不動産売却に関わる一連の手続における必要書類完全ガイド

不動産を売却される際に、まず土地や家屋の価格査定にはじまり、買い手との売買契約、そして確定申告に至るまで、一連の手続きには書類が必要となります。この書類の入手方法は、あらかじめ知っておきたいところですね。

また、所有されている不動産の売却をお考えになられてから、売却物件の売買契約を結び、物件をお引き渡し、納税されるまでの重要なポイントを紹介していきます。安心して、スムーズな不動産売却をしていただけるように、プロセスごとに必要書類と入手方法について、じっくり読まれて、後悔のない不動産取引を実現させましょう。

この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
公認会計士・税理士・行政書士。相続税対策に強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。株式会社チェスターでは、年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている。 TV/雑誌など各種メディアからの取材歴多数。また、土地や相続についての書籍も多数出版している。
株式会社チェスターは、総勢200名以上の税理士法人グループの不動産会社です

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目次

1.不動産売却の「不動産会社への査定依頼時」の必要書類一覧

不動産売却の最初のステップは、「査定依頼」です。信頼できる不動産会社に査定を依頼してみましょう。不動産会社が売買等の取引における不動産の価格を評価することを「価格査定」といいます。

この価格査定は、売り主様にとって売り出し価格決定などの参考情報として活用できます。
この価格を算出するには、大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」の二通りの方法があります。

1-1. 机上査定の場合

机上査定とは、物件の所在地や築年数などをもとに不動産仲介会社が大まかな価格を査定することです。査定の申込みをすると短時間で回答が得られるのがメリットですが、周辺エリアの取引事例や1年に1度発表される公示価格などに基づいて概算価格を算出するシンプルな査定です。

相場を把握するために利用される場合が多いと言われています。売却を検討し始めたばかりの段階で、ひとまず目安としての価格を知りたい場合は机上査定を利用するとよいでしょう。

◆机上査定の依頼に必要な書類
・必要書類は特にありません。
◆机上査定に必要な物件情報
・物件の種別(戸建、マンション、賃貸アパート、土地)・所在地・土地面積・建物面積・間取り
・道路の幅員 ・築年月 ・売却予定日・現況(居住中、賃貸中、空き家)など

1-2. 訪問査定の場合

訪問査定とは、依頼した不動産仲介会社の担当者が実際に現地に出向いて物件を内見調査します。地形、接道状況、日照、周辺環境、建物内外の傷み具合などをチェックするとともに、法務局などで登記簿なども調査した上による詳細な査定となります。

◆訪問査定の依頼に必要な書類
⑴ 登記簿謄本(登記事項証明書)
正確な物件の面積が明記されているので土地と建物の両方が必要で、法務局で入手することができます。⑵ 公図
法務局で入手することができます。住宅地図などで代用する場合もあります。⑶ 建物の詳細書類
設計図書、間取り図など建物の詳細な図面です  購入時に建築施工会社や不動産会社などが作成し納入済みです。
不動産売却にとって査定はスタート地点です。まずは不動産会社に 最適な査定を出してもらうためにも上記の書類は準備しておきましょう。

2.不動産売却の「売買契約時」の必要書類一覧

机上査定であれば不動産仲介会社に物件情報を確認してもらい相場を掴んだところで、次のステップとして必要な書類を用意して訪問査定受けるのが、一般的な流れです。つまり、簡易査定→訪問査定→媒介契約→売却スタートとなります。ここからは、査定の次の段階となる不動産売却の「売買契約時」の必要書類について、ご紹介しましょう。

不動産を購入されようとする買主にとっては、どのような物件なのか、権利関係はどうなのかなどお知りになりたい情報は、山ほどあります。

売却時に必要な書類は、一戸建て、マンション、土地など、物件種別によって異なるものもありますが、買主に物件の特徴を正しく把握してもらい、スピーディーに売却成約に至ることを意識し、必要書類を準備していきましょう。ここからは、不動産の売却時に必要な書類のポイントを解説していきます。

2-1.一戸建てを売却する場合の必要書類

⑴ 売主本人の確認書類 (身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票)

売主本人であることを確認するための書類です。住民票は登記上の住所と現住所が異なる場合に必要です。住民票や印鑑証明書などは、発行から3か月以内のもの。親子や兄弟など共有名義となっている場合は、共有者全員の書類が必要です。特に相続物件などでは、共有者が遠方の場合などは要注意です。早めに本人確認の書類を揃えておきましょう。住民票や印鑑証明書などは市区町村役場で入手できます。

⑵ 登記済権利書または登記識別情報

「権利書」と呼ばれていますが、正確には「登記済権利書」が付いています。この「登記済権利書」は、法務局から登記名義人に公布される書類で、登記名義人(不動産を取得した人)がその物件の所有者であることを証明する重要書類です。
紛失した場合、司法書士へ手続きを依頼しましょう。

売却する物件が平成17年以降に登記された物件に関しては、登記済権利書の代わりに登記識別情報が発行されているケースもあります。その場合は登記識別情報を準備します。

売り主が取得時に法務局から公布された登記済権利書等を買主に渡し、移転登記が行われることで所有権が買主に移ります。また、登記簿謄本とは、「登記事項証明書」とも呼ばれ、不動産に関連する情報を記載されており、法務局で取得できます。これは登記者に限らず、誰でも取得することができます。売り主ご自身で法務局に出向く時間がない場合、不動産仲介業者に依頼することもできます。

⑶ 固定資産税の納税通知書および固定資産税評価証明書

固定資産税の納税額を確認するために必要な書類です。また、移転登記等に必要な登録免許税の算出の際にも必要となります。固定資産税は毎年の1月1日の所有者に年間の固定資産税が課税されるため不動産を売却する際に、買主と決済日を基準に精算することになります。固定資産税の納税通知書はその費用を算出根拠となる資料にもなります。

所有者に不動産の取得時期に応じて固定資産税の負担額が調整され、売主に一部払い戻されるのが一般的です。移転登記に必要となる登録免許税を算出するにも必要になります。最新のものを準備しましょう。
紛失された場合、市町村役場で固定資産税の課税明細書と同内容の名寄帳の写しが発行できます。

⑷建築確認済証および検査済証

一戸建ての売買などにおいて必要な書類です。建物を建築する際に建築基準に適合しているかを審査し、適合している場合に「建築確認済証」が市区町村から交付されるもので、その物件が建築基準法に則って建築されていることを証明する書類です。また、「検査済証」とは、建築確認が必要な建物の工事が完了した段階で、指定確認検査機関に届出をして完了検査を受けたときに発行される書類です。建築確認済証、検査済証は、施主が申請して施主が受け取るものです。

建売住宅の場合には建築業者が施主なので建築業者が保有しています。紛失の場合は、建築確認済証・検査済証の再発行できますが、市町村役場で建築指導の窓口で建築場所の地名地番・建築主の氏名・建築年など、その建築物についての情報から建築確認の番号等から証明書を発行してくれます。

⑸土地測量図・境界確認書

一戸建てや土地などを売却する際に、土地の面積や境界線を明確に知るために必要な書類です。境界線が明確でないと、購入後のトラブルにもなりかねません。境界線が未確認である場合は、あらかじめ隣接地の土地所有者と協議を持ち、了解を得て測量図を作成しておきます。

⑹建築図面・平面図(設計図書)

建物形状の確認するための書類です。建築当時の設計図書、または現在の間取りや設備がわかる平面図が必要です。もし見当たらない場合は、現地で室内寸法を確認しながら作成しましょう。

2-2.マンションを売却する場合の必要書類

⑴ 売主本人の確認書類 (身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票)

売主本人であることを確認するための書類です。住民票は登記上の住所と現住所が異なる場合に必要です。住民票や印鑑証明書などは、発行から3か月以内のもの。ご夫婦や親子など共有名義となっている場合は、共有者全員の書類が必要です。住民票や印鑑証明書などは市区町村役場で入手できます。ローン残高証明書、またはローン返済予定表も必要ですが、住宅ローンを利用されていない場合は必要ありません。

⑵ 登記済権利書または登記識別情報

一戸建てを売却される際のケースと同じように、その物件の所有者であることを証明する重要書類として登記済権利書または登記識別情報が必要です。

⑶ 固定資産税の納税通知書および固定資産税評価証明書

こちらも一戸建てを売却される際のケースと同じように、固定資産税納税通知書が必要です。
固定資産税と都市計画税はその年の1月1日時点の所有者に対して1年分が課税されます。一般的に日割り計算により、売り主と買い主双方で負担します。買い主負担分を売り主に支払い、売り主が納税するという方法を取る場合が多いようです。固定資産税納税通知書を基に計算して納税額を算出します。

⑷ マンション管理規約または使用細則など

マンションに関する詳細の情報を確認するために必要な書類です。「マンションは管理を買え」と言われますが、マンションの維持費等(管理費、修繕積立金、管理組合費、町内会費、等)が記載された重要な情報にもなります。
こちらも固定資産税と同じように、マンション管理費、修繕積立金も、決済日を基準に日割り計算により、売り主と買い主双方で負担清算するのが一般的になっています。

⑸ 建築図面・平面図図面、設備仕様書

一戸建てと同じように、建物形状の確認するために必要な書類です。建築当時の設計図書、または現在の間取りや設備がわかる平面図が必要です。マンションに売却に有利になる設備が入っている場合やリフォームをしている場合などは、提示しましょう。

2-3.土地を売却する場合

⑴ 売主本人の確認書類 (身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票)

一戸建てやマンションと同様に売主本人であることを確認するための書類が必要になります。

⑵ 登記済権利書または登記識別情報

一戸建てやマンションと同様にその土地の所有者であることを証明する重要書類として登記済権利書または登記識別情報が必要です。

⑶ 固定資産税の納税通知書および固定資産税評価証明書

一戸建てやマンションを売却される際のケースと同じように、固定資産税納税通知書が必要です。

⑷土地測量図・土地境界確認書

土地などを売却する際に、土地の面積や境界線を明確に知るために必要な書類です。土地測量図は土地の面積が記されている図面です。管轄の登記所の窓口やインターネットで請求取得できます。もし、境界線が未確認である場合、予め隣接地の土地所有者と協議し、測量図を作成する必要がでてきます。土地の場合では、㎡単価×面積で売買価格を決めますので、どのスペースが売却対象で対象面積は何㎡なのかなど面積や境界線が重要です。

土地境界確認書は、甲乙双方が境界立会いをし、異議無く境界を確認した事実を書面で取り交わすものです。土地境界確認書の作成費用は、その依頼者が土地家屋調査士などへの費用を全額負担することになります。

3.不動産売却の「確定申告時」の必要書類一覧

3-1. 不動産を売却したときの確定申告

確定申告とは本来、税金の納付や払い過ぎた税金の還付を受けるために、前年の収入や控除額を申告するものです。不動産を売却した場合でも年度末に確定申告をしなければなりません。売却益がある場合はもちろんのこと、損失が出てしまった場合にも確定申告するとメリットになることがあるので必ず申請しておきましょう。

それでは、確定申告をされるときの流れについてみてみましょう。まず、確定申告に必要な書類を用意します。書類が揃って準備ができたら確定申告書を作成します。提出書類の内容を確認して間違いがないようであれば、確定申告書に関連書類を添えて税務署に提出します。確定申告では申請書類の記入や必要な書類の用意など手間のかかる作業が多く発生しますので、事前にしっかりと準備をしておきたいところです。

3-2. 不動産を売却したときの確定申告のための必要書類

・確定申告書の用紙(申告書B・申告書第三表(分離課税用))
・譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】
・「売買契約書及び領収証」のコピー
・「不動産仲介手数料の領収証」のコピー
・「測量費・登記費用その他売却の時の費用の領収証」のコピー
・土地・建物の全部事項証明書

まず、基本的な書類としては、税務署で取得する「確定申告書の用紙(申告書B・申告書第三表(分離課税用))」と「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】」です。これらは、国税庁のホームページからダウンロードもできます。

また、売却時に確定申告のための必要な書類として、「売買契約書及び領収証」のコピーも必要です。
さらに、「不動産仲介手数料の領収証」のコピー、「測量費・登記費用その他売却の時の費用の領収証」のコピー、所在地の登記所で取得できる売却後の「土地・建物の全部事項証明書(特例の要件に「全部事項証明書」の添付がない場合はコピーでも可)」等も必要な書類となっています。

3-3.  マイホームを売却し、各種特例を適用する場合の必要書類

マイホームを売却した場合、一定の要件を満たすと税務上の特例を適用することができます。譲渡益が発生した場合と、譲渡損が発生した場合によって、適用できる特例が異なります。まず、マイホームの売却により益が出ているのか、損が出ているのかを把握することが大切です。
それではマイホームを売却した場合、特例の適用を受けるために必要な書類をご紹介します。

◆マイホームを売って、譲渡益がある場合の必要書類

(1). 3,000万円特別控除の適用を受ける場合に追加で必要な書類

・住民票の除票(売却した日から2か月を経過したもの)

マイホームを売却した時、物件の所有期間に関係なく、一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円の特別控除を受けることができます。この場合の必要な書類は、税務署から入手する申請書類の「確定申告書の用紙(申告書B・申告書第三表(分離課税用))」と「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】」と、売却した不動産に関連する「不動産売却時の売買契約書」「不動産購入時の売買契約書」「仲介手数料、印紙税などの領収書」のコピーを事前に用意しておきましょう。それと売却した日から2ヶ月を経過した後に、売却した不動産の所在地の役所から住民票の除票を受け取り、確定申告時に提出します。

(2). 特定居住用財産の買換え特例の適用を受ける場合に追加で必要な書類

・買換(代替)資産の明細書
・先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書
・代替資産の取得期限延長承認申請書

さらに、不動産を売却し、代わりの居住用不動産を購入した場合、一定の要件を満たすと、買換えの特例を利用することができます。買換えの特例を受ける場合の申請に必要な書類は、税務署から入手する申請書類と共に、買換え資産の取得した年度によって、「買換(代替)資産の明細書」「先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書」「代替資産の取得期限延長承認申請書」など該当する書類を選び提出してください。さらに売却した不動産に関連する「不動産売却時の売買契約書」「不動産購入時の売買契約書」「仲介手数料、印紙税などの領収書」のコピーと共に、旧不動産の「登記事項証明書」新不動産の売買契約書など関連書類が必要になります。

◆マイホームを売って、譲渡損失が生じた場合の必要書類

(3). 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用を受ける場合に追加で必要な書類

・居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
・居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書

また、居住用の不動産を売却した際に譲渡損失が出た場合、一定の要件を満たすと、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を利用することができます。譲渡損失を申請する場合、「確定申告書」「 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)」「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書」が必要となります。

4.まとめ

不動産売却に関わる一連の取引における必要書類と入手方法について、いかがでしたか。
売却にあたっての手順として、まず不動産仲介会社に査定の依頼をします。この段階で売却の価格などの条件を決めて販売を開始、希望条件に見合った買主が見つかると、いよいよ具体的な売却の手続きとなります。そして、売却が成立すると、翌年に確定申告が待っています。

売買契約をスムーズに運ぶためには、必要な書類を一式そろえておかなければなりません。いざ売買契約のときになって、あわてることがないように事前に準備しておきましょう。不動産に関わる重要な書類は厳重にまとめて保管しておくことも大切です。


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02 【信頼】
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