山林をスムーズに売る方法は?売却の流れや費用、よくある疑問も解決

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「相続した山を売却したいけど、売れる気がしない……。」

「活用する気のない山に税金や管理費を払い続けてしまっている……。」

山林を所有していて、このようなお悩みを抱えている方は多くいらっしゃるでしょう。

確かに山林の売却は「活用方法が限定される」「価値の変動が激しい」などの理由から宅地の売却よりも難しい傾向にあります。

しかし、昨今では山での暮らしに憧れる都会の方や、キャンプ好きの方などを中心に山林のニーズが高まっています。

賢く売却活動を行えば、山林を現金化することは決して不可能ではありません

山林を売却するためにおすすめの方法は、不動産一括査定サイトを利用して山林を扱った経験を持つ地域の不動産会社に仲介を依頼することです。

不動産売却のプロ
この記事では山林を売却する流れや費用からよくある疑問まで余すところなく解説します。

【山林の売却におすすめの不動産一括査定サイト】
  • おすすめ1 イエウール:地方の物件を売りたい方におすすめ
  • おすすめ2 リビンマッチ:地域密着型の不動産会社も多数参加
  • おすすめ3 イエイ:サポート体制も万全で安心
この記事の執筆者
私たちは不動産のプロフェッショナルです。
執筆者の株式会社チェスター(株)チェスター
株式会社チェスターは不動産売買や賃貸の仲介などを行う不動産会社です。特に不動産売却の取扱高は年間100億円を超え、豊富な実績があります。
「税理士が教える不動産売却の知識」(以降、本メディア)では一部、メーカーやサービス提供事業者から広告出稿をいただいておりますが、コンテンツの内容については本メディア独自に制作しており、情報の掲載有無やコンテンツ内容の最終意思決定に事業者は関与しません。

1.山林を売却する方法は?

山林は所有しているだけで固定資産税や管理費などのお金がかかるため、活用の予定がなければなるべく早く手放してしまいたいところですよね。

でも、山林を売却する方法が分からない……。

とお困りの方もいらっしゃるかもしれませんね。

この章では山林を売却する三つの方法をご紹介します。

【山林を売却する三つの方法】

方法1 地域の不動産会社に仲介を依頼

不動産を売却する際の一般的な方法として、「不動産会社に仲介を依頼する」というものがあります。

しかし山林は一般的な宅地と比べて需要が少ないため、全ての不動産会社が扱っているわけではありません。

そのため山林の取り扱いに長けた不動産会社を見つける必要があります。

地域に密着した不動産会社なら、山林を売買した経験がある可能性が高い
といえるでしょう。

地元の不動産会社に心当たりがないなあ……。

不動産売却のプロ
そんな時は不動産一括査定サイトを利用するのがおすすめです。

不動産一括査定サイトとは
売却したい不動産の情報を一度入力するだけで複数の不動産会社から見積もりをもらうことができるサービスのことです。


不動産一括査定サイトを利用すれば好条件で物件を仲介してくれる不動産会社を少ない手間で探すことができます

山林をスムーズに売却できる不動産一括査定サイトは後ほど詳しくご紹介します。

方法2 民間のサイトを利用

山林の売買に特化したインターネットのサービスを利用するという方法もあります。

以下は現在売りに出されている山林の情報が集まる民間のサイトです。


売却したい山林の情報を登録しておけば、購入希望者と出会える可能性が高まります

【山林の売買に特化した民間のサイト】

「山いちば」は京都の材木会社が運営する山林売買の情報サイト、「山林バンク」は山林売買の専門家による山林売買に関する総合情報サイトです。

山林バンクは林業の専門家に丁寧にアドバイスをもらいたいという方におすすめです。

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これらの民間のサイトへの登録は、不動産一括査定サイトへの申し込みと同時に行うと良いでしょう。

方法3 森林組合に相談


森林組合とは山林の所有者が集まって組織した、森林の経営や保全にかかわる事業を共同で行うことを目的とする協同組合のこと
です。

各都道府県に「森林組合連合会」が設けられており、「全国森林組合連合会」の公式サイトで地元の森林組合を検索できます。

メモ
東京と大阪には森林組合が1つだけあり、連合会はありません。

森林組合のなかには山林の売買をあっせんしたり、売却の相談を受け付けていたりするところもあります。

山林を買いたい人の情報も集まってくる場であるため、相談して損はない
でしょう。

2.山林をスムーズに売却できる不動産一括査定サイト3選

山林を売るときに利用するのは、不動産一括査定サイトならなんでもいいのかな?

いいえ、そうではありません。

すべての不動産会社が山林の売買を行っているわけではありません。

不動産一括査定サイトを選ぶ際は、山林の売却に強い不動産会社が参加しているサイトを利用
する必要があります。

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不動産の査定を依頼するなら不動産一括査定サイトが便利です。こちらで詳しく比較しています。
厳選23サイト!不動産一括査定サイト比較ランキングとおすすめポイント

ここからは、山林を売却する際におすすめの不動産一括査定サイトをご紹介します。

【山林をスムーズに売却できるおすすめ不動産一括査定サイト3選】

おすすめ1 イエウール:地方の物件を売りたい方におすすめ

メリット
全国1,900社以上の不動産会社が参加
地方の物件も査定依頼が出せる可能性が高い
デメリット
大手3社には査定依頼できない
こんな人におすすめ!
地方の不動産を売却したい方
参加不動産
会社数
1,900社以上
同時査定依頼可能数 最大6社
査定可能不動産 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、区分マンション(収益)、一棟ビル、区分所有ビル(一室)、店舗・工場・倉庫、農地、その他
代表的な参加不動産会社 三井住友トラスト不動産、みずほ不動産販売、住友林業ホームサービス、近鉄不動産、CENTURY21など


イエウール
は全国から1,900社を超える不動産会社が参加している不動産一括査定サイトです。

大手の不動産会社だけではなく、地元の情報に精通した中小規模の不動産会社も数多く参加しています。

山林を売却する際は、都心の大手不動産会社よりも地域密着型の不動産会社の方が経験があり何かと役に立つ場合もあります。


「参加している不動産会社が多いなら、悪質な業者もいるんじゃないの?」

このような心配をされる方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、イエウールではクレームの多い業者の契約を解除し、優良な不動産会社のみを集めています

なお最大6社まで同時に査定を依頼できますよ。

おすすめ2 リビンマッチ:地域密着型の不動産会社も多数参加

リビンマッチ
メリット
参加している不動産会社が多い
売却査定以外のサービスも充実
デメリット
大手3社には依頼できない
こんな人におすすめ!
投資物件の売却や賃貸を検討している方
参加不動産
会社数
約2,600事業所
同時査定依頼可能数 最大6社
査定可能不動産 分譲マンション、一戸建て、土地、一棟アパート・一棟マンション、投資マンション(1R・1K)、一棟ビル、区分所有ビル(ビル一室)、店舗・工場・倉庫、農地、その他
代表的な参加不動産会社 大成有楽不動産販売、オークラヤ住宅、大京穴吹不動産、住友林業ホームサービス、近鉄不動産など

リビンマッチ1,700社を超える不動産会社が参加している不動産一括査定サイトです。

最大で6社の不動産会社に同時に査定を申し込みできます。

都市部の大手不動産会社と地元密着型のどちらからもバランスよく見積もりをもらうことができますよ。

申し込みにかかる時間はたったの45秒です。

リビンマッチは仲介してくれる不動産会社を急いで見つけたい方におすすめですよ。

おすすめ3 イエイ:サポート体制も万全で安心

イエイ
メリット
大手不動産から地元密着型の中小不動産まで幅広く参加している
デメリット
大手6社には査定の依頼ができない
こんな人におすすめ!
不動産売却に伴うトラブルを避けたい方
参加不動産
会社数
1,700社以上
同時査定依頼可能数 最大6社
査定可能不動産 分譲マンション、一戸建て、土地、ビル一室、マンション一棟、アパート一棟、ビル一棟、工場・倉庫、その他、店舗・事務所、農地・畑・田んぼ、山林
代表的な参加不動産会社 HOUSE DO、CENTURY21、ピタットハウス、大京穴吹不動産、西鉄の仲介など

イエイは山林の売買に対応している不動産一括査定サイトの一つです。

地元で有力な不動産会社を含め、全国から1,700社の不動産会社が参加しています。

同時に査定できるのは最大6社までです。

「しつこい営業をかけられて断りづらくなったらどうしよう……。」

このように心配している方もいらっしゃるかもしれませんね。

イエイの「お断り代行サービス」を利用すれば、運営側から不動産会社への連絡を代行してもらえますよ。

3.山林を売却する流れ

山林を売却するにはまず何をしたらいいんだろう?

山林の売却に至るには、以下の七つのステップを踏む必要があります。

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それぞれの段階について詳しく解説します。

STEP1 売却したい山林の情報を収集

まずは売却予定の山林の情報を収集します。

集める必要のある主な情報は以下の通りです。

【必要な山林の情報】
  • ・山林の所有者
  • ・山林の所在地
  • ・面積
  • ・隣地との境界
  • ・樹木の種類

このなかで最も重要性が高い情報は「山林の所有者」です。

山林の所有者が複数人の共有名義である場合、売却の前に全員の同意が必要です。

また、隣地との境界を確定させるかどうかも重要なポイントです。

不動産売却のプロ

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共有名義である場合の売却についてはこちらもぜひお読みください。
共有名義の不動産の売却、共有持分のみを売却することもできる?

STEP2 必要書類をそろえる

不動産会社に相談する前に、売却の際に必要になる書類をそろえておきましょう

必要になる5種類の書類と、その取得方法は以下の通りです。

書類名 取得方法
固定資産税の課税明細書 四半期に一度通知書が送られてくる
森林簿、森林計画図 各自治体のサイトから確認
地盤図 地質調査総合センターなどで確認
登記事項証明書 登記所の窓口、またはオンラインで入手可能
公図、地積測量図 登記所の窓口、またはオンラインで入手可能

「固定資産税の課税明細書」は査定の際に必要です。

固定資産税を算出する際の元となる「課税標準」が3年ごとに改正されるため、明細書は最新のものを用意しましょう。

「森林簿」には山林の状態が詳しく記載されており、山林の所有者・面積・樹木の種類・林齢・保安林の種類などが分かります。

「地盤図」は土質試験結果やボーリング柱状図などの地盤情報を明らかにしたもので、売却の際に提出を求められます。

「登記事項証明書」には土地の地番(土地を特定するために付けられた番号)や地積(土地の面積)、地目(土地の用途)などが記載されており、登記所の窓口もしくはオンラインで請求できます。

オンライン請求を利用すると登記所の窓口で請求する場合よりも手数料が安くなるなどのメリットがあります。

詳しくは法務局のサイトをご覧ください。

「公図」は山林の形状などが分かる書類で、登記所の窓口またはオンラインで取得可能です。

なお公図の請求の際には地番の記入が必要です。

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これらの書類を準備することが難しい場合は、早めに不動産会社に相談してくださいね。

STEP3 不動産会社に査定してもらう

「2.山林をスムーズに売却できる不動産一括査定サイト3選」でご紹介した不動産一括査定サイトを利用して、山林の売買の経験が豊富な不動産会社を見つけましょう

査定には書類のみで行う方法と、実際に現地を訪れて行う方法の二通りあります。

最初はそろえた書類をもとに査定をしてもらい、希望する条件に近い不動産会社を2、3社選んで現地を見て査定してもらいましょう。

STEP4 不動産会社と媒介契約を結ぶ

査定をしてもらった不動産会社のなかから、最も条件の良い1社と媒介契約を結びます

媒介契約とは
不動産の売買を行う際、不動産会社に売買の仲介をしてもらうために結ぶ契約のことです。

3種類の媒介契約とその特徴を以下の表にまとめました。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼主への進捗(しんちょく)報告 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
複数社との同時契約 できる できない できない
レインズへの登録義務 なし あり あり
自己発見取引 できる できる できない
契約期間 なし 3カ月以内 3カ月以内

このなかで山林を売却する際におすすめなのは専任媒介契約か専属専任媒介契約です。

この二つの契約は不動産会社から依頼主への売却活動の報告義務があります。

また、不動産会社のみが利用できる「レインズ」という不動産情報サイトへ物件を掲載する義務もあるため、買い手が見つかる可能性が高まります。

注意
「一般媒介契約」は不動産会社の売却活動に頼らずとも物件が持つ力だけで売却に至ることができるような場合に適した契約方法であり、山林の売却には向きません。
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レインズについてはこちらで詳しく解説しています。
レインズの不動産検索方法とできること
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媒介契約の違いについてはこちらもご参照ください。
不動産売却時の媒介契約とは?専属専任・専任・一般媒介契約の違い

STEP5 売り方を決める

山林を「丸ごと売る」か「立ち木のみを売る」かを決めます

立ち木のみを売る場合、売り手の側で材木に加工して売らなければなりません。

立ち木を木材にして売却するには以下の条件を満たす必要があります。

【立木のみを売却するために売り手が有しているべき条件】
  • ・生えている樹木が木材として価値のあるものである
  • ・伐採した樹木を加工場まで運ぶための手段や道路を確保している
  • ・木材に加工する手段を持っている

樹木を木材にして売る方法は林業を営む方以外にとっては現実的ではありません

一般的には山を丸ごと売る方法を選択することになります。

STEP6 購入希望者と売買契約、引き渡し

購入希望者が現れたら山林の状態を説明し、価格や代金の支払い方法、所有権の移転日などを話し合って決めます。

山林の説明や価格の交渉を一人でできるか不安……。

不動産売却のプロ
説明や交渉は不動産会社の担当者が代行してくれるので、心配ありませんよ。

双方が納得する条件が整えば、売買契約を締結します。

引き渡しを行う日には契約書に定めた通りに代金の決済を行い、所有権移転登記を行います。

STEP7 山林を売却した翌年に確定申告

山林の引き渡しを行っても、売却が完了したわけではありません。

山林を売却して利益を得た場合、引き渡しの翌年の2月中旬から3月中旬までに確定申告を行いましょう。

山林を売却する際に発生する税金については、「4-2.山林を売却するときに発生する税金」で詳しく解説します。

4.山林の売却にかかる費用は?

残念ながら、山林の売却価格がそのまま所有者の利益になるわけではありません

山林を売却する際には「山林を売却するためにかかる費用」と「山林を売却するときに発生する税金」の大きく分けて2種類の出費があります。

この章では山林を売るときにかかる費用や税金を見ていきます。

4-1.山林を売却するためにかかる費用

売買契約が成約したら、仲介してくれた不動産会社に「仲介手数料」を支払います。

宅地の仲介手数料とは異なり、山林の仲介には手数料の上限がないという点に注意が必要です。

メモ
宅地の仲介手数料の上限は宅建業法第46条によって定められています。また、宅地の取引は宅地建物取引業の免許を持っている人にしか認められていませんが、山林の売買は免許を持っていなくてもできるという違いもあります。

なかには相場を大幅に上回る仲介手数料を請求してくる悪質な業者も存在します。

手数料の相場はどのくらいなの?

不動産売却のプロ
宅地の仲介手数料にならうのが一般的です。

【宅地の仲介手数料の上限額一覧】
売買価格 仲介手数料の上限
200万円以下の部分 取引額の5%+消費税
200万円超400万円以下の部分 取引額の4%+2万円+消費税
400万円超の部分 取引額の3%+6万円+消費税

高額な手数料を取ろうとする不動産会社には仲介を依頼しないようにしましょう。

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4-2.山林を売却するときに発生する税金

山林を売却するときに発生する税金には、確定申告の前に納めるものと確定申告で納めるものがあります。

4-2-1.確定申告前に納める税金

確定申告の前に納める税金は以下の二種類です。

【確定申告の前に納める税金】
  • ・印紙税
  • ・登録免許税(通常は買い主負担)

印紙税の金額は契約金額によって異なり、山林の売買契約書に印紙を貼って納税します。

印紙税の金額は以下の表の通りです。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 1万円 5,000円
1千万円を超え5,000万円以下のもの 2万円 1万円
5,000万円を超え1億円以下のもの 6万円 3万円
1億円を超え5億円以下のもの 10万円 6万円
5億円を超え10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

令和4年3月31日までに作成される印紙税には軽減税率が適用されます。

なお登録免許税とは山林の所有権移転登記にかかる手数料であり、通常は買い主が負担するため売り主が支払う必要はありません

4-2-2.確定申告時に納める税金

次に確定申告で納める税金を確認しましょう。

山林を売却して生じる所得の種類は売却方法や、所有期間などさまざまな条件によって異なります。

【山林を売却して生じる所得の種類】
所得の種類 売却方法 特徴
山林所得 木材だけ売却 所有期間が5年を超える場合
事業所得 木材だけ売却 所有期間が5年以下かつ事業的規模である場合
雑所得 木材だけ売却 所有期間が5年以下かつ事業的規模ではない場合
譲渡所得 山ごと売却した場合 ・土地部分のみ対象
・所有期間によって税率が異なる

山を丸ごと売却する場合、木材は「山林所得」、土地の部分は「譲渡所得」として課税されます。

ただし、木材を売却して得た利益が山林所得として課税されるのは、山林を取得してから5年以上経過している場合です。

山林を手に入れてから5年以内に売却した場合は「事業所得」もしくは「雑所得」となります。

また売却した山林が事業的規模と認められる場合は事業所得、そうではない場合は雑所得に分類されます。

メモ
事業的規模かどうかを判断する基準の一つに「50ヘクタール以上の山林を保有しているか否か 」があります。

なお山林の土地部分は、所有期間によって税率が異なります。

【譲渡所得の税率】
区分 所有期間 所得税 住民税 合計
長期譲渡所得 5年超 15.315% 5% 20.315%
短期譲渡所得 5年以下 30.63% 9% 39.63%
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売却にかかる税金についてはこちらもご参照ください。
譲渡所得税(不動産譲渡税)の税率

5.山林の売却に関してよくある疑問を解決

ここまで山林を売却する流れ、売却するときにかかる費用などを解説してきました。

まだ山林の売却について分からないことがある……

という方もいらっしゃるかもしれませんね。

最後に山林の売却に関してよくある三つの疑問を解決します。

【山林の売却に関してよくある疑問】

疑問1 山林の売却は難しいって本当?

残念ながら山林が一般の宅地よりも売れにくいのは事実です。

山林の売却が難しい理由はいくつかあります。

理由の一つ目は、「不便な場所にあり、用途が限定される」点です。

交通の便が良い都心の土地に比べれば需要が限られてしまうのは当然ですよね。

二つ目は「価値が読めない」点です。

山林の価値は生えている樹木の種類や樹齢によって大きく異なります。

例え木材として価値のある種類であっても、樹齢によっては価値を失ってしまうこともあるのです。

山林の購入は、買い手にとってメリットが少ないんですね……。

不動産売却のプロ
しかし、近年では新たな山林の需要が生まれていますよ。

昨今都会の喧騒(けんそう)を離れた田舎暮らしに憧れる方やキャンプ好きの方が増えていますから、売却活動を賢く行えば買い手になってくれる可能性があります。

また、高齢者向け施設やリゾート、別荘地の開発をしている事業者や投資家、地元で林業を営む方からも需要があります。

疑問2 山林売却の価格の相場は?

山林の価値を売却前に知ることは非常に困難です。

しかし、不動産会社に相談する前にある程度のイメージを持っておきたいという方もいらっしゃいますよね。

山林の相場は山林の種類によって大きく異なります。

ここでは山林の種類による相場価格をご紹介しますので、参考にしてください。

山林の種類はその特徴によって四つに分類されます。

【山林の種類による相場価格】
山林の種類 特徴 1㎡あたりの相場価格
都市隣接林地 市街地の郊外にある林地 1,000~5,000円
農村林地 農村部の林地。いわゆる里山 300円
林業本場林地 林業を営むために管理されている林地 100円
山村奥地林地 管理されておらず、林道もない林地 100円

山林の1㎡あたりの相場価格は、宅地に転用できる可能性がある都市隣接林地や農村林地の場合は比較的は高く、宅地として利用するのが難しい林業本場林地や山村奥地林地の場合は低くなります。

売却予定の山林がどれに当てはまるか、どれだけの面積があるかをもとにおおよその売却価格を算出することができますよ。

疑問3 境界確定をするべき?

一般的な宅地の取引では隣地との境界を明らかにし、土地の面積を実際に測量してから売買を行います。

しかし、山林の売買は測量や境界の確定を行わず、登記簿に記された面積に基づいて行うのが一般的です。

メモ
実際に測量をした面積に基づいて売買を行うことを「実測売買」、登記簿の記録を基準に売買を行うことを「公簿売買」といいます。

ほとんどの場合において山林は公簿面積よりも実測面積の方が大きく、なかには実測面積が公簿面積の3~5倍の大きさになるものもあります。

じゃあ、境界を確定させて実際に測量した方が良いんじゃないの?

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境界確定にかかる労力と測量にかかる費用を考えると、公簿売買がおすすめです。

山林は宅地と異なり面積が広大のため、隣り合う土地の所有者との書類の取り交わしを何度も行う必要があり、測量にも多額の費用がかかります。

そのうえ土地単価が低いため、実測をするメリットは少ないといわざるを得ません。

なお公簿売買を行う際は、土地の面積測量し直した場合に公簿に記載されている面積と異なっていたとしても売買代金の変更を行わない旨の特約を入れておくと安心です。

6.まとめ

山林を売却方法には、主に以下の三つがあります。

  • 方法1 地域の不動産会社に仲介を依頼
  • 方法2 民間のサイトを利用
  • 方法3 森林組合に相談

これらの方法のなかからどれか一つを選ぶというよりも、三つの方法を並行して進めるのがおすすめです。

地元の不動産会社に心当たりがない場合は、地方の地域密着型の中小規模の不動産会社が多数参加している不動産一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

山林の売却には、以下の一括査定サイトがおすすめですよ。

【山林を売却する際におすすめの不動産一括査定サイト】

まずはこれらの不動産一括査定サイトを利用して、山林の売買に強い不動産会社を探してみましょう

不動産売却のプロ
山林の売却は宅地の売却と比べれば簡単ではありませんが、これらの方法を実践すればきっと買い手が見つかるでしょう。

株式会社チェスター
株式会社チェスター税理士法人チェスターグループの不動産会社です。年間100億円以上の売却案件を取り扱っています。グループには税理士法人の他、司法書士事務所もあり、各分野の専門家と連携してスムーズに不動産売却・購入を進められます。特に相続不動産の売却や、相続対策の不動産購入に多くの実績があります。
取締役阿部 雅行
取締役阿部 雅行
宅地建物取引士二級建築士。戸建て分譲住宅の企画、不動産仲介業務、相続不動産の売買に関する業務などを経験した後、2015年に株式会社チェスターの取締役に就任。
株式会社チェスター取締役の阿部雅行