不動産売却が難しい「旗竿地」ってどんな土地? 売却する方法や注意点とは?

旗竿地という土地の形状をご存知ですか?敷延や路地状敷地という呼ばれ方をすることもあります。
比較的、都市部に多い形状の土地となりますが、旗竿地は売却がしづらいという話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
今回は、旗竿地とはどのような土地で、なぜ売却がしづらいのか、売却の方法や注意点などをご紹介したいと思います。

この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
公認会計士・税理士・行政書士。相続税対策に強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。株式会社チェスターでは、年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている。 TV/雑誌など各種メディアからの取材歴多数。また、土地や相続についての書籍も多数出版している。
株式会社チェスターは、総勢200名以上の税理士法人グループの不動産会社です

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1.旗竿地はどんな土地?

旗竿地とは、旗のような形をした土地のことを言います。下図のような形をした土地が旗竿地です。

旗竿地とは

1-1.旗竿地にはルールがある

建築基準法には接道義務があり、原則、4m以上の道路に対して、接道(道路に接する部分)が2m以下の場合、建物を建てることが出来ないという決まりがあります。そのため、建物を建てることが出来る旗竿地は、接道の幅、つまり竿部分の敷地幅が2m以上必要です。

建築基準法の接道義務

実は、以前は1.8m以上あれば建物を建てることが出来たのですが、建築基準法の改正によって2mに変更されました。そのため、改正前に旗竿地に建物を建てていた場合、再建築不可に該当する可能性があります。

1-2.旗竿地はなぜ出来る?

広く大きな土地はそのままでは売却しづらいため、土地の分筆をして売却するという方法が取られます。
この際、先ほど述べたように、道路に接する部分を2m以上確保する必要があるため、すべてを道路に面するように作ると、間口が狭く縦に長い土地になってしまいます。

間口が狭い土地として分筆を行うパターン

上記のように分筆すると、土地の形状的にも購入者が自由に設計することが難しくなります。すべて同じような作りになってしまいますね。
そこで、道路から奥の土地の敷地を延長し、奥2つを旗竿地、その手前に整形地を2つ作るという方法で分筆し、
売却しやすくしたことにより、奥の敷地は旗竿地になったという訳です。

旗竿地を作って分筆を行うパターン

2.旗竿地が売却しづらい理由

旗竿地はその形状から、近隣住宅との距離が近いなどの理由により風通しや日当たりがあまり良くない傾向にあります。また、電気や水道なども整形地よりも引き込みの距離が長くなるため、引き込み費用が高くなるなど整形地に建物を建てるよりも費用負担が大きくなるというデメリットがあります。

旗竿地への電気・水道の引き込み

また、購入者側にとっては大きなメリットとなる代わりに、売主側にはデメリットとなる点が価格です。
土地の売却価格は整形地と比較すると大幅に低くなってしまいます(相場の2~3割は低くなると言われています)。旗竿地は購入後のデメリットが多いため、売りづらいとされていますが、デメリットを払拭することが出来れば購入者にとっては掘り出し物のような存在であるとも言えます。

旗竿地のデメリット

このようなデメリットを払拭することができれば、購入者にとっては比較的低い価格で購入できるので、その分内装などにお金をかけることが出来るというメリットがあります。不動産購入を検討されている方の中には、あえて旗竿地を狙うという方もいるため、絶対に売れないということはありません。

3.旗竿地の売却方法

旗竿地は絶対に売却できないということではありません。整形地と比較すると売却しづらい可能性はありますが、上記で説明したように、デメリットを払拭することが出来れば、購入者にとっては思わぬ掘り出し物に化ける可能性は十分に考えられます。
それでは、具体的に旗竿地をなるべくスムーズに売却するための方法をいくつかご紹介しましょう。

3-1.まずはお隣に聞いてみる!

旗竿地の近隣の方に、土地の購入を検討していないかどうかを確認してみてはどうでしょうか?
「隣の土地は借金してでも買え」という言葉があるように、隣接する土地を購入することで、土地の価値を高めることも可能となり、活用方法の幅も広がるなどのメリットがあります。
旗竿地の売却を検討している場合には、まずは隣接する近隣の方に声をかけてみましょう。
また、隣の整形地を売却するタイミングで不動産会社に一緒に買い取ってもらうという方法もひとつです。

3-2.価格が抑えられるという特徴を活かして売却活動する

整形地と比較すると価格が低くなってしまう旗竿地だからこそ、その部分をうまくアピールし、更地や中古物件として売却活動を行います。
土地は安く購入して、建物にお金をかけたいという購入希望者の方や旗竿地が欲しいという方もいらっしゃるため、旗竿地だからとあきらめる必要はありません。

3-3.旗竿地売却が得意な不動産会社を選ぶ

過去に旗竿地の売却の実績がある不動産会社を選ぶようにしましょう。旗竿地の売却に慣れている不動産会社であれば、デメリット部分を購入者のメリットになるように上手に説明してくれます。
このサイトでも再三、記載していますが、不動産会社に査定を依頼する場合には、必ず複数社に査定を依頼し、きちんと比較検討してから不動産会社を決めるようにしてくださいね。

4.旗竿地売却の注意点

旗竿地は売却できないという訳ではありませんが、売却を行う際に注意すべき点もいくつかあります。

4-1.再建築不可物件ではないか?

まず、再建築不可物件という言葉の意味からご説明します。
再建築不可物件とは、読んで字のごとく、現在建築されている建物を取り壊したら、再度建物を建築することが出来ませんという土地です。
下記のいずれかに該当する場合、再建築不可物件になります。

再建築不可となる物件の種類

旗竿地の場合、最初にご説明したように道路に接する部分は2m以上ないと建物を建築することが出来ないルールになっています。
建築基準法の改正前は1.8m以上だったため、その当時の旗竿地の場合は、2mに満たない部分があるために「再建築不可物件」に該当する可能性があります。

※自治体によっては、接道義務を満たしていない場合でも再建築が出来るケースもあります。更地にして売却を検討している場合には、接道部分の幅の確認も含め、自治体への確認も行っておきましょう。

-道路だと思っていたら、道路ではないこともある?!-

接道義務の対象となる「道路」は、建築基準法によって定められた道路です。道路には「道路法による道路」と「建築基準法による道路」があります。

道路法の道路と建築基準法の道路

売却を検討している旗竿地の接道がどのような道路かの確認は、各自治体の窓口に問い合わせてみてください。

4-2.切り売りすることができない

旗竿地をさらに分筆して売却することは出来ない可能性が高いです。
再三、ご説明しているように、建物の建築には「接道義務」があり、隣接する道幅は2m以上となります。
旗竿地の分筆を行うと、この接道義務を満たすことが難しくなります。
その結果、分筆をしても再建築不可物件となり、結果的に売却が難しくなってしまいます。

5.売却できない旗竿地の活用方法

売却が出来ない(難しい)旗竿地のほとんどが、再建築不可物件に該当するケースです。再建築不可物件の活用方法をいくつかご紹介します。

5-1.建物をリフォームし賃貸として貸し出す

再建築不可であってもリフォームを行うことは可能です。建物がまだまだ利用できる状態であれば、すこしリフォームをして戸建て賃貸として貸し出すという方法が最も効果的です。
戸建て賃貸の場合、借主はファミリー層など、長期間の居住を想定されている方が多いため、安定した家賃収入が見込めるというメリットもあります。

5-2.駐車場等、建築物が不要な状態で活用する

更地にして活用する場合には、駐車場や菜園、コンテナを設置してトランクルームなどにするという方法があります。ただし、駐車場の場合には、間口が3m以上はないと出し入れが非常に難しくなり、トラブルに発展する可能性もあるため、注意が必要です。
また、どれもすべて貸しスペースとなるため、防犯面などの点で、近隣の方のご理解を得ることも必要になるかと思います。

5-3.お隣と相談して等価交換を行う

旗竿地の再建築不可物件は、接道義務が関係していることがほとんどです。そのため、接道義務を満たすために、お隣の方に相談し、等価交換をお願いしてみるという方法もあります。等価交換は土地と土地を交換する物々交換です。

旗竿地の等価交換

上記のように土地の交換を行い、接道部分を2m以上に広げ、再建築が出来る状態にします。
等価交換の場合、同一種類の資産で、資産価値も同じ場合には譲渡所得税の課税対象にならないため、余計な税負担をせずに土地の利用方法を広げることが出来ます。

6.まとめ

都市部の住宅地では旗竿地は珍しい土地ではありません。旗竿地は一見、デメリットが多く売却が難しいように感じますが、価格を抑えて不動産を購入したいと考えている方にとっては掘り出し物のような物件になることもあります。しかし、建築基準法の改正前に分筆が行われている場合、接道義務を満たしておらず、再建築不可物件に該当してしまうケースがあります。そのようなケースでは、価格を下げても新たな建物の建築が出来ないため、売却以外の活用方法も検討しておきましょう。まずは、旗竿地などの実績をしっかりと持った不動産会社に相談しながら進めていくようにしましょう。

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