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個人が事業用資産を持つことがあります。
土地建物です。それを譲渡して、さらに一定の期間内に特定の地域内の資産を取得した場合、取得の日から1年以内にその資産を事業用に使った場合は譲渡益の一部に対する課税を将来に繰り延べることができます。
ただしこれは非課税になるわけではありません。
事業用資産の買換えの特例といいます。
売った金額より買い換えた金額のほうが多い場合、売った金額に20%をかけた額を収入額として譲渡所得の計算を行います。
仮に売った金額より買い換えた金額のほうが少ない場合は、その差額と買い換えた金額に20%をかけた合計額を使って譲渡所得の計算を行います。
どちらにせよ譲渡所得が非課税になるわけではなく、将来に繰り延べることが可能になるのです。
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特例を受けるためには要件があります
特例を受けるためには、以下の要件に当てはまることが必要です。
・買換えのための売る資産と、買う資産はどちらも事業用に限られます。
・東京都の23区、大阪市などの市街地のなかにある事業所や事務所であり、譲渡する年の1月1日において所有が10年を超えるものを譲渡すること。
そして市街地外にある事業の土地や建物を取得する場合。
譲渡の日の属する1月1日において所有が10年を超える国内の事業用の土地や建物、それを譲渡して国内にある事業用の土地や建物を取得する場合。
・買換え資産が土地であるとき、土地の面積が譲渡した土地の面積が5倍以内であること。
5倍を超えると超える部分は特例の対象とはなりません。
・資産を譲渡した年、前年、あるいは譲渡した年の翌年中に買換え資産を取得する必要があります。
・買換え資産を取得した日から1年以内に事業用に使うこと。取得してから1年以内に事業に使用しなくなった場合は特例は受けられませんのでご注意を。
・他の特例、たとえば長期譲渡所得の課税や優良賃貸住宅の割増償却等の特例を適用することはできません。
・土地の譲渡所得については譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超えることが大切です。
・譲渡資産の譲渡が収用、贈与、交換、出資などの代物弁済としての譲渡ではないことが大切です。
確定申告が必要です
特例を受けるためには確定申告が必要となります。
譲渡所得の内訳書、登記事項証明書など資産の取得を証明する書類、特例地域内に存在することを証明する市区町村長の証明書などが必要です。
これらの書類をそろえて確定申告の時期に税務署にいって申告します。
わからないことは税務署職員に質問するといいでしょう。
東日本大震災の税制上の措置
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの被災区域内の土地建物構築物を譲渡して、国内の土地などに買い換えた場合、譲渡所得の課税の特例があります。
特例を適用しないほうが有利なケースもあります
買換え資産がどのようなものかによって税金に差がでます。
この特例はあくまで課税の繰り延べですので、買換え資産を売却するまで課税が猶予されるだけで、非課税になるわけではありません。
取得費が不明の場合は譲渡収入の5%として計算をしますが、買換え資産が建物で減価償却資産の場合には減価償却費が少なくなり、毎年の所得税の負担が大きくなります。
取得費も下がっていきますから買換え資産を譲渡する場合の取得費がさらに下がります。耐用年数の短い木造建物では、所得税と住民税の合計税率が高く、税額との比較を行うと特例を適用しない場合の税負担の差額が繰り延べた税額を超えてしまいます。
目先の納税が少なくとも、特例を適用しないほうが有利になるのです。
長期譲渡所得の税率は20%ですので、毎年の所得に課税されるので、減価償却資産を買換え資産とすることについてしっかりと検討しましょう。
⇒不動産売却に関わる税金の計算方法
⇒譲渡所得税(不動産譲渡税)の税率
その他の特例について以下の記事で詳しく解説しています。
⇒不動産売却で課税される税金を節税したい。|不動産売却で適用できる特例
⇒自宅売却による譲渡所得が3,000万円控除される「マイホームを売ったときの特例」とは
⇒自宅の売却|売却の流れと覚えておきたい5つの特例
⇒居住用財産の譲渡損失の特例について
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