不動産仲介とは?契約の種類や売却までの流れ、成功のコツを徹底解説

「不動産仲介はどのようなシステムで、費用はどれくらいかかるんだろう?」

「不動産を仲介で売却すると、どんなメリットがあるのかな?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

不動産を売却する方法には仲介と買取の2通りありますが、さまざまな面でメリットが大きい仲介を選ぶのが一般的です。

しかし、仲介の手数料や印紙税など、売却のためにどのくらいの費用がかかるのか不安になる方もいらっしゃるでしょう。

また、不動産仲介と一口でいっても契約は3種類あり、それぞれに異なる性質があるため自分の条件に合ったものを適切に選ばなければなりません。

そこでこの記事では、不動産仲介の仕組みやメリット、手数料、契約の種類など不動産仲介の基礎知識を徹底解説します。


1.不動産売却における仲介とは

不動産仲介ってそもそもどんな仕組みなの?

このように思っている方もいらっしゃるでしょう。

不動産売却における仲介とは、売り主と買い主を不動産会社が仲介し、不動産の売買契約を成立させることをいいます。

仲介で不動産を売却する場合、売り主と不動産会社の間で「媒介契約」を結び、依頼を受けた不動産会社が売り主に代わって売却活動をして買い主を見つけます。

メモ
一般的に不動産業界では仲介のことを媒介といいます。不動産会社に媒介を依頼したとき、売り主と不動産会社が交わす契約は媒介契約と呼ばれます。

売り主と買い主の間で売買契約が成立し、必要な手続きを済ませて物件を引き渡せば不動産売却の流れは完了します。

また、売買契約の締結時に不動産会社に対して仲介手数料が発生します。

不動産のプロ
仲介手数料には法律により上限が定められているため、不動産会社は上限を超える報酬を受け取ることはできません。

仲介手数料についてはこちらで詳しく解説します。

2.仲介で売却するメリット

そもそも仲介と買取はどう違うの?
不動産売却で仲介を選ぶメリットは何だろう?

このような疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産を売却するときには仲介だけでなく買取という方法も選択できます。

しかし、不動産売却は仲介で行われるケースが一般的です。

不動産のプロ
仲介には、不動産会社に売却を任せられるということ以外にもさまざまなメリットがありますよ。

そこでこの章では、買取との比較や仲介を選ぶことで得られるメリットについて解説します。

メリット1 買取よりも高値が付きやすい

不動産を売却するとき、仲介の方が買取よりも高値で売れる傾向があります。

仲介の場合は不動産会社を通して買い主を見つけ物件を売却します。

売却までの期間は一般的に3~6カ月程度かかりますが、相場に近い価格で売却できるケースも少なくありません。

一方で、買取の場合は売り主と不動産会社の間で物件の売買が行われます。

仲介に比べてすぐに売却できますが、買取した物件は不動産会社にとっていわば仕入れになるため 相場の6~7割程度の価格で売却することになります。

メモ
不動産会社は安く買取した物件をリノベーションして再度販売したり、賃貸物件として利用したりします。不動産会社は利益を見越して買取するため、相場よりも売却価格は低くなる傾向があります。
買取と仲介では売却価格に大きな差があるんですね。
でも、仲介には手数料がかかりますよね?

確かに、仲介では不動産会社に対して手数料が発生します。

しかし、仲介手数料を差し引いても、買取より仲介の方が売り主の手元に残る金額は大きくなるケースがほとんどです。

高く売りたいのに買取を選んでしまうと損になるため、不動産を売るときには仲介を選ぶのが一般的です。

不動産のプロ
不動産を高く売りたいのなら買取ではなく仲介がおすすめです。しかし、少しでも早く売却したい状況であれば買取を検討しても良いでしょう。

メリット2 不動産会社が手続きをサポート

不動産売却では買い主を見つけるだけでなく、書類の作成や契約の交渉なども行わなければなりません。

専門知識がなければ難しい手続きも多いため、不安になる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、不動産仲介を依頼すれば専門の知識を持つ不動産会社のサポートを受けることができます。

実は不動産仲介を行うには宅地建物取引業免許が必要です。

宅地建物取引業免許とは
土地や建物の売買や貸し借りをするときに代理や媒介を行う「宅地建物取引業」を営むための免許のことです。宅地建物取引業は「宅地建物取引業法」という法律によって定められており、国土交通大臣または都道府県知事が認めた業者のみ営むことができます。

不動産会社はこれまでに培ってきた経験や知識をもとに、物件の売り出し価格の提案や契約の交渉、重要書類の作成などさまざまなサポートを行います。

不動産のプロ
不動産仲介はただ単に売却活動を依頼できるだけでなく、物件の引き渡しまでの一連の流れで必要なサポートを受けられるという面でもおすすめです。

3.媒介契約の種類

媒介契約に種類があるってどういうこと?
種類によって何が違うの?

このような疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

不動産の仲介(媒介)を依頼するとき、売り主(または賃貸契約の貸主)と不動産会社の間で結ぶ契約のことを媒介契約といいます。

媒介契約は以下の3種類に分けられ、それぞれ性質が異なります。

【媒介契約の種類】
  • ・専属専任媒介契約
  • ・専任媒介契約
  • ・一般媒介契約
不動産のプロ
どの媒介契約を選ぶかによって売却活動の条件が大きく異なるため、それぞれの契約の特徴を理解しご自分に合った契約を選びましょう。
媒介契約を選ぶとき、具体的にどのような点について比較したらいいんでしょうか?

媒介契約の主な比較ポイントは以下の五つです。

  • ・売却活動に関する報告の義務
  • ・他社との同時契約
  • ・レインズへの登録義務
  • ・自己発見取引
  • ・契約期間
「レインズ」や「自己発見取引」とは何ですか?
レインズとは
国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社同士が不動産物件情報を交換するためのコンピュータネットワークシステムです。「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の頭文字をとって「REINS」と呼ばれており、組織の名称にもなっています。会員となっている不動産会社はレインズを通じて売却・賃貸中の不動産に関する情報を共有しています。

レインズに登録された不動産情報は不動産会社(宅地建物取引業者)であれば閲覧できます。

そのため、媒介契約を依頼した不動産会社以外の顧客から買い主が見つかり、双方の不動産会社を通して交渉を行うケースもあります。

レインズに登録すれば、買い主を見つけるチャンスが増えるということですね。

ただし、媒介契約の種類によってはレインズへの登録義務がないため注意が必要です。

また、不動産を売り出した後に親類や知人などから買い主が見つかり、「自己発見取引」が行われるケースも少なくありません。

自己発見取引とは
不動産会社を通さずに売り主が自分で買い主を見つけて不動産取引を行うことです。

媒介契約の種類によっては自己発見取引が禁じられているため、買い主のあてがあるという方は契約前にしっかり検討する必要があります。

以上を踏まえて3種類の媒介契約の詳細を確認していきましょう。

3-1.専属専任媒介契約

【専属専任媒介契約の特徴】
売却活動に関する
報告の義務
1週間に1回以上
他社との同時契約 不可
レインズへの登録義務 契約から5日以内
自己発見取引 不可
契約期間 最長3カ月

専属専任媒介契約では、他の不動産会社と媒介契約を重複して結ぶことや、媒介契約を結んだ不動産会社以外が紹介する買い主候補との取引は禁止されています。

そのため、売り主は専属専任媒介契約を結んだ不動産会社に売却活動を一任することになりますが、契約を結んだ不動産会社にも積極的に売却活動を進めることが求められます。

具体的には、レインズへの物件情報の登録を契約締結時から5日以内に行い、売り主への売却活動の報告を1週間に1回以上行う義務が生じます。

自分で買い主を見つけた場合はどうなるんですか?
不動産のプロ
専属専任媒介契約を結んだ場合、自己発見取引の際にも不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。買い主候補の心当たりがあるという方は注意しましょう。

他社との契約や自己発見取引が禁止されている専任専属媒介契約は、不動産会社にとって損のない契約であるため他の契約に比べ積極的に売却活動が行われる傾向があります。

売却活動の状況をまめに知りたいという方や自己発見取引の可能性がないという方であれば、専属専任媒介契約を選んでも良いでしょう。

3-2.専任媒介契約

【専任媒介契約の特徴】
売却活動に関する報告の義務 2週間に1回以上
他社との同時契約 不可
レインズへの登録義務 契約から7日以内
自己発見取引 可
契約期間 最長3カ月

専属専任媒介契約と異なり、専任媒介契約では自己発見取引が可能です。

ご自分で買い主を見つけた場合には不動産会社を介することなく取引ができるため、仲介手数料も発生しません。

一方で、活動報告に関する報告は2週間に1回以上、レインズへの登録も契約から7日以内となっており、不動産会社に課せられる義務は専属専任媒介契約に比べて緩くなります。

なお、契約期間は専属専任媒介契約と同様の最長3カ月です。

専任媒介契約は不動産会社からの定期的な活動報告もあり、自己発見取引も可能な媒介契約であるため不動産売却の初心者におすすめです。

3-3.一般媒介契約

【一般媒介契約の特徴】
売却活動に関する報告の義務 なし
他社との同時契約 可
レインズへの登録義務 なし
自己発見取引 可
契約期間 規定なし(3カ月が一般的)

一般媒介契約は、複数の不動産会社と同時に結べる媒介契約です。

自己発見取引も禁止されていないため、不動産会社に売却活動を依頼しながら自分でも買い主を探すことができます。

ただし、専属専任媒介契約や専任媒介契約とは異なり、不動産会社には売り主に対する売却活動に関する報告義務やレインズへの登録義務はありません。

そのため、売却活動の状況を知るには、売り主がそれぞれの不動産会社の担当者に連絡を取り確認する必要があります。

一般媒介契約をうまく活用できれば、短期間で買い主候補を見つけたり、複数の不動産会社が見つけた候補の中からより高値で買ってくれる買い主を選べたりする可能性があります。

しかし、他の媒介契約に比べて売却活動が不透明になりやすいというリスクがあり、複数の不動産会社の担当者とのやり取りにも手間がかかるため、初心者にはあまりおすすめできません。

不動産のプロ
どの媒介契約にもメリット・デメリットがあるため、物件の条件や売却の目的などに合わせて適切に選びましょう。

媒介契約の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

4.不動産を仲介で売却する手順

不動産を仲介で売却するには、まず何から始めればいいの?
難しい手続きや交渉が必要になるの?

不動産を仲介で売却する手順については、このようなことが気になりますよね。

不動産売却の手順は、以下の五つのステップに大別できます。

この章では、不動産仲介で物件を売却するときの手順を解説します。

不動産のプロ
実際に売却活動を始める前に、不動産仲介の一連の流れを確認しておきましょう。

STEP1 仲介を依頼する不動産会社を探す

不動産を売却することを決めたら、まずは仲介を依頼する不動産会社を探すことから始めましょう。

不動産仲介では不動産会社の担当者と二人三脚で売却活動を進めることになるため、売却成功のためには良い不動産会社を見つけることが必要不可欠です。

まずは売りたい物件の相場を知るために、複数の不動産会社に物件の査定を依頼しましょう。

初めから1社に絞って査定を依頼するのはだめなの?

1社の査定しか受けない場合、不動産の相場を確かめることが難しく売却時に損をしてしまうなどのリスクがあります。

そのため必ず複数の不動産会社の査定を受け、結果を比較してから媒介契約を結ぶ不動産会社を選びましょう。

また、査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。

机上査定/訪問査定とは
机上査定は立地や間取りなどの物件の情報や過去の取引のデータをもとに、簡略的に不動産の査定を行う方法です。訪問査定はその名の通り不動産会社の担当者が物件を訪問し、実際の不動産の状態を勘案して詳細な査定を行います。

まず6~10社程度に机上査定を依頼し、査定結果が気になった2~3社に訪問査定を依頼して契約する業者を絞り込んでいくと良いでしょう。

机上査定と訪問査定
いくつもの不動産会社に査定を申し込むのは面倒だなあ……。
不動産のプロ
無料で使える不動産一括査定サイトなら、少ない手間で不動産会社に査定をしてもらえますよ。

STEP2 不動産会社と仲介契約を結ぶ

仲介(媒介)を依頼する不動産会社を決めたら、媒介契約を結びましょう。

不動産会社と結ぶ媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。

それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

【媒介契約の種類と特徴】
※横にスクロールできます
契約の種類 売却活動に関する報告の義務 他社との同時契約 レインズへの
登録義務
自己発見取引 契約期間
専属専任媒介契約 1週間に1回以上 不可 契約から5日以内 不可 最長3カ月
専任媒介契約 2週間に1回以上 不可 契約から7日以内 可 最長3カ月
一般媒介契約 なし 可 なし 可 規定なし(3カ月が一般的)
3種類のうちどの契約を選べばいいの?
不動産のプロ
不動産売却の初心者には専属専任媒介契約か専任媒介契約がおすすめですよ。それぞれの契約の詳細についてはこちらをご覧ください。

ちなみに媒介契約を結ぶ際には、一般的に以下のような書類が必要です。

【媒介契約の必要書類】
  • ・登記簿謄本(登記事項証明書)
  • ・重要事項説明書(物件購入時のもの)
  • ・登記済証(権利証)
  • ・購入時の売買契約書
  • ・固定資産税納税通知書
  • ・売却物件の図面や仕様書

また、物件によってはその他の書類が契約時に必要になるケースもあります。

例えば、マンションの部屋を売却するために媒介契約を結ぶ場合には、マンションの管理規則(使用規則、修繕費関連の書類)なども契約書類に含まれます。

媒介契約の際にはいろいろな書類が必要になるんですね。
不動産のプロ
実際に媒介契約を結ぶときには、必要書類に関しても不動産会社から指示があります。担当者に確認しながら準備を進めていきましょう。

STEP3 不動産会社が売却活動を行う

媒介契約の締結後、不動産会社は買い主を見つけるための売却活動を開始します。

具体的にはどのような売却活動が行われるのですか?

不動産会社の担当者は不動産の売り出しポイントや情報をまとめて物件情報サイトに登録・掲載します。

また、チラシを作って近隣の住宅にポスティングしたり、買い主候補の内見の案内をしたりといった活動も行います。

不動産のプロ
最近ではインターネットを利用した物件探しも一般的になったため、売却活動が始まったらWeb上でどのようにPRされているか確認しておくのがおすすめです。

不動産会社が利用する物件情報サイトには、不動産会社専用の情報サイトだけでなく誰でも閲覧できるSUUMOやLIFUL HOME‘Sなどのサイトもあります。

実際に売却活動を行うのは不動産会社ですが、どのような売却活動が行われているのか売り主も積極的に確認しておくと良いでしょう。

STEP4 買い主と売買契約を結ぶ

買い主が見つかったら、書類を用意して売買契約を交わします。

基本的に売買契約の書類は媒介契約を結んだ不動産会社が作成しますが、以下のように売り主自身が用意しなければならないものもあります。

【売買契約の際に用意するもの】
  • ・実印
  • ・印鑑登録証明書
  • ・登記済証(権利証)
  • ・本人確認書類

また、売買契約書を交わす前には不動産会社から買い主に対して「重要事項説明」が行われます。

【重要事項説明】とは
不動産の売買契約前に必要な手続きの一つで、不動産会社が買い主に対して購入物件に関わる重要事項を説明することをいいます。重要事項説明は宅地建物取引法に定められており、宅地建物取引士の免許を持つ者が重要事項説明書に記名押印し、その書面を交付した上で口頭説明を行わなければなりません。

売却する不動産に瑕疵(水回りのトラブルや雨漏りなどの欠陥)がある場合は、売買契約を結ぶ前に売り主に対して説明を行い、その内容を契約書に記載する必要があります。

売却後に買い主から売り主に対して損害賠償請求や訴訟が行われることもありますから、必ず物件の状態は正確に不動産会社と買い主に伝えましょう。

でも事前に欠陥を把握できなかった場合、売り主に責任はないですよね?
不動産のプロ
不動産の欠陥を故意に隠したかどうかにかかわらず、売却後に契約書に記載されていない瑕疵が発覚した場合には売り主側に責任が生じます。
メモ
2020年4月に行われた民法改正により、売り主は「瑕疵担保責任」に代わり「契約不適合責任」を負うことになりました。不動産売却後に契約書に記されていない瑕疵が見つかった場合、契約不適合となるため売り主は売却物件に対して責任を負う必要があります。

また、売買契約を交わす際には成約価格に応じて以下のように「印紙税」がかかります。

成約価格 印紙税
100万~500万円以下 2,000円
500万超~1,000万円以下 10,000円
1,000万超~5,000万円以下 20,000円
5,000万超~1億円以下 60,000円
1億円超 100,000円
不動産のプロ
契約後の内容変更は困難ですから、少しでも疑問に思うことがあれば必ず担当者に確認してくださいね。

売買契約書の内容にはしっかり目を通し、売り主にとって不利な条件ではないことを確かめてからサインしましょう。

STEP5 売却した不動産を引き渡す

売買契約が完了したら、いよいよ不動産の引き渡しです。

不動産の引き渡しは、売り主から買い主へ不動産の所有権を移す日に行うのが一般的です。

引き渡しの手続きとして当日までに以下のことが行われます。

【引き渡しの手続き】
  • ・代金の決済
  • ・登記の変更
  • ・その他費用の清算
  • ・費用書類の引き渡し
  • ・物件の状態確認
  • ・鍵の引き渡し

引き渡しを行う前には、不動産の代金や仲介手数料などの費用の決済をすべて完了させます。

また、不動産の所有権を正式に買い主へ移すために、司法書士などの専門家に依頼し登記の変更を行います。

登記の変更手続きにかかる費用は、司法書士への報酬として8,000~12,000円程度、登録免許税として3,000円程度が一般的です。

5.仲介手数料の上限と支払い時期

仲介手数料はいくら支払うの?
どのタイミングで支払えばいいの?

売り主と買い主の間で売買契約が締結されたとき、不動産会社に対する報酬として仲介手数料が発生します。

一般的に仲介手数料はけして安価とはいえませんから、どのくらいの金額になるのか、いつまでに用意すればいいのか不安になる方も多いでしょう。

そこでこの章では、仲介手数料の上限と支払い時期について解説します。

5-1.仲介手数料の上限

実は不動産売却で発生する仲介手数料には法律により上限が定められています。

そのため不動産会社は上限を超える仲介手数料を売り主に対して請求することはできません。

仲介手数料の割合は物件の売却価格に応じて以下のように定められています。

成約価格 仲介手数料
200万円以下 成約価格の5%
200万円超~400万円以下 成約価格の4%+2万円
400万円超 成約価格の3%+6万円
注意
仲介手数料は税抜きの成約価格に対して計算されます。上記の計算式により算出された仲介手数料には別途消費税が加算されます。
上限ということは、仲介手数料が安くなる場合もあるの?

このように気になった方もいらっしゃるでしょう。

法律で定められているのはあくまで上限ですから、不動産会社の中には上限を下回る価格や仲介手数料0円を提示する業者も存在します。

しかし、不動産会社は売買契約が成立したときにしか報酬を受け取ることができないため、実際には上限ギリギリの仲介手数料を設定している会社がほとんどです。

仲介手数料が低い不動産会社を探した方がいいのかな?
不動産のプロ
仲介手数料には売却活動に必要な経費も含まれています。そのため、仲介手数料が低すぎる場合には売却活動が思うように進まないケースもあり注意が必要です。

売却活動にかかる諸経費は仲介手数料に含まれており、不動産会社が仲介手数料以外の手数料や報酬などを受け取ることはできません。

メモ
ただし、一般的な不動産売却の範囲に含まれない特殊な売却活動を依頼したときには、売り主の合意のもと別途費用が発生するケースもあります。(例:遠方の物件を売却する際に発生した担当者の出張費)

承諾した覚えのない費用を不動産会社が別途請求してきた場合、売り主に支払いの義務はないため注意しましょう。

不動産のプロ
仲介手数料については媒介契約書に明記されています。仲介手数料の交渉をしたい場合は、媒介契約を結ぶ前に行いましょう。

5-2.仲介手数料の支払い時期

仲介手数料はいつ支払うの?

仲介手数料の支払い時期について気になるという方も多いのではないでしょうか。

仲介手数料を支払うタイミングについては上限額のように法律による規定はなく、媒介契約を結ぶときに不動産会社と売り主の間で取り決めます。

しかし、仲介手数料はあくまで売買契約成立の成功報酬ですから、売買契約が締結される前に支払わなくてはならないものではありません。

一般的なケースでは、売買契約を交わしたタイミングで仲介手数料の半額を、引き渡し完了までに残りの半額を支払います。

そのほかにも、売買契約時や物件の引き渡し時に一括で支払うケースもあります。

売却代金から仲介手数料を支払うことはできますか?
不動産のプロ
安心してください。通常の売買契約では締結時に手付金が支払われるので、いずれの場合においても仲介手数料に売却金を充てることができますよ。

物件の売却代金は売買契約成立時に手付金として5~10%、物件の引き渡しまでに残りの金額が支払われるのが一般的です。

売却代金から仲介手数料を賄えるなら安心ですね。

6.不動産仲介を成功させるコツ

仲介で不動産を売るときの手順や手数料については分かったけれど、ちゃんと売却できるか不安だなあ……。
不動産仲介を成功させるためには、どんなことに気を付ければ良いんだろう?

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

特に不動産の仲介を依頼するのが初めてだという方であれば不安なことも多いでしょう。

そこでこの章では、不動産仲介を成功させるための五つのコツをご紹介します。

6-1.売却までの期間を把握する

不動産を仲介で売却するときには、不動産の引き渡しまでにかかる期間を把握しスケジュールに余裕を持って進めましょう。

不動産会社に物件を直接売却する買取とは異なり、仲介の場合は売却活動を不動産会社に依頼し買い主を見つけて売却します。

そのため、不動産仲介では売却活動開始から売買契約までに3カ月程度、売買契約から引き渡しまでに1~2カ月程度かかるのが一般的です。

売却する不動産の条件によっても異なりますが、トータルで少なくとも半年程度はかかると想定しておいた方が良いでしょう。

また、売却活動を開始する前にも不動産の査定を依頼したり、仲介を依頼する不動産会社を選んだりするための期間が必要です。

「不動産を売却する時期はまだ先だから……。」

という方でも、売却までの期間を逆算して早めに準備を始めると良いでしょう。

6-2.売り出し価格を適切に設定する

不動産を売り出すときには、相場に合った価格を設定することが重要です。

高過ぎる価格で不動産を売り出した場合、よほどのニーズがない限り買い手が付かずに売れ残ってしまいます。

長期にわたって売れ残った物件は最終的に値下げをすることになったり、場合によっては相場よりも低い価格でないと売れなくなってしまったりするケースもあります。

本来ならばすぐに買い主が見つかる物件であっても、売却までに余計な時間がかかってしまうため売り主にとって大きなデメリットになるといえるでしょう。

また、売り出し価格が安過ぎる場合にも、物件に何か問題があるのではないかという不信感を買い主候補に与えてしまうことがあります。

安く売り出すと、かえって売れにくくなるケースもあるため注意しましょう。

売れ残ったら嫌だけれど、少しでも高く売却したいなあ。
どのくらいの価格で売り出すのが正解なの?
不動産のプロ
売り出し価格は相場に合わせるか、高くても 1割増し程度にするのが妥当でしょう。

中古不動産を売却するときには、買い主から値引き交渉があることも少なくありません。

そのため、値引きを見越してあえて相場より少し高い価格で売り出すのも一つの手です。

注意
売り出し価格を決めるときには、相場だけでなく売却する不動産の周囲で実際に売り出されている物件の価格も参考にすると良いでしょう。特に同じマンション内の部屋が売り出されて いる場合、価格競争になりやすいため注意が必要です。

6-3.複数の不動産会社の査定を受ける

不動産の売却を決めたら、まずは複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。

初めから1社に絞って査定を依頼してはだめなの?
不動産のプロ
実は不動産会社によって査定額は異なります。正確な相場を把握するには複数の不動産会社の査定結果を比べる必要があるんですよ。

1社だけに査定を依頼した場合、

「本来は高く売れるはずの不動産だったのに、相場を知らずに安く売却して損をしてしまった……」

「不動産の売り出し価格を高く設定しすぎたために、買い主が見つからなかった……。」

ということになりかねません。

このようなリスクを避けるために、あらかじめ複数の不動産会社の査定を受けておき相場を把握しておきましょう。

また、不動産会社と一口でいっても、得意とする物件の種類や地域、会社の規模などは大きく異なります。

不動産のプロ
物件の状態や立地だけでなく不動産会社の販路によっても査定額は変わります。さまざまなジャンルの不動産会社に査定を依頼すると良いでしょう。

6-4.査定額だけで不動産会社を選ばない

なるべく高く売却したいから、いちばん査定額が高い不動産会社に仲介を依頼しよう。

このように思う方も多くいらっしゃるでしょう。

確かに売却を依頼するなら、より高く売ってくれる不動産会社を選びたいですよね。

しかし、高い査定額を提示したからといって必ずしも良い不動産会社であるとは限らないため、査定額だけで選ぶのはおすすめできません。

むしろ他社より飛び抜けて高い査定額を提示された場合には注意が必要です。

不動産会社の中には媒介契約を結ぶためにあえて高い査定額を提示する悪質な業者も存在します。

不動産会社は売買契約を成立させるまでは仲介手数料を受け取れませんから、売却活動を開始した後に必要以上の値下げを進めて売却を急かすケースもあるのです。

悪質な業者かどうか見極めるにはどうしたらいいの?
不動産のプロ
査定を受けて結果が気になった不動産会社に対しては、査定額の根拠を必ず確認するようにしましょう。

実は、不動産会社は売り主に対して査定額の根拠を明らかにしなければならないと法律で定められています。

メモ
「宅地建物取引業法第34条の二第2項」により、不動産会社は査定価格の根拠を明らかにしなければならないと定められています。宅地建物取引業者は、前項第二号の価額(※)又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
※前項第二号の価額……当該宅地又は建物を売買すべき価額又はその評価額

不動産会社に対して査定額の根拠を尋ねるときには、きちんとした回答が得られるか、担当者の対応は誠実であるかといったことをしっかり見極めましょう。

査定額はあくまで目安であり、提示された価格での売却を保証するものではありません。

不動産のプロ
不動産会社を選ぶときには査定額だけでなく、信頼できる会社かどうかを重視して選びましょう。

6-5.買い主の信用情報を確認する

買い主が見つかったら、売買契約を結ぶ前に必ず買い主の信用情報を確かめましょう。

不動産を購入する際、買い主は住宅ローンを組むか現金を用意して支払いを行います。

しかし、買い主が住宅ローンの審査に落ちてしまったり現金を用意できなかったりして、売買契約が成立した後に破談となるケースもあります。

売買契約がキャンセルされた場合、売り主は新たな買い主を見つけなければならず売却までに余 計な時間を費やすことになります。

このようなリスクを避けるため、不動産会社を通して買い主の年収や勤務先などの信用情報をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

買い主の都合で契約後に破談となった場合、手付金や仲介手数料はどうなるんですか?

売買契約を締結したのち買い主都合で契約がキャンセルされたとき、手付金は売り主のものとなり返還義務はありません。

また、実際に支払うかは媒介契約の内容にもよりますが、仲介手数料については売買契約を締結した事実が残るため支払い義務があります。

ただし、ローン特約による契約解除がされた場合には契約自体が白紙になるため注意が必要です。

ローン特約とは
買い主が住宅ローンを利用して不動産を購入するとき、借入金の審査に通過できなければ違約金なしで売買契約が無効となることを定めた契約の条文です。

通常の破談とは異なり、ローン特約による契約解除が適用された場合には契約自体が無効となるため仲介手数料はかかりません。

しかし、買い主から受け取った手付金は全額返還しなければならないため注意が必要です。

売買契約をした後で破談にならないように、

「売却活動は不動産会社に任せているから……。」

と安心せず、売り主自身も買い主の信用情報を確かめてから売買契約を結びましょう。

7.まとめ

不動産売却においての不動産仲介とは、不動産会社(仲介業者)が売り主と買い主の間を取り持って売買契約を成立させることをいいます。

不動産会社に仲介を依頼した場合、依頼を受けた不動産会社が売り主に代わり売却活動を行って買い主を探します。

このときに売り主と不動産会社が結ぶ契約を媒介契約といい、以下の3種類があります。

【媒介契約の種類】
  • ・専属専任媒介契約
  • ・専任媒介契約
  • ・一般媒介契約

売却活動の報告義務や自己発見取引についての規定など、それぞれの契約内容の違いを確認した上で自分に合う契約を結びましょう。

また、仲介手数料には法律で上限が設けられており、売買契約が成立したタイミングで支払い義務が生じます。

仲介手数料の支払い時期は媒介契約書に記載された内容をもとに決定され、売買契約を結んでから物件の引き渡しまでの間で行われます。

仲介で不動産を売却するときに最も重要なのは信頼のおける不動産会社を選ぶことだといっても過言ではありません。

売却までの期間を見越し、早めにいろいろなジャンルの不動産会社の査定を受けて相場を把握し売りたい物件の条件に合った不動産会社を見つけましょう。

不動産のプロ
複数の不動産会社に査定を依頼する際には、無料で使える一括査定サイトを利用すると手間がかからず効率的ですよ。


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