地方不動産の相続登記|田舎の実家を相続したら?
相続は資産を保有している方が亡くなり、その方の資産をご家族など相続人となる方が引き継ぐことを言います。
不動産を相続した場合、相続登記による所有権の変更など、手続きが必要となります。
しかし、相続によって取得する不動産が相続人の居住地から近い場合ばかりではありません。
例えば、地方にある実家を相続することになったり、被相続人が所有していた地方にある別荘を相続するなど遠方の不動産を相続するということも十分に考えられます。
そこで、今回は地方不動産を相続した際の相続登記や不動産の活用方法などをご紹介したいと思います。
福留 正明
1分で無料査定を依頼できます
目次
1.地方不動産の相続登記
相続登記とは相続によって取得した不動産の所有権を、被相続人から相続人に変更する名義変更のことを言います。
1-1.相続登記の基本
相続登記は単独名義か共有名義かによって登記の内容が少し異なります。
単独名義は、遺言もしくは遺産分割協議によって特定の相続人が不動産を相続する場合です。単独名義の場合には、登記内容は被相続人から当該不動産を相続する相続人に名義変更を行います。一方、共有名義の場合には相続人全員が共有で不動産を取得したという形になりますので、登記内容も被相続人から相続人全員に名義変更を行います。共有名義の場合には、当該不動産の持分はそれぞれの相続人の法定相続分通りとなることが一般的です。遺産分割が揉めていてなかなかまとまらないというケースでは、とりあえず共有名義にして相続の手続きを進めるというケースもありますが、不動産の共有名義は後々、面倒なことになりやすいためお勧めはできません。特に、売却を検討しているという場合には共有名義は避けるようにしましょう。
1-2.相続登記の方法
相続登記は取得する不動産のある場所の住所地を管轄する法務局にて行います。この際に必要となる書類は以下の通りです。
遺産分割協議によって相続登記を行う場合には、遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書が必要となります。
遺言によって相続登記を行う場合には遺言書の写しが必要です。
登記申請書は、法務局の窓口でもらうことが出来ます。また、インターネットでダウンロードすることも可能です。
相続登記には、登録免許税がかかります。相続登記の登録免許税は固定資産税評価額×0.4%で算出することが出来ます。また、登記簿謄本や戸籍謄本類の取得にも費用がかかります。
1-3.地方不動産の相続登記
相続登記は不動産のある場所の住所地を管轄する法務局にて行うとご説明しましたが、地方にある不動産の場合、その場所の法務局まで出向かなければ手続きが出来ないのでしょうか?
相続登記の方法は、窓口での申請以外にも「郵送で申請」「オンラインで申請」の2つの方法があります。
つまり、法務局に出向かなくても申請を行うことができるのです。ただし注意点がいくつかありますので確認しておきましょう。
(1)郵送で申請する際の注意点
必要書類をすべて準備し、準備した書類一式を書留郵便で管轄法務局に郵送します。この際の注意点は以下の通りです。
また、登記完了書類を郵送で受け取るという場合には、返信用封筒と返信用切手を同封し、登記申請書類に以下の表記を行っておきましょう。
(2)オンラインで申請する際の注意点
オンライン申請は申請から完了書類取得までをオンラインで行うことが出来ます。オンラインを活用すると一度も法務局に行くことなく相続登記の手続きを完了することが出来ます。
オンライン申請の注意点は以下の通りです。
ご自身で手続きを行うことが難しいという場合には、司法書士に依頼することをお勧めします。最近の司法書士事務所はオンライン申請を扱っているところが多いため、ご自宅から近い司法書士事務所に依頼すればすべての手続きを行ってもらえます。司法書士に依頼した場合、平均で5万円~7万円程度の費用がかかります。
司法書士に依頼する場合には、相続登記の経験がしっかりとあり、地方案件の取り扱いも行っている事務所に依頼しましょう。報酬体系もしっかりと確認してくださいね。
2.地方不動産の活用方法
相続によって地方の不動産を取得した場合、ご自身でその不動産を利用する予定であれば問題ありませんが、利用する予定がない場合、どうするかも考えなければなりません。
近年、空き家が深刻な問題となっており、活用しない不動産を空き家として放置しておくと様々なトラブルが発生したり、場合によっては特定空家等に該当することになり固定資産税が6倍になることも考えられます。
そうなる前に有効活用しておくほうが良いでしょう。
2-1.相続した不動産を売却する
相続した不動産を売却するという方法は、地方だけでなく多くの方が行う方法のひとつです。
ご自身で利用する予定がない場合には売却してしまったほうが良いケースも多いです。
不動産を売却すると、譲渡所得など税金が課税されるということを理解したうえで売却を行いましょう。
地方の不動産の場合、現地まで出向いて不動産会社を探すということを手間と感じてしまうこともあるかと思いますが、可能であれば現地の不動産会社をいくつか回って信頼できる不動産会社にお願いするようにしましょう。
どうしても現地に行くことが難しい場合には、地方の不動産売却に力を入れている不動産会社を探しましょう。
2-2.賃貸として人に貸す
売却にせよ賃貸にせよ立地などの条件はありますが、最近はリフォームによる古民家再生などもブームとなっています。地方だから借り手はいないと決めつけず、地元の不動産会社などに相談してみるという方法もひとつです。また、管理委託など居住用以外の用途で借り手を探すことも可能です。
売却は考えていないという場合には、賃貸として人に貸すことも検討してみましょう。
まとめ
地方にある不動産を取得した場合、その後の活用方法もしっかりと考慮しておく必要があります。
売却を行うにせよ、賃貸として貸し出すにせよ、相続登記は必ず行いましょう。
- 【査定する物件】の情報を入力してください
-