任意売却のメリット・デメリットは?競売との違い、流れも徹底解説

「住宅ローンの返済が厳しくなってきた……。任意売却をした方がいいのかな?」

「任意売却をするとどんなメリットがあるんだろう?」

住宅ローンの支払いが滞っていて任意売却を視野に入れている、または金融機関から任意売却をすすめられたという方もいらっしゃるでしょう。

任意売却とは債権者である金融機関の同意を得た上で、残債が残っている物件を売却することです。

住宅ローンの滞納を続けると物件は競売にかけられてしまいます。

競売になる前に任意売却をすることで自分の意思で売却ができる、市場価格に近い値段で売れる、交渉次第では引っ越し費用が確保できるなど多くのメリットがあります。

しかし、任意売却が可能な期間には限りがあり、期限を過ぎると強制的に競売となってしまいます。

そこで、この記事では任意売却をスムーズに成功させるための流れを解説します。

不動産売却のプロ
任意売却に失敗しないためには、実績が豊富な不動産会社に相談することが大切です。

この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
公認会計士・税理士・行政書士。相続税対策に強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。株式会社チェスターでは、年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている。 TV/雑誌など各種メディアからの取材歴多数。また、土地や相続についての書籍も多数出版している。
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目次

1.知っておきたい任意売却の基礎知識

任意売却をすすめられたけど、そもそも任意売却ってなんだろう?
自分は任意売却をした方がいいのかな?

任意売却とは住宅ローンの返済が難しくなってしまった場合に検討する不動産売却の方法の一つです。

そもそも任意売却について詳しく知らない、自分が任意売却をするべきかどうか分からないという方も多いでしょう。

そこで、この章では「任意売却の仕組み」や「どのような場合に任意売却をするべきなのか」、「競売との違い」など任意売却に関する基礎知識を解説します。

不動産売却のプロ
まずは任意売却について正しい知識を身に付けましょう。

1-1.そもそも任意売却とは

任意売却とは債権者である金融機関の合意の上で抵当権を外してもらい、ローンが残っている物件を売却することです。

抵当権とは
住宅ローンを借り入れる際に購入する不動産を担保にする権利のことです。債務者が住宅ローンの返済ができない状態に陥ったとき、債権者である金融機関は抵当権を設定した物件を競売で売却して債権を回収します。抵当権は住宅ローンの完済とともに消滅します。

抵当権が付いたままの物件を売買することは法律上は可能です。

しかし、実際はいつ差し押さえられてしまうか分からない物件を購入したいという人はほとんどいません

そのため金融機関に抵当権を外してもらう必要があるのです。

でも、どうして住宅ローンを完済していないのに抵当権を外してもらえるの?

という点が気になりますよね。

こちらで詳しくご説明しますが、住宅ローンの返済を滞納し続けた場合、保証会社からの申し立てを受けた裁判所が物件を強制的に売却(=競売)します。

競売で売却された物件の価格は一般市場で売却した場合の7割程度にとどまるといわれています。

任意売却なら市場価格に近い値段で売却できる可能性が高いため、債権者である金融機関にとってもより多くの返済が期待できます

そのため金融機関も任意売却を認めており、抵当権を解除することに同意してくれるのです。

注意
ただし、場合によっては任意売却を認めてもらえないこともあります。住宅ローンの借り入れから滞納までの期間があまりに短かったり、借り入れ時に自己資金を多く見せるなど虚偽の申告を行っていたりすると任意売却に応じてもらえない可能性が高まります。

1-2.任意売却をするべき場合としなくていい場合

任意売却は競売に比べればメリットが大きい売却方法ですが、デメリットもあります。

メモ
特に大きなデメリットは、住宅ローンを3回以上滞納することにより信用情報機関に登録されてしまう(いわゆる「ブラックリスト」に載る)可能性があることです。任意売却のデメリットについてはこちらで詳しく解説します。

ローンの返済が苦しく、任意売却を検討している方のなかには任意売却を回避できる方もいます。

任意売却をするべき場合とそうでない場合について正確に理解し、自身の状況に応じて最善の選択をすることが大切です。

不動産売却のプロ
ここからは、どういう場合に任意売却を検討するべきかについて詳しく解説します。

【任意売却を検討するべき場合】
  • ・住宅ローンの残債が物件の売却代金を上回る(オーバーローン)場合
  • ・住宅ローンの返済が難しく、状況が改善する見込みもない場合
  • ・既に返済が滞っており、金融機関から督促状や催告書が届いている場合
  • ・さらに滞納が長引き、競売の申し立てが行われた場合

前提として、物件の売却代金が住宅ローンの残債を上回る(アンダーローン)場合は任意売却ではなく通常の不動産売却で問題ありません。

物件を売却して得たお金でローンを完済し、抵当権を抹消しましょう。

任意売却を検討するべきなのはオーバーローンの場合です。

住宅ローンの返済が滞ってしまう理由は給料減やボーナス減、リストラ、他の借金などさまざまです。

なかにはけがや病気による離職など状況が改善すれば問題なく支払いを続けられる場合もありますよね。

その場合は任意売却ではなく、リスケジュールについて金融機関に相談してみましょう。

反対に継続的な返済が難しく、状況が改善する見込みもない場合は早めに任意売却の手続きをしましょう。

住宅ローンの返済を負担に感じている場合でも、既に滞納してしまっている場合とまだ滞納していない場合では対応の選択肢が異なります。

既に返済を滞納してしまっており、金融機関から督促状や催告書が届いている場合は任意売却を検討しましょう。

さらに滞納が続き競売の申し立てが行われている場合も同様です。

メモ
保証会社からの申し立てに基づいて裁判所から郵送されてくるのが「競売開始決定通知」です。この通知が届いた時点で物件が競売にかけられていることは公にされており、家に競売業者がやって来ることもあります。
家が競売にかけられていても任意売却ができるの?
不動産売却のプロ
難しい状況ですが、不可能ではありません。一刻も早く専門家に相談しましょう。

スムーズな任意売却の流れはこちらで詳しくご説明します。

まだ滞納をしていない場合は、金融機関に返済プランの見直しを相談して返済金額を減らし、返済を継続するという手があります。

支払条件の変更は返済が滞ってからでは難しくなるため、早めに相談しましょう。

1-3.競売との違い

家を売るなら競売と同じじゃないの?

という疑問をお持ちになった方もいらっしゃるかもしれませんね。

任意売却と競売の違いを確認する前に、まずは競売に至る仕組みを確認しましょう。

住宅ローンの滞納が一定期間続いてしまうと、ローンを分割で返済する権利が失われます。

メモ
ローンを分割で返済する権利を「期限の利益」といいます。ローンの返済を合計6回滞納すると金融機関から「期限の利益喪失に関する通知」が届きます。

金融機関は「もう分割での返済を待っていられない」として、残りの借金を定められた期日までに一括で返済することを債務者に要求します。

毎月の返済がままならないのに、残債を一括で返済するなど不可能ですよね。

この場合、保証会社が金融機関に残債を返済することになります(代位弁済)。

新たに債権者となった保証会社に対して残債を一括返済できないと、保証会社が裁判所に「競売」の申し立てをします。

競売は裁判所の権限によって債務者の意思とは無関係に行われます

任意売却と競売の違いは主に以下のようなものがあります。

【任意売却と競売の違い】

比較項目 任意売却 競売
自分の意思で売却できるか できる できない
売却価格 市場価格に近い価格で売却できる可能性が高い 高くても市場価格の7割前後にとどまる場合が多い
ローン滞納を周囲に知られてしまう可能性 ほぼない 高い
引っ越し費用 交渉次第で確保できる 自分で用意する必要がある
引っ越し日 購入者、債権者との交渉次第で自分で決められる 自由に選べない
今の家に住み続けられる可能性 ある ない
残債の返済 分割で返済できる 一括で返済しなければいけない

最大の違いは、任意売却ではある程度自分の意思を反映できるのに対し、競売にはその余地が全くないことです。

競売になってしまうと、自宅を誰にいくらで売るかといったことはおろか、家から立ち退く日にちも自分で決めることができません。

また、任意売却では交渉次第で引っ越し費用が確保できるのに対し、競売では自分で用意しなければいけません。

住宅ローンの残債を一括で返済することを求められるのも競売のデメリットです。

不動産売却のプロ
任意売却は競売に比べてメリットが大きいといえますよ。

次の章では任意売却のメリットをさらに詳しくご紹介します。

2.任意売却のメリット

ここまでは任意売却は住宅ローンの返済が苦しいときに検討する不動産売却の方法であり、競売に比べてメリットが大きいことを確認しました。

任意売却のメリットについてもっと具体的に知りたいな。

という方もいらっしゃるでしょう。

この章では任意売却のメリットを以下の六つの側面から詳しく解説します。

メリット1 自分の意思で売却できる

任意売却の大きなメリットとして「自分の意思で売却できる」という点が挙げられます。

自分の意思で売却するのは当たり前じゃないの?

という疑問をお持ちになった方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、競売になってしまうと債務者の意思は全く反映されません

物件を誰に売るか、いつ売るか、いくらで売るかといったことがすべて裁判所の権限で決められることとなります。

この場合、引っ越しのために十分な時間を確保することもできません。

購入者が入金をした時点で物件の所有権を失い、不法占拠者として立ち退きを迫られることになってしまうためです。

そんなふうに自宅を追われるのはつらいなあ……。

任意売却では売却時期を購入者との調整の上自分で決められるため、引っ越しを余裕のあるスケジュールで行うことができますよ。

メリット2 市場価格に近い価格で売れる可能性が高い

任意売却は通常の不動産取引と同様に販売活動が行えるため、市場価格に近い価格で売れることが期待できます。

販売活動によってなるべく多くの購入検討者に物件の情報を届けること、より良い条件で購入してくれる買い主を時間をかけて探すことでより高額での売却が狙えます。

不動産売却のプロ
任意売却に実績のある不動産会社に依頼することで、スムーズかつ高値で売却できる可能性が高まりますよ。

任意売却に実績のある不動産会社の探し方はこちらで解説します。

物件の売却代金はそのまま残債の返済に充てられます。

物件が高値で売れるほど、任意売却後に分割で返済する残債の金額が少なくなるというわけです。

ちなみに、競売の落札価格は通常の場合、高くても市場価格の7割程度といわれています。

メモ
競売では物件の情報公開から入札までの時間が短く、物件の情報を収集する時間が十分に与えられないため、購入者にとってリスクが高い買い物であるといえます。そのため落札される金額が市場価格に比べて低くなります。

その分残債も多くなり、任意売却と比べて債務者の負担が非常に大きくなってしまいます。

メリット3 ローン滞納を周囲に知られずに済む

任意売却の販売活動は通常の不動産取引と変わらないため、ローンの返済を滞納したという事実を周囲に知られずに済みます

一方で、競売にかけられた物件には裁判所の執行官と不動産鑑定士が調査にやってきたり、落札したいと考える不動産会社がやって来たりします。

そのほかにも物件の情報は公告されるため、近隣住民や職場の人や友人などにローンを滞納して物件が競売にかけられたことを知られてしまう可能性が常にあります。

対処が遅れて物件が競売にかけられてしまった……。

という方でも、任意売却の合意を得ることができれば競売を取り下げることが可能です。

競売が取り下げられたあとは物件の詳細情報は閲覧できなくなります。

不動産売却のプロ
競売にかけられてしまったあとでも、諦めずに任意売却の手続きに進みましょう。

メリット4 交渉次第で引っ越し費用が確保できる

任意売却では債権者との交渉次第で最大30万円の引っ越し費用を売却代金から融通してもらえる場合があります

注意
ただし、引っ越し費用は任意売却であれば必ずもらえるというものではありません。また、捻出してもらえる引っ越し費用の相場は10万~20万円ともいわれています。

本来であれば少しでも多く住宅ローンを回収したい債権者にとって、引っ越し費用の捻出は容易に認められることではありません。

しかし、債務者が任意売却を選択せざるを得ないほど困窮していることは債権者も承知しているため、真摯(しんし)に説明すれば善意で引っ越し費用を出してもらえる可能性が高まります。

不動産売却のプロ
交渉の場に任意売却の実績がある不動産会社がいれば、より心強いでしょう。

競売の場合、引っ越し費用を融通してもらえることはありません

メリット5 今の家に住み続けられる可能性もある

住宅ローンを返済できなくなってしまったからには自宅を立ち退かなければならないとお考えの方は多いでしょう。

しかし、任意売却なら住み慣れた家に住み続けられる可能性があるのです。

どうしたらそんなことができるの?

という点が気になりますよね。

今の家を親族や投資家に買い取ってもらい、その後は家賃を支払うことで賃貸物件として住み続けるというサービス(リースバック)を使います。

任意売却の代わりに最初からリースバックをすればいいんじゃないの?
不動産売却のプロ
任意売却とリースバックは根本的に異なる取引です。

「任意売却の手続きを進める過程で、リースバックを利用してそのまま今の家に住み続けられる場合もある」というのが正確な理解です。

競売の場合は売却相手を自分で決めることができないため、リースバックはできません。

不動産売却のプロ
自分の意思で売却ができる任意売却だからこそ、リースバックが可能になります。

メリット6 残債を分割で返済できる

任意売却では残債を分割で返済することができます。

でも、経済的に苦しいのにちゃんと返済できるかな……。

と不安になってしまいますよね。

しかし、債権者も従来のペースでの返済が難しいことは十分に理解しています。

生活状況や現在の収入を考慮に入れた上で、実現可能な返済スケジュールを話し合って決めることができますよ

返済金額は一般的には月額5,000~30,000円程度といわれています。

競売の場合、残債は一括で返済することを求められます。

3.任意売却のデメリット

任意売却のメリットもよく分かったし、さっそく手続きをしよう。
競売よりも高く売れるし、残債も無理なく返済できるし、いいことばかりだな。

任意売却のメリットを確認し、このようにお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、任意売却にはデメリットもあります

任意売却の手続きに進む前に、以下の六つのデメリットを確認しておきましょう。

不動産売却のプロ
事前にデメリットを把握して、より良い選択に役立てましょう。

デメリット1 信用情報に傷が付く

住宅ローンの返済が61日以上、または3回目の支払日を超える延滞をすると「個人信用情報機関」に登録(いわゆる「ブラックリスト」に載る)されるといわれています。

任意売却が可能になるのは期限の利益を喪失=住宅ローンの返済を合計で6回滞納してからといわれています。

つまり、任意売却が可能になるときには既にブラックリストに載っているというわけです。

不動産売却のプロ
任意売却をすることが信用情報に傷が付く直接の原因ではないことに注意しましょう。

信用情報に傷が付くのは競売の場合も同様です。

信用情報に傷が付くと、実際どういうデメリットがあるんだろう?

「ブラックリスト」という言葉に恐ろしいイメージを持っていても、具体的にどのような制限が課されるのかは知らないという方もいらっしゃるでしょう。

信用情報に傷が付くと、その後5~7年はその記録が残ります。

記録が残っている間は、新たにクレジットカードを作ったり住宅ローンを組んだりすることはできません

また、携帯電話の分割購入の審査に通りにくくなる可能性もあります。

一方で、「信用情報に傷が付くと一生ローンを組むことができない」というのはよくある誤解です。

債務を解消して一定の期間が経過すれば再びローンを組める可能性もあります。

注意
ただし、以前住宅ローンを滞納したのと同じ金融機関でローンを組むのは難しいでしょう。

デメリット2 債権者・連帯保証人の同意が必要

任意売却をするには債権者と連帯保証人の同意を得る必要があります

住宅ローンを滞納していると、金融機関の担当者と顔を合わせるのは気まずいという気持ちになってしまいますよね。

しかし、債権者との交渉を避け、任意売却の手続きを進められなければ状況は悪化するばかりです。

債権者への相談はできるだけ早く行うべきでしょう。

また、物件の売却価格に債権者が同意しなければ抵当権を抹消してもらえず、任意売却が成立しないという問題もあります。

任意売却の経験が豊富な不動産会社の協力を得て、高値での売却を目指しましょう。

また、契約の当事者と同様の責任を負う連帯保証人の同意も必要です。

配偶者が連帯保証人である場合、もし離婚していたとしても連絡を取り合わなければいけません

任意売却後の残債が多く残ってしまった場合は連帯保証人にも支払い義務が発生するので、今後の支払いスケジュールについて説明することも欠かせません。

任意売却をすると連帯保証人に迷惑がかかってしまうのか……。
不動産売却のプロ
その可能性はあります。しかし、競売になればさらに多大な迷惑が及ぶことになります。

最悪の場合、連帯保証人の自宅まで競売にかけられてしまうような事態に陥りかねません。

迷っている方は迅速に任意売却の手続きに進むべきでしょう。

デメリット3 販売活動に参加しなければいけない

任意売却をスムーズに進めるためには売り主の参加が不可欠です。

広告の作成や営業活動は不動産会社の仕事ですが、内見のための対応には物件の所有者にしかできないこともあります

具体的には家の中の清掃や内装の修繕は売り主の仕事です。

任意売却の場合、購入検討者は第一印象を重視する一般人です。

内見の際に家の中が散らかっていたり汚れていたりすると、状態が良く築浅の物件であっても買い手の気持ちが離れてしまいます。

積極的に住宅をきれいにして物件の第一印象を向上させましょう。

競売の場合は裁判所がすべての手続きを進めるため販売活動に関わることはできません。

そういう意味では、競売の方が楽なんだな。
不動産売却のプロ
しかし、任意売却には競売をはるかに上回るメリットがあります。

販売活動に参加するのが面倒だからといって競売を選ぶのはおすすめできません

デメリット4 早く引っ越さなければいけない可能性がある

任意売却の場合、物件の買い主が早く見つかると予想外に早く引っ越ししなければいけなくなる場合があります

一方、競売の場合は一般的に申し立てから落札までに半年~1年程度かかります。

落札者が入金をするまでは今の家に住み続けることができます。

そのため、任意売却と比べて競売の方が長く住み続けられる可能性があるのです。

引っ越し資金がないから、競売を選んで今の家に住み続けようかな……。
不動産売却のプロ
任意売却なら、債務者との交渉次第で引っ越し資金を融通してもらえる可能性がありますよ。

引っ越し資金がなく困っている旨を真摯に伝えれば、引っ越し資金を捻出してもらえる可能性が高まりますよ。

また、任意売却の場合は買い主と相談して退去時期を調整することも可能です。

デメリット5 任意売却を扱う業者を自力で探す必要がある

任意売却では通常の不動産取引と異なり金融機関をはじめとする債権者や連帯保証人などさまざまな関係者がいます。

そのため、任意売却を扱う不動産会社は任意売却についての専門的な知識や経験が必須となります。

近所の不動産会社やお世話になっている不動産会社に相談しても対応してもらえない場合もあるのです。

また、引き受けてもらえたとしても経験の浅い不動産会社だとうまくいかず競売になってしまうという事態に陥りかねません。

せっかく競売を避けるために任意売却の相談をするのですから、任意売却の経験が豊富な不動産会社に依頼したいですよね。

でも、任意売却の実績がある不動産会社なんてどうやって探せばいいの?
不動産売却のプロ
任意売却の際、心強い味方になってくれる不動産会社の探し方はこちらで解説しますよ。

デメリット6 競売になってしまう場合もある

残念ながら、任意売却の手続きをしても必ず競売を回避できるというわけではありません

任意売却ができる期間には限りがあるのです。

いつまでなら任意売却ができるの?
不動産売却のプロ
具体的には開札日の2日前までです。

開札日は滞納から13~16カ月目に届く「期間入札通知」に記載されています。

開札日の2日前までにすべての債権者から任意売却への同意を得られなければ、競売を取り下げることはできません。

不動産売却のプロ
タイムリミットを過ぎて競売になってしまわないためにも、1日でも早く専門家に相談することが大切です。

4.任意売却の流れ

任意売却をするためにはまず何をすればいいんだろう?
時間切れにならないように、急いで手続きを進めないと……。

任意売却を無事に成功させ、なるべく高値で売却するには、任意売却の手続きを事前に把握しておくことが不可欠です。

ここからは、任意売却の流れを八つのステップに分けて確認しましょう。

STEP1 利用する不動産一括査定サイトを決める

任意売却をする必要があるかどうかを調べるために、まずは物件を査定に出しましょう

ローンの残債を家の売却価格が上回れば(アンダーローン)、通常の不動産売却ができるからです。

査定額は不動産会社によって大きく異なるため、複数の不動産売却に査定を依頼することが大切です。

でも、どうやっていくつもの不動産会社を探すの?

複数の不動産会社に査定を依頼するためには「不動産一括査定サイト」を利用するのがおすすめです。

不動産一括査定サイトとは
必要な情報を1度入力するだけで複数の不動産会社から見積もりをもらうことができるサービスのことです。

また、不動産一括査定サイトを利用する際はできれば複数のサイトを利用すると良いでしょう。

どうして一つの不動産一括査定サイトではいけないの?
不動産売却のプロ
不動産一括査定サイトによって査定を依頼できる不動産会社が異なるためです。

【不動産一括査定サイトと不動産会社の関係】

不動産会社と一口にいっても、得意とする分野はそれぞれに異なります。

例えば幅広い販路を持つ大手の不動産会社があれば、地元を熟知している中小規模の不動産会社、マンションなど特定の物件に特化した不動産会社もあります。

残念ながら、一つの不動産一括査定サイトでこれら全ての不動産会社に査定を依頼することは不可能です。

そのため、複数の不動産一括査定サイトを利用してバランス良く査定を依頼する必要があります。

不動産一括査定サイトにもいろいろあるようだから、どれを使えばいいのか知りたいなあ。
不動産売却のプロ
おすすめの不動産一括査定サイトについてはこちらでご紹介しますよ。

STEP2 任意売却を依頼する不動産会社を決定

任意売却をスムーズに終えられるかどうかは依頼する不動産会社にかかっているといっても過言ではありません。

手続きを滞りなく済ませ、なるべく高額で売却するためには任意売却を専門とする不動産会社に依頼をした方が良いでしょう。

不動産売却のプロ
具体的には以下の2点を念頭に置いて探しましょう。

【不動産会社を探すときに踏まえるべき2つのポイント】
  • ・任意売却の実績が多い
  • ・専門家と連携してくれる

任意売却を多く担当していればそれだけ任意売却を成功させるノウハウが蓄積されていると考えて良いでしょう。

また、任意売却には民法などの法律の知識も必要です。

司法書士や弁護士などの専門家と連携して任意売却に臨んでくれる不動産会社を見つけられると安心感が高まりますよ。

STEP3 金融機関の同意

任意売却の手続きを進めていても、債権者に申し出をしないまま返済を滞納していては家が競売にかけられてしまいます

任意売却を行うために債権者(複数いる場合は全員)と連帯保証人の同意を取り付けましょう。

金融機関では現在の経済状況を詳細に説明し、真摯に問題解決に取り組む姿勢をアピールします。

債権者が複数いる場合は、売却金額を債権者のなかでどのように配分するかについても話し合わなければいけません。

注意
任意売却できる期間には限りがあるため、何事も早めに動くことが肝心です。金融機関への相談自体も、返済を滞納してしまう前に返済が苦しくなってきた時点でするのが理想的です。

STEP4 不動産会社を通して買い主探し

物件の買い主を探す段階においては、通常の不動産売却と大きな違いはありません。

任意売却を依頼した不動産売却がインターネットや新聞広告、ちらしなどを用いて買い主を探します。

ただし、任意売却にはタイムリミットがあります

任意売却の場合は売却予定の物件に住みながらの販売活動となりますが、内見の希望があった際にはできる限り室内をきれいに見せるように努力しましょう。

不動産売却のプロ
室内が清潔に保たれていれば、購買意欲も増すというものです。
第一印象が大事なんですね。

STEP5 売買契約

通常の不動産売却では買い主が見つかった時点で売買契約に入りますが、任意売却の場合は事前に債権者に売却条件について合意を得ることが必要です。

それ以外に通常の不動産売却と違う点はあるのかな?
不動産売却のプロ
任意売却では、売り主にとって不利益にならないようにするための特約を盛り込むのが通例です。

【2つの特約】
  • ・白紙解約
  • ・契約不適合責任の免責
白紙解約とは
手付金や中間金などを全て返却し、契約自体をなかったことにすることです。

白紙解約は契約の直前に債権者から売却許可を取り下げられてしまう可能性に備えて盛り込む特約です。

通常の不動産売却であれば、買い主にとっては購入予定の不動産が急に手に入らなくなってしまうのは大きな問題であり、売り主は買い主から違約金などを請求される事態に陥ってしまいます。

そういった事態を回避するために、白紙解約は必要です。

また、一般的な不動産売却では契約内容にない不備や欠陥があった場合売り主が修理代を支払わなければいけません(契約不適合責任)。

任意売却の場合、責任を果たすための資金力が売り主にはないため、契約不適合責任を免除してもらいます。

STEP6 決済および引き渡し

決済日には買い主が借り入れをする金融機関に関係者が集合するのが一般的です。

任意売却の場合は売り主、債権者、買い主、司法書士、不動産会社、買い主が借り入れをする金融機関の担当者などです。

引き渡しの日に行われることは多くあります。

【引き渡しの手続き】
  • ・登記手続き
  • ・手付金を除く売却代金の支払い
  • ・部屋の状態の確認
  • ・鍵の引き渡し
  • ・必要書類の引き渡し
  • ・仲介手数料の支払い など
こんなにたくさんの手続きがあるんだ……。
自分は何を準備したらいいのかな?

売り主が用意するべき書類は以下の通りです。

【用意する書類】
  • ・建物の図面など購入時の資料一式
  • ・実印
  • ・印鑑証明書
  • ・権利書

引っ越し費用を融通してもらう場合は、この日に受け渡しとなります。

不動産売却のプロ
STEP7の「売却代金で債務を返済」もこの日に行いますよ。

STEP7 売却代金で債務を返済

引き渡し日に購入者から受け取った代金でローンを返済します。

任意売却の場合、物件の売却代金だけではローンを完済することはできません

メモ
物件の売却代金がローンの残債を上回る場合(アンダーローン)任意売却をする必要はありません。通常の不動産売却を行いましょう。
もう家も売っちゃったのに、残りのローンをどうやって返済しよう……。
不動産売却のプロ
任意売却なら無理のないペースで分割して返済できますよ。

STEP8 残りの債務を返済

物件の売却代金で返せなかった分のローンを返済します。

ちゃんと返せるか不安だなあ……。
不動産売却のプロ
債権者は債務者が置かれている状況を理解してくれていますよ。

任意売却が完了しても、債務者の支払い能力が向上するわけではありません。

債務者の経済的な事情を考慮し、債権者との話し合いの上で無理のない毎月の返済額を決定します。

5.おすすめの不動産一括査定サイト

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同時査定依頼可能数 最大10社

LIFULL HOME’Sは総掲載物件数ナンバーワンの不動産ポータルサイトとしてよく知られています。

そのLIFULL HOME’Sが運営する不動産一括査定サイトにはなんと全国から3,200社を超える不動産会社が参加しています。

LIFULL HOME’Sを利用すれば信頼できる不動産会社が見つかる可能性が高いといえるでしょう。

「そんなにたくさんの不動産会社が参加していたら、悪質な不動産会社も紛れ込んでいるんじゃないの?」

と不安に思われるかもしれませんね。

しかし、LIFULL HOME’Sには独自の基準をクリアした不動産会社のみが参加を許されるため、安全性も万全です。

不動産売却のプロ
希望に合う不動産会社が見つからないとお悩みの方におすすめです。

おすすめ4 イエウール

メリット
全国1,900社以上の不動産会社が参加
地方の物件も査定依頼が出せる可能性が高い
デメリット
大手3社には査定依頼できない
こんな人におすすめ!
地方の不動産を売却したい方
参加不動産
会社数
1,900社以上
同時査定依頼可能数 最大6社
査定可能不動産 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、区分マンション(収益)、一棟ビル、区分所有ビル(一室)、店舗・工場・倉庫、農地、その他
代表的な参加不動産会社 三井住友トラスト不動産、みずほ不動産販売、住友林業ホームサービス、近鉄不動産、CENTURY21など

イエウールは地方にお住まいの方におすすめの不動産一括査定サイトです。

全国から1,600社を超える不動産会社が参加しています。

イエウールの強みは地域に密着した中小規模の不動産会社が多く参加していることです。

地元を熟知していることは任意売却をする上でも大きな利点となります。

地方の物件だから、イエウールを利用してみようかな。

6.まとめ

この記事では住宅ローンの返済が滞ってしまった後に家を売る「任意売却」という方法について解説しました。

強制的に家を売られてしまう「競売」に比べて、自分の意思で売却ができる任意売却には利点がいくつかあります。

市場価格に近い値段で売れる、プライバシーが守られる、残債を分割で返済できる、引っ越し費用を融通してもらえる場合があるといったことは任意売却ならではの大きなメリットです。

ただし、任意売却は手続きをすれば必ずできるというものではありません。

任意売却ができる期間には限りがあるため、早め早めに行動することが重要です。

任意売却には専門的な知識が必要となるため、任意売却を専門とする不動産会社に相談すれば手続きをスムーズに進めることができますよ。

不動産売却のプロ
参加不動産会社数が多い不動産一括査定サイトを使って、任意売却の実績がある不動産会社を探しましょう。

株式会社チェスター
株式会社チェスター税理士法人チェスターグループの不動産会社です。年間100億円以上の売却案件を取り扱っています。グループには税理士法人の他、司法書士事務所もあり、各分野の専門家と連携してスムーズに不動産売却・購入を進められます。特に相続不動産の売却や、相続対策の不動産購入に多くの実績があります。
取締役阿部 雅行
取締役阿部 雅行
宅地建物取引士二級建築士。戸建て分譲住宅の企画、不動産仲介業務、相続不動産の売買に関する業務などを経験した後、2015年に株式会社チェスターの取締役に就任。
株式会社チェスター取締役の阿部雅行
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株式会社チェスター
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事例紹介では、株式会社チェスターが不動産に関連する知識をわかりやすく解説しています。

株式会社チェスターは、相続税を専門に取り扱う「税理士法人チェスター」のグループ会社です。

強み

01 【実績】
年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている

02 【信頼】
相続専門 No.1 税理士事務所のグループ会社

03 【専門性】
複雑な税務・法務のお悩みにも対応可能

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