「住宅ローンが払えない…」どうしても返済が苦しいときの対処法とは
「住宅ローンの返済がだんだん苦しくなってきた……今月も払えるか分からない……」
「住宅ローンを払えなくなったらどうなってしまうんだろう……?」
家計に余裕がなくなってきて、住宅ローンの返済に不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
景気の影響を受けて毎月の給料が下がってしまったり、子どもが生まれて出費が増えたりといった理由で、住宅ローンの返済に悩みを抱えている方は少なくありません。
返済できなくなったら家を出て行かなければならないのかなど、考え始めると心配になってしまいますよね。
しかし、実は住宅ローンの返済を滞納しても即座にマイホームが差し押さえられるわけではないのです。
この記事では、住宅ローンを滞納したら何が起こるのかという具体的な流れや、返済が苦しいときの対処法をわかりやすくご説明していきます。
目次
1.住宅ローンが払えなくなったらどうなるの?
住宅ローンが払えなくなったら、家を差し押さえられてしまうのが何より恐ろしい事態ではないでしょうか。
しかし実際は、住宅ローンを一回払えなかったからといってすぐに差し押さえをされるわけではありません。
ただし、住宅ローンを払えなかったことによるリスクが存在していることは事実です。
1-1.滞納しても即座に差し押さえにならない
「住宅ローンの支払いって、一回でも滞納したら家を差し押さえられるちゃうのかな……」
経済的に余裕がない状況では、このような不安を感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、実際は住宅ローンが滞ったからといってすぐにマイホームが取り上げられることはありません。
そうはいっても、滞納を続ければもちろんマイホームに住み続けることはできなくなってしまいます。
万が一住宅ローンが支払えないことが続いた場合、以下のような流れで手続きが進んでいきます。
- (1)住宅ローンの支払いが約3ヵ月程度滞る
- (2)金融機関から督促状・催告書が届く
- (3)さらに滞納が続くと、金融機関が保証会社へローン残債を一括請求
- (4)保証会社はローン契約者に一括支払い請求
2.滞納を続けるとこんな事態に……
住宅ローンは返済が苦しくなった時点で金融機関に相談するなどの手を打つことが重要ですが、もし滞納を続けるとどうなってしまうのでしょうか?
こちらでは、住宅ローンの返済を滞らせた結果起こりうる事態についてご説明していきます。
2-1.家を手放すことになる
一度や二度支払いが延滞してしまった程度で家を差し押さえられることはありませんが、住宅ローンの滞納を続けていると、マイホームを手放さなければならない可能性も出てきます。
そもそも、住宅ローンは購入する住宅を担保としてお金を借りる仕組みとなっています。
したがって、返済が滞れば担保である家を売却し、その代金を残債の返済に充てざるを得ない状況になるのです。
6ヶ月程度の滞納を続けると保証会社からローン残額の一括支払いを要求され、断れば家が強制的に競売にかけられてしまう事態も起こり得ます。
強制的な措置である競売になると、マイホームが「競売物件」として周知されてしまう上、売却価格が相場よりも低くなるといわれています。
そのため、売却価格ではローンを完済できず、家を売った後も返済を続けなければならない可能性もあるのです。
一方、任意売却はローン契約者が自らの意思のもと売却をする方法です。
競売に比較すると売却価格が比較的高くなる可能性もあり、周囲に知られることもありません。
したがって、ローンの返済が厳しく売却せざるを得ない状況になったら、なるべく任意売却を選ぶことをおすすめします。
2-2.自己破産のリスクも
住宅ローンの返済を滞納してしまった場合のリスクは、マイホームに住めなくなることだけではありません。
ローンを返済できず競売などで家を売却した場合でも、売却金でローンを支払いきれなければ残債を払い続ける必要があります。
お金の工面の方法としては、親や友人を頼る、カードローンを利用するなどさまざまなものが考えられますが、どうしても払えなくなってしまった場合は自己破産をするという選択肢もあるでしょう。
しかし、自己破産をすると信用情報機関に記録されたり、ほとんどの財産を処分しなければならなくなったりと、今後の人生に大きな影響を及ぼします。
したがって、自己破産は最後の手段と考えておくようにしてください。
3.住宅ローンの返済が苦しいときの対処法
「返済が苦しくなったら具体的にはどうすればいいの?」
というのがもっとも気になるポイントでしょう。
ここからは、住宅ローンの返済に困ってしまったときの3つの対処法をご紹介していきます。
2-1.金融機関に返済条件変更の相談をする
住宅ローンの返済が苦しいときは、まず最初にローンを借り入れた金融機関に相談をしましょう。
金融機関としても、物件を差し押さえて競売にかけるよりローンを払い続けてもらった方がお得なため、返済条件の変更に応じてくれる可能性があります。
返済条件をどのように緩和できるかは金融機関や契約者の状況などによって異なりますが、例えば以下のような点について相談してみると良いかもしれません。
- (1)返済期間を延期して月々の返済額を下げる
- (2)一定期間だけ月々の返済額を減額する
- (3)ボーナス払いの条件を緩和する
「滞納してしまった手前、相談するのも申し訳ない……」
と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、正直に返済状況を伝えれば金融機関が条件を緩めてくれるケースも多いです。
相談をする方法は窓口へ直接出向く、電話から相談をする、ホームページ上から連絡を取るといった手段があります。
返済条件の変更に関しては審査が必要になる可能性もあるため、必ず希望通りの条件にできるとも限らないので、注意しておきましょう。
2-2.リースバックを利用する
「この先どう転んでもローンを完済するのは難しそうだけれど、この家に住み続けたい」
という方もいらっしゃるでしょう。
そういった場合は、マイホームを不動産会社などに売却した上でそのまま住み続けることができる「リースバック」を利用することもできます。
リースバックは周りの人に売却したことを悟られず今の家に住み続けることができるのが大きなメリットといえるでしょう。
しかし、住宅ローンの返済がなくなる代わりに月々家賃を支払う必要があることは認識しておかなければなりません。
2-3.個人再生を検討する
ローン返済はかなり厳しい状況だけれど、今の家にどうしても住み続けたいという場合は個人再生の住所ローン特則という制度を利用して住宅ローンを減額できる可能性もあります。
個人再生を利用すると、信用情報機関に事故情報として記録されてしまいます。
また、個人再生は法的な手続きのため、官報に掲載され周知されるというリスクもあるのです。
個人再生をする前に、本当に他の手段がないのか今一度検討してみましょう。
4.返済が苦しくなったらなるべく早めの行動を!
住宅ローンの返済について不安や悩みを抱えている方は多くいらっしゃるでしょう。
返済が苦しくなったら、なるべく早くローンを借りている金融機関に出向いて直接相談するようにしましょう。
ここまで見てきたように、滞納をずるずると続けてしまうと信用情報に傷がつき今後の生活に支障が出るほか、せっかく購入したマイホームを手放す事態にもなりかねません。
「銀行に相談するのはなんだか気が引けるな……」
と感じる方もいるでしょう。
しかし、「滞納した」という事実は信用情報などの記録に残ってしまいますが、金融機関に相談して返済条件を緩和できれば無理なくローンを完済できるかもしれません。
5.まとめ
住宅ローンの返済が苦しくて悩んでいる方は、決して少なくありません。
ローンを契約したときと経済状況が変わったり、想定外の事態になったりして、返済を続けることが難しくなってしまうのは致し方ないことです。
どうしても返済ができない状況になってしまった場合でも焦る必要はありません。
金融機関に相談するなどして、どうやって返済を続けていくか対策を考えましょう。
無理をせず、自分なりの返済計画を立てられるよう、早めに行動をすることが重要ですね。