不動産の売却で売主が亡くなってしまったら?相続登記が必要?

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不動産の売却を行うと、不動産の所有権は売主から買主へ移ることになります。
しかし、もし、所有権を移転する前に売主が亡くなってしまった場合、そのまま買主へ所有権を移転することが出来るのでしょうか?
不動産を相続した場合に行う相続登記は必要ないのでしょうか?
今回は、不動産の売却で売主が亡くなってしまった場合の登記手続きについてご紹介します。

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この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
公認会計士・税理士・行政書士。相続税対策に強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。株式会社チェスターでは、年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている。 TV/雑誌など各種メディアからの取材歴多数。また、土地や相続についての書籍も多数出版している。
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1.売主が亡くなってしまった場合、売買契約は有効か

不動産の売買で売買契約締結後に売主が亡くなってしまった場合、亡くなった方と交わした契約はそのまま有効となるのでしょうか?
売買契約が締結している場合、仮に売主の方が亡くなってしまったとしても、その契約は有効となります。
売買契約が締結したことにより、売主と買主の双方に履行義務が生じます。
売買契約締結後の双方の履行義務は、売主は不動産の引き渡し、買主は代金の支払いとなります。
もし、売主が亡くなってしまった場合には、売主の相続人の方がこの履行義務を果たす必要があります。

2.売主が亡くなってしまった場合の登記申請

不動産には所有権があり所有権を移転するためには登記手続きが必要となります。
売買契約後に売主が亡くなってしまった場合、当該不動産の所有権が誰にあるのかがポイントとなります。
民法では売買について下記のように定めています。

【引用:民法第555条】(売買) 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がごれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

つまり、売買契約を締結した時点で、売主から買主へ所有権が移転することになります。
しかし、実際には売買契約締結後に想定される様々なリスクを考えると、売買契約締結時に所有権を移転することは難しいという事になるため、不動産の売買契約では「所有権移転時期特約」という特約を盛り込むことが一般的です。
この特約を盛り込むことで、売買契約締結後に所有権の移転を行うのではなく、売買代金の支払い後に所有権が売主から買主へ移転することになります。
したがって、売主の死亡が「売買代金支払い前」なのか「売買代金支払い後」なのかによって所有権移転の登記手続きに違いが生じます。

法律上の考え方と実務上の考え方

2-1.売買代金支払い前に売主が死亡した場合(所有権は売主)

売買代金支払い前に売主が死亡した場合(所有権は売主)

売買契約締結後、売買代金の支払い前に売主が死亡した場合、所有権は売主のままとなります。
不動産の所有者が亡くなった売主ということは、その不動産は相続財産となります。
さらに、売買契約は売主が亡くなっていても有効ですから、相続人の方は売買契約の履行義務も引き継ぐ必要があります。
従って、まず、不動産の名義を亡くなった売主から相続人へ変更するための相続登記が必要となります。
相続登記後に売買代金の支払いを受け、買主への所有移転登記を行うという流れとなります。

2-2.売買代金支払い後に売主が亡くなってしまった場合

売買代金支払い後に売主が亡くなってしまった場合

売買代金の支払い後に売主が亡くなってしまった場合、売買代金の支払いによって売却不動産の所有権は買主に移転しています。
そのため、所有権移転登記の手続きを行う義務が売主側に発生します。
したがって、この場合には、相続人の方が所有移転登記の手続きを行うことになります。

2-3.履行義務は分けることが出来ないため注意が必要

売主が亡くなってしまった場合、亡くなった売主に代わって相続人が不動産の引き渡しを行うことになります。
その際に相続登記や所有移転登記を行う必要があるわけですが、売買契約に伴う履行義務は遺産分割などによって特定の相続人のみが引き継ぐことが出来ません。
従って、相続人が複数いる場合には、相続人全員(相続放棄をした方は除く)で手続きを行う必要があります。

3.相続人が売買を知らずに相続登記してしまったら?

売買代金の支払い後に売主が亡くなってしまった場合には、相続登記を行う必要はありませんが、売買があったことを知らずに相続人の方が相続登記をしてしまった場合、本来は相続登記を抹消する必要があります。
しかし、このようなケースでは、相続登記の抹消は行わずに買主へ所有移転登記をすることが可能です。

4.売買契約後に買主側が亡くなった場合は?

ここまでは売主が亡くなった場合についてご紹介しましたが、買主が亡くなった場合にはどうなるのでしょうか?

4-1.所有移転登記は亡くなった買主名義にする必要がある

登記は、不動産の権利の推移を記録して行くものとなります。
売買契約が締結し、売主から買主へ所有移転登記を行う際には、一度、亡くなった買主名義に変更する必要があります。
亡くなった買主名義への登記変更は相続人の中のどなたかお一人が行う事が可能です。

4-2.代金の支払いには注意が必要

売買代金の支払い前に買主が亡くなってしまった場合、買主の相続人が代金の支払いを代わりに行うことになります。
亡くなった買主の方の買主としての地位は相続人の中のどなたかお一人が相続することが可能ですが、売主と同様に「履行義務」は遺産分割等によって分けることが出来ません。
したがって、買主の履行義務である「売買代金の支払い」は相続人の法定相続分で引き継ぐ必要があります。
もし、買主としての地位を相続する相続人が代金の支払いを行いたいという場合には、売主側と協議が必要となります。

4-3.住宅ローンは再審査となる

買主が住宅ローンを利用して当該不動産の購入を進めていた場合、買主が亡くなってしまうと住宅ローンの審査はやり直しとなります。
金融機関からの融資は、お金を借りる方の信用情報が重要となります。
買主の地位を引き継いだ相続人の方の信用情報の状況によっては住宅ローンを利用することが出来ない可能性も考えられます。

まとめ

不動産売却で売主が亡くなってしまった場合、売買契約が締結している状態であれば、売主と買主の双方に契約を履行する義務が生じます。
そのため、売主の死亡によって売買契約が無効になるといことはありません。
しかし、売買代金の支払い前か支払い後かによって所有権を変更するための登記手続きに違いが生じます。
どちらにせよ、亡くなってしまった売主の方に代わって相続人の方が手続き等を進めていく必要があります。
特に、相続登記が必要となるケースでは、売買代金の決済日までに様々な手続きを済ませなければならない可能性があります。