水準として考えてください。
このような会社に売却を依頼してしまうと、結局査定額よりも大幅に低い価格で売却する事態に陥りかねません。
不動産会社を絞り込む際は、査定額に根拠と説得力があるかどうかがポイントになります。
地域に密着した不動産会社や取引実績が豊富な不動産会社であれば、過去の取引事例から推測して精度の高い査定額を出してくれる可能性が高いといえます。
査定額の高さに惑わされることなく、心から信頼できる不動産会社に訪問査定を依頼しましょう。
訪問査定の前には日程の調整を行います。
日当たりが良い部屋であれば最も部屋が明るくなる時間帯を選ぶなど、物件の魅力が伝わる工夫をしましょう。
また、近隣トラブルやにおい、騒音、事件、事故があったなどマイナス要素も隠さず担当者に伝えましょう。
2.おすすめの不動産一括査定サイト
不動産を査定に出すときは、まず不動産一括査定サイトを利用して6~10社程度の不動産会社から見積もりをもらいましょう。
複数の不動産会社を比較することで、良い不動産会社に出会える可能性が高まりますよ。
ここからは、マンションを査定に出すときに利用したい不動産一括査定サイトを六つご紹介します。
おすすめ1 おうちダイレクト:都会のマンション査定におすすめ
運営会社 | ヤフー、ソニーグループ |
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参加不動産 会社数 |
10社 |
同時査定依頼可能数 | 最大10社 |
都市部のマンション売却をお考えの方にはおうちダイレクトがおすすめです。
おうちダイレクトはヤフーとソニーグループが共同で運営する不動産一括査定サイトで、以下の不動産会社が参加しています。
- ・大京穴吹不動産
- ・大成有楽不動産販売
- ・CENTURY21
- ・ロイヤルハウジング
- ・POLUS
- ・オークラヤ住宅
- ・京急不動産
- ・SRE不動産(旧:ソニー不動産)
参加不動産会社の数は少ないものの、都市部のマンション売買を得意とする企業が多く参加しているため都会のマンションを売りたいと考えている方にはぴったりのサービスです。
また売り主のみの仲介を行う「片手仲介」専門で他社よりも高い査定額を出してくれるといわれているSRE不動産に一括査定が依頼できる唯一の不動産一括査定サイトである点も大きなポイントです。
SRE不動産は自社の査定サービスも提供していますが、おうちダイレクトを通じて売りに出した不動産はヤフーの運営する不動産ポータルサイトYahoo!不動産に無料で掲載できるというメリットがあります。
おすすめ2 マンションナビ:マンション査定ならお任せ
運営会社 | マンションリサーチ |
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参加不動産 会社数 |
非公表(店舗数としては全国2,500以上) |
同時査定依頼可能数 | 最大9社 |
マンションナビはマンションに特化した一括査定サイトです。
おうちダイレクトは対応しているエリアが限定的でしたが、マンションナビは全国の物件に対応しています。
マンション売却に実績のある不動産会社が多く参加しているため、マンションの売却を検討している方は査定を依頼して損はないといえるでしょう。
また、マンションナビでは売却価格の査定だけではなく、物件を賃貸にした場合の賃料も査定することが可能です。
売却か賃貸かで迷っている場合はぜひ査定を依頼して検討の材料にしたいですよね。
おすすめ3 HOME4U:安心安全・実績十分の老舗サービス
運営会社 | NTTデータ スマートソーシング |
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参加不動産 会社数 |
1,800社以上 |
同時査定依頼可能数 | 最大6社 |
HOME4Uは2001年にサービスが開始された日本で最も歴史の古い不動産一括査定サイトです。
NTTグループの「NTTデータ スマートソーシング」という官公庁などとも取引がある企業が運営しているため個人情報を入力する際も安心です。
また悪徳不動産業者を排除するための独自の取り組みを行っている点も魅力的だといえるでしょう。
全国の1,800社を超える不動産会社が参加しており、都市部から地方まで幅広い地域をカバーしています。
同時に最大6社まで査定依頼が可能なので、きっと信頼できる不動産会社を見つけることができますよ。
不動産一括査定サイトを利用する際はまずはHOME4Uを試してみるのがおすすめです。
おすすめ4 すまいValue:業界をけん引する大手6社が運営
運営会社 | 東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井のリハウス、小田急不動産、野村の仲介 |
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参加不動産 会社数 |
6社 |
同時査定依頼可能数 | 最大6社 |
すまいValueは、不動産仲介を行う不動産会社のなかでも特に大手といえる6社が共同で運営を行う不動産一括査定サイトです。
東急リバブル、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、三井のリハウス、小田急不動産、野村の仲介が運営を行っています。
参加不動産会社数は少ないものの、複数の大手不動産会社に同時に査定を依頼できるという唯一無二の特長があるため、利用しておく価値が高いサイトだといえるでしょう。
なかにはすまいValueにしか参加していない大手不動産会社もあります。
誰もが知っている大手の不動産会社に査定を依頼したいという方はすまいValueがおすすめですよ。
おすすめ5 SUUMO:知名度No.1だから安心感も抜群
運営会社 | リクルート |
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参加不動産 会社数 |
非公開(店舗数としては全国2,000以上) |
同時査定依頼可能数 | 最大10社 |
賃貸探しのポータルサイト「SUUMO」をご存知の方は多いのではないでしょうか。
実はSUUMOは不動産一括査定サイトも運営しているのです。
耳馴染みのあるサービスだから安心感が違うといえますよね。
大手から地域に密着した中小まで、非常に幅広い不動産会社が参加しているのできっと信頼のおける不動産会社が見つかりますよ。
売却実績や営業スタッフの人数など査定を依頼できる不動産会社に関する詳細な情報が確認できるのもうれしいポイントです。
一部地域が取扱対象外となっているのが唯一のデメリットといえますが、まずはご自分の売りたい不動産で利用ができるか気軽に確かめてみるのが良いでしょう。
おすすめ6 LIFULL HOME’S:参加不動産会社数最多クラス
運営会社 | LIFULL |
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参加不動産 会社数 |
3,175社 |
同時査定依頼可能数 | 最大10社 |
HOME’S一括査定は総掲載物件数ナンバーワンを誇るHOME’Sが運営する不動産一括査定サイトです。
CMなどでHOME’Sの名前を聞いたことがあるという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
なんと全国3,175社の不動産会社が参加しており、他の不動産一括査定サイトでは不動産会社を見つけられなかった場合でもHOME’S一括査定なら信頼のおける不動産業者を見つけられる可能性が高いといえます。
またユーザーが安心して利用できるよう工夫が凝らされているのもうれしいポイントです。
HOME’Sが設けた独自の基準をクリアしている不動産会社だけが参加しており、個人情報の取り扱いも徹底されています。
きっと相性の良い不動産会社を見つけることができますよ。
3.マンションの査定額を決めるポイント
これからマンションを査定に出す方はこのような疑問をお持ちになるでしょう。
マンションの査定で高く評価されるポイントを知っておくことは、不動産会社に物件の魅力をアピールする際に役立ちますよ。
ここからはマンションの査定額を決める12のポイントを解説します。
ポイント1 立地
立地条件は最も重要視されるポイントであるといっても過言ではありません。
立地条件は主に「駅からの距離」という観点で比較されます。
公益財団法人不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」によれば、評価が最も高いのは駅から徒歩1分のマンションで、駅から離れるほど評価は下がっていきます。
また、人気の路線を利用できる立地だったり、バスの運行状況が良かったりすると評価が上がります。
ポイント2 周辺の環境
マンションの周りに商業施設や学校、病院などがあると「生活利便性」が高いと判断され評価が上がります。
コンビニやドラッグストア、スーパーなど利用頻度の高い施設があれば高い評価につながるといえるでしょう。
また、周囲に街灯が多く夜に暗くなる場所が少ない場合アピールポイントになりますよ。
にぎやかな繁華街にあるか、閑静な住宅街にあるか、といった周辺の環境も評価の対象となります。
ポイント3 部屋の位置(階数・方角)
同じマンション内であっても、部屋がどこにあるかによって評価が変わります。
階数については、エレベーター付きのマンションの場合上の階であればあるほど評価が上がります。
「価格査定マニュアル」では3階を基準とし、1階上がるごとに評価が上がり、1階下がるごとに評価が下がります。
ただし見晴らしや日の差し方は周囲の環境によっても異なるため、3階より上の階でも評点に結び付かない可能性もあります。
また、バルコニーやベランダの方角は南向きが最も高く評価されます。
評価される順に並べると南>西=東>北となります。
角部屋はプラスの査定となります。
ポイント4 間取り・広さ
部屋の広さは査定価格に直結する要素です。
なぜなら、査定価格の算出方法は「物件の1㎡当たりの価格(㎡単価)×専有面積」だからです。
ただし、専有面積が大きいほど1平方メートル当たりの単価は低くなり、小さいほど同単価は高くなる傾向にあるため、面積が倍になったからといって査定価格も倍になるわけではありません。
また、間取りではリビング・ダイニングルームのゆとりと収納スペースの多さが評価につながります。
ポイント5 設備
床暖房や浴室乾燥機のような設備は査定の対象となります。
特にキッチンの生ごみディスポーザーのような後付けが難しい設備にはプラスの評価が付きます。
さまざまな設備が付いていると売り出し価格が上がり過ぎ、買い手が付かないケースもあります。
その場合は売り出し価格から値下げをし、相場よりも安い価格で売らなければならないかもしれません。
ポイント6 築年数
築年数がたつにつれて査定価格は下がります。
査定の際にプラスの評価をされるのは築10年以内のマンションです。
築20年を超えた物件は築浅マンションの半分以下の価値になってしまうケースもあります。
マンションの査定価格は周辺にある不動産の相場によっても左右されます。
マンションのあるエリアの価値が上がれば、新築時よりも高く売れる場合もあります。
築年数が古過ぎて買い手が付かないマンションの売却についてはこちらで解説します。
ポイント7 耐震性
1981年6月1日より後に建築確認申請を受理された建物は現行の耐震基準である「新耐震基準」が適用されています。
「旧耐震基準」に基づいて建てられたマンションは地震への耐性に不安があり、住宅ローンを組みにくいなどの理由から評価が下がります。
また、高く評価されることの多い構造は、遮音性、耐火性、耐震性に優れる「鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造」や、「鉄筋コンクリート(RC)造」だといわれています。
頑丈な構造であればあるほど高い査定額が付く可能性が高まるのですね。
ポイント8 管理状況
マンションの管理状況は「管理員の勤務頻度」に基づいて判断されます。
管理員の勤務頻度が高いほど「管理が行き届いている」と判断され高い評価につながります。
「価格査定マニュアル」では、マンションの管理体制を以下の5段階で評価します。
- ・24時間管理(3交代制など)
- ・日勤(土日含め週5日以上)
- ・日勤(週3日~5日勤務)
- ・巡回
- ・管理員なし
週3~5日の日勤か、それ以上の状態はプラスの評価、巡回や管理員がいない状態はマイナスの評価となります。
ポイント9 管理費・修繕積立金
マンションの住人は管理費・修繕積立金を毎月支払います。
という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
管理費とは共用部分の管理・維持に使われるお金です。
マンションの住人から集めた管理費をマンションの管理組合を通じて、管理会社やメンテナンスの専門業者への委託に充てています。
修繕積立金とは共用部分の大規模な修繕に備えて積み立てておくお金のことです。
管理費や修繕積立金が高いマンションは住人の負担が重いと判断され、評価は低くなります。
ポイント10 共用部分
マンションの共用部分のグレード感も査定額を左右するポイントになります。
エントランスが清潔な状態に保たれているか、十分な広さがあるかをチェックされます。
また、共用施設の充実度はアピールポイントになります。
共用施設の例としては集会室、キッズルーム、スポーツジム、スタディールームなどがあります。
ポイント11 専有部の状況
専有部の状況でアピールポイントとなるのは「リフォーム歴」です。
マンションは一戸建てと違い建て直しが難しいため、リフォームはプラスの評価につながります。
室内をリフォームしたことがある場合はどこをどのようにリフォームしたのかを申告しましょう。
ポイント12 施工会社・販売元
マンションの施工会社や販売元である売り主も査定額に関わるポイントです。
実績が豊富な大手ゼネコンが施工を請け負っている場合プラスの評価につながります。
反対に、過去に問題のあった施工会社によるものであれば査定額が下がってしまう恐れがあります。
マンションの販売元は売買契約書などで確認できます。
また、資金力のある販売元であれば万が一マンションに不備があった場合も住民に補償をしてくれる可能性があるため、査定額が上がります。
4.マンションの査定についてよくある疑問
このような理由でマンションを査定に出すことをためらっているという方もいらっしゃるかもしれません。
マンションを査定に出す前に不安要素は解消しておきたいですよね。
ここからは以下の四つの疑問を解決していきます。
- 疑問1 査定前に修繕やリフォームをすべき?
- 疑問2 ローンが残っていても査定してもらえるの?
- 疑問3 査定価格で売却することになるの?
- 疑問4 築年数が古いと買い手が付かないの?
- 疑問5 不動産会社からの営業電話を防ぐには?
疑問1 査定前に修繕やリフォームをすべき?
このように不安に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
査定の担当者は建物そのものの傷みなどを見るため、多少散らかっていたとしても査定額が大きく落ちることはありません。
しかし、ひどいカビが生えている、たばこのヤニによる激しい着色があるなど度を越えて汚い部屋は「リフォームが必要」と判断されて査定額が下がる可能性もあります。
また、給湯器の故障や壁紙の損傷などはマイナスポイントとなるため、可能であれば査定前に修繕を行いましょう。
ただし、修繕費用が高額になる場合は必ずしも修繕する必要はありません。
修理にかかった費用の分だけ査定額が上がるとはいえないためです。
リフォームの場合も同様に多額のお金を投じてもそれをカバーできるほど査定額が上がる可能性は低いと考えられます。
また、中古マンションの購入を検討している人のなかには購入後に自分の理想通りに内装をリノベーションしたいと考えている人も多くいます。
そのため、リフォームをすることでかえって売りにくくなってしまう恐れもあるのです。
修繕やリフォームは極力行わず、そのまま査定に出すのが良いと考えられるでしょう。
疑問2 ローンが残っていても査定してもらえるの?
ローンの支払いが残っているマンションも査定の対象となります。
そもそも物件を売却するためには、ローンを完済して「抵当権」を外す必要があります。
「ローンを完済しようにも、お金がないんだけど……。」
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、マンションを売却して得られるお金がローンの残債を上回っていればローンを完済し、抵当権を抹消することができます。
マンションを売ったお金でローンを完済することができない場合は、ローンを完済するための自己資金をためるか、住み替えローンの契約をしなければいけません。
まずは不動産一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社から見積もりをもらいましょう。
疑問3 査定価格で売却することになるの?
不動産一括査定サイトで複数の不動産会社から見積もりをもらうと、相場よりも高い査定価格を付けてもらえる可能性もあります。
訪問査定で高い査定額を付けてもらうことができれば、マンションを高値で売却できるのではないかと期待できますよね。
ただし、注意が必要なのは「査定価格=売却価格ではない」ということです。
仲介で売却する場合、マンションが売れるかは買い主が見つかるかにかかっています。
査定価格で売りに出して買い主が見つからなかった場合、売り出し価格を下げることも選択肢の一つとなるでしょう。
なんて事態に陥ってしまわないよう、仲介契約を結ぶ前に査定価格が妥当なものであるか、信頼のおける不動産会社であるか見極めることが重要だといえるでしょう。
疑問4 築年数が古いと買い手が付かないの?
必ずしも「築年数が古いマンションには需要がない」というわけではありません。
マンションが人気の高いエリアにある場合、築年数がかなりたっていても問題なく買い手が付く可能性はあります。
しかし、最新の耐震基準を満たしていない、修繕積立金が高額になるなどの理由であまりにも築年数が古いマンションは敬遠されてしまうかもしれません。
「買取」とは、不動産会社に物件を直接買い取ってもらう売却の方法です。
仲介よりも売却価格が低くなる傾向にあるというデメリットもありますが、買い手を探す必要がないためスムーズに売却できますよ。
疑問5 不動産会社からの営業電話を防ぐには?
このような心配をされている方もいらっしゃるかもしれませんね。
営業の電話を防ぐ方法としては、まず不動産一括査定サイトの備考欄に「メールでの連絡を希望」と書くことが挙げられます。
それでも電話が来てしまったときの対応も確認しておけば、さらに安心できますよね。
しつこい営業電話を撃退するのに効果的な方法がありますよ。
それは「宅地建物取引業法に違反しますよ」という一言です。
宅地建物取引業法では「契約を断られたにもかかわらず何度も電話をかける」「非常識な時間に勧誘の電話をかける」などの営業行為を禁止しています。
宅地建物取引業法に違反すると営業資格の剝奪もあり得るため、すぐに営業電話をやめるはずですよ。
5.まとめ
マンションを売却したいけれど、どの不動産会社に査定を依頼すればいいか分からないという方は多くいらっしゃるでしょう。
なるべく高額でマンションを売却してくれる不動産会社を見つけるには、最初に複数の不動産一括査定サイトに登録するのがおすすめです。
不動産一括査定サイトなら、一度情報を入力するだけで複数の不動産会社から見積もりをもらうことができます。
マンションの査定額は立地条件や階数、間取り、設備、築年数などさまざまな要因により変動します。
マンションの査定において重視されるポイントはある程度共通していても、不動産会社によって査定額は異なります。
高い査定額を付けてくれる不動産会社を見つけるためにも、不動産一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に査定してもらうことが重要です。
1分で無料査定を依頼できます
- 【査定する物件】の情報を入力してください
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