不動産買取とは?メリットや実際の流れ、仲介との違いを徹底解説!
「不動産を売却したいんだけど、業者に直接買い取ってもらう不動産買取って実際どういう流れで進んでいくのかな?」
「不動産売却には買取の他に仲介という方法もあるらしいけど、買取とは何が違うんだろう?」
所有する不動産を売却する方法として、不動産買取という選択肢を検討している方もいらっしゃるでしょう。
不動産買取は不動産を売却する際に直接業者に買い取ってもらう方法です。
不動産買取にはすぐに売却できるというメリットがある一方、売却金額は相場よりも低くなりやすいというデメリットがあります。
そこでこの記事では不動産買取の特徴や実際の流れについて説明した上で、不動産売却のもう一つの方法である仲介との違いについても詳しく解説します。
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1.不動産買取とは
不動産買取とは不動産会社に直接不動産を買い取ってもらう方法です。
また、不動産買取には「即時買取」と「買取保証」の二つの種類があります。
それぞれ特徴が異なりますので、特徴をしっかり把握しましょう。
1-1.業者に直接買い取ってもらう方法
物件を不動産会社に直接買い取ってもらう方法を不動産買取といいます。
売り主と不動産会社の間で交渉が成立すれば不動産を最短数日から1週間程度で買い取ってもらえるため、仲介よりも短い期間で売却できます。
ただし買取の場合、売却価格は仲介よりも安くなる傾向があります。
そのため早く売るより高く売りたいという方に買取はおすすめできません。
なお、買取のメリットについては2章、価格や注意点などについては3章で詳しく解説しています。
1-2.不動産買取には即時買取と買取保証がある
不動産買取には「即時買取」と「買取保証」の2種類があります。
即時買取は売り主が不動産会社に直接買取を依頼する方法です。
一方で買取保証は仲介のように不動産会社と「媒介契約」を結び、売却活動をした後で売れ残った場合に買取が保証される方法です。
即時買取と買取保証の違いを以下の表にまとめました。
即時買取 | 買取保証 | |
---|---|---|
売却価格 | 相場の6~7割 | 買い主が見つかった場合、相場に合った価格で売れる可能性がある |
期間 | 最短数日 | 事前に設定した期間 (3カ月が一般的) |
仲介手数料 | なし | 売却した場合のみ |
即時買取はすぐに売却できる点、買取保証は高額で売れる可能性がある点がメリットといえるでしょう。
1-2-1.即時買取
即時買取とは、不動産会社との価格交渉が終わり次第すぐに買い取ってもらう方法です。
買い主を探す期間がなくなるため、買取を依頼してから物件の引き渡しまでの手続きがスムーズです。
ちなみに、買取でも不動産の査定は行われますが、訪問査定1回で済む場合がほとんどです。
また仲介ではないため、買い主に対して内見対応をする必要もありません。
このように、売却までの手間が少ないという点も即時買取のメリットといえるでしょう。
ただし、売却価格は仲介の6~7割程度になることが多いため注意が必要です。
即時買取は、とにかく早く不動産を売却したいという人に向いているでしょう。
1-2-2.買取保証
買取保証とは一定期間仲介と同じように販売活動を行い、買い主が見つからなかった場合に不動産会社に物件を買い取ってもらう方法です。
売却価格が相場よりも安くなりやすい即時買取とは異なり、買取保証を依頼して第三者への売却が成功した場合には相場に近い高値が付く可能性があります。
さらに期間内に買い主が見つからなかったとしても不動産会社による買取が保証されているため、指定した期限内に物件を必ず売却できます。
ただし即時買取よりも現金化に時間がかかる点や、第三者への売却が成功した場合には仲介手数料がかかるという点に注意が必要です。
買取保証を依頼する場合、売り主は不動産会社と「専属専任媒介契約」を結ぶのが一般的です。
専属専任媒介契約の契約期間は通常3カ月となっているため、買取保証の売却活動期間も3カ月とするのが一般的です。
つまり買取保証の場合は売却までに3カ月程度かかる可能性があるのです。
なお期間内に買い主が見つからず、買取となった場合には仲介手数料は発生しません。
買取保証はなるべく高額で売却したいけれど、売却活動をする期間に期限を設けたいという人に向いているでしょう。
2.不動産買取の3つのメリット
このように感じた方もいらっしゃるでしょう。
不動産売却のもう一つの方法である仲介に比べ、不動産買取には以下のようなメリットがあります。
- (1)現金化が早い
- (2)仲介手数料がかからない
- (3)契約不適合責任に問われることがない
メリット1 現金化が早い
買取の最大のメリットは現金化が早いという点です。
不動産会社と買い主の間で売買契約が成立すれば、最短数日で不動産を売却できます。
また確実に不動産を売却できるため、売却後の資金計画やスケジュールを立てやすくなります。
なお買取では不動産会社と売り主の間で手続きを進めるため、契約成立から引き渡しまでの期間も短く済みます。
メリット2 仲介手数料がかからない
不動産買取では仲介手数料がかからないのもメリットの一つです。
仲介で不動産を売却する場合、依頼を受けた不動産会社は売り主に代わって買い主を探します。
買い主が見つかり売買契約が締結されると、売却の成功報酬として売り主は不動産会社に仲介手数料を支払います。
しかし買取の場合は、不動産会社が直接物件を買い取るため仲介手数料が発生しません。
メリット3 契約不適合責任に問われることがない
不動産を買取で売却した場合、「契約不適合責任」が免除されます。
仲介では不動産の状態を売却前に買い主に説明する義務があるため、売却後に「瑕疵(かし)」が見つかった場合には売り主が責任を負わなければなりません。
例えば、瑕疵があった部分の修復費用を負担したり、不動産の購入代金を減額請求されたりするケースがあります。
しかし、買取の場合は契約不適合責任が免除されます。
不動産会社は物件を買い取る前に物件の状態を念入りに調査します。
調査をしている際に瑕疵が発見された場合には、それを考慮した金額が買取価格として提示されます。
そのため、不動産を手放した後に不具合が発生したとしても、瑕疵を見落とした不動産会社側に責任があると見なされるので、売り主側は契約不適合責任に問われることがないのです。
3.不動産買取の3つの注意点
確かに不動産買取のメリットだけでは買取を選んで良いか分かりませんよね。
どのような点に注意すべきか分からないので不安になる方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの章では、不動産買取の注意点について以下の三つを紹介します。
注意点1 売却価格は仲介の6~7割程度
不動産買取は物件の売却価格が相場よりも安くなる傾向があります。
不動産の状態や立地、築年数などによって不動産の売却価格は異なりますが、不動産買取の場合には仲介の6~7割程度になると考えておくと良いでしょう。
仲介の場合、不動産会社は仲介手数料から利益を得ます。
仲介手数料は売却価格に応じて変動するため、より高く購入してくれる買い主を見つけた方が不動産会社の得られる利益も大きくなります。
その結果、仲介で売却すると高く売れる可能性が高くなるのです。
しかし買取の場合、不動産会社は買い取った物件を再度売却することで利益を得ます。
不動産会社は利益をより多く得るために物件を安く買い取ります。
そのため、不動産買取の売却価格は仲介よりも安くなってしまうのです。
注意点2 需要がある物件は損をしてしまう
所有している不動産の状態や立地などの条件が良い場合は、買取で売却すると損をしてしまう可能性があります。
需要の高い物件は買い手が見つかりやすいため、仲介であれば好条件で売却できる可能性が高くなります。
しかし、本来ならば高額で売却できる物件でも、買取だと安くなるため損をしてしまいます。
また、需要がある物件であれば売り出してから早い段階で飼い主が見つかる可能性もあります。
そのため、需要が高そうな物件は、買取よりも仲介で売った方が大きな利益を得られる可能性が高いのです。
- ・都市部へのアクセスが良い
- ・利用者が多い路線が近くにある
- ・駅から近い
- ・住環境が良い
- ・生活利便施設(公共施設・教育施設など)が充実している
- ・大規模分譲地内にある物件である
- ・大手ハウスメーカーが手掛けた物件である
- ・一般的な間取りである
- ・築年数が浅い(10年以下)
- ・物件の管理状態が良い
- ・共有施設が充実している(マンションの場合)
実際の不動産の相場を知るには査定を受ける必要がありますが、上記のような売れやすい特徴に当てはまる物件ならば仲介で売却するのがおすすめです。
一方で特殊な間取りの物件や買い手がつきにくい立地にある物件などの場合は、買取を検討しても良いでしょう。
注意点3 買い取ってもらえない可能性がある
不動産買取は、不動産であればなんでも買い取ってもらえるわけではありません。
不動産会社は買い取った物件を再度売却して高値で売って利益を得るため、明らかな経年劣化が見られる、需要の低い地域にあるなどの買い手がつきにくい物件は買い取ってもらえないこともあります。
また仲介を専門としている不動産会社は、そもそも買取を受け付けていない場合もあります。
4.買取と仲介の違いを比較!どちらを選ぶべき?
ベストな不動産売却の方法は、ご自身の状況や所有している不動産によって異なります。
この章では買取と仲介の違いや、買取と仲介の選び方を解説します。
4-1.買取と仲介の違い
まずは仲介と買取の特徴を比べてみましょう。
買取 | 仲介 | |
---|---|---|
買い主 | 不動産会社 | 主に個人 |
売却期間 | 最短数日~1週間程度 | 3~6カ月程度 |
売却価格 | 仲介の6~7割 | 相場に合った価格 |
仲介手数料 | なし | あり |
注目すべきは「売却期間」と「売却価格」で、買取は売却期間が短く、仲介は売却価格が高い傾向があるのが分かります。
買取は不動産会社と売買契約を結んだ直後に物件を引き渡します。
一方で仲介は、不動産会社と媒介契約を結んだ後、不動産会社が買い主を探すために売却活動を行い、見つかった買い主と売買契約を結んでから物件の引き渡しに移ります。
売却活動を行うことで、高値で購入してくれる買い主が見つかる可能性が高くなります。
しかし売却活動がスムースに進まなければ、買い主が見つかるまで時間がかかってしまう恐れもあります。
また買い主が見つかった際には内見や価格交渉などをするため、売り主側の手間も増えます。
そのため、時間的な余裕がないと仲介で売るのは難しいといえるでしょう。
4-2.買取は早さ、仲介は価格を重視する人におすすめ
早く確実に売却したい方には買取が、できるだけ高い価格で売却したい方には仲介がおすすめです。
買取 | 仲介 | |
---|---|---|
メリット | ・現金化が早い ・仲介手数料がかからない ・契約不適合責任に問われることがない |
・売却価格が高い ・需要がある物件はより高い価格で売却できる可能性がある |
デメリット | ・売却価格は仲介の6~7割程度 ・需要がある物件は損をしてしまう ・買い取ってもらえない可能性がある |
・売却までの期間が長い ・内見や価格交渉の手間がかかる ・契約不適合責任に問われる可能性がある |
買取の場合は、買い主が不動産会社なので現金化までの期間が短く、売却後のトラブルも少ないため、不動産を早く手放したいという方に向いています。
一方で仲介は、より好条件で取り引きできる買い主を探すことができるため、できるだけ高い価格で売却したい方に向いています。
買取に向いている人 | 仲介に向いている人 |
---|---|
・早く売却したい人 ・手間をかけずに売却したい人 ・仲介で売れないような物件を売りたい人 |
・できるだけ高い価格で売却したい人 ・時間的な余裕がある人 ・需要が高い物件を売りたい人 |
上の表を参考に自身が重視しているポイントを再確認し、より適切な売却方法を選びましょう。
5.時間に余裕がある場合は仲介の査定を依頼してみよう
複数の不動産会社に査定を依頼し、結果を比較することで相場を把握できたり、信頼できる不動産会社を見つけたりすることができます。
しかし、不動産会社一つ一つに物件情報を入力していく作業はかなり手間ですよね。
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この章ではおすすめの不動産一括査定サイトを5社紹介します。
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6.まとめ
不動産買取は仲介と比べて売却にかかる手順や日数が少なく、現金化が早いことが魅力です。
ただし、売却価格は仲介で売った場合の6~7割程度になってしまうことが一般的だといわれています。
そのため不動産を早く手放したい場合は買取を、できるだけ高く売りたい場合は仲介を選ぶと良いでしょう。
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