農地を売却する2つの方法と、農地売買の税金について

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農地の売買は通常の宅地と比較すると難しい傾向にあります。
昭和40年代には73%だった食料自給率(カロリーベース)は、近年40%程度まで下がっています。
国土が小さい日本では、農地が減ることは自給率の低下に大きく影響し、輸入などに頼らなければ食料が手に入らない状況を招きます。

このように、農地は国の自給率を支える重要な役割を担っているため、宅地のように簡単に売買することが難しいと言われています。
とは言え、農業をするつもりはない、後を継ぐ人がいないなどで農地を手放すことを検討されている方もいらっしゃると思います。
そこで、今回は、農地の売買について売却の方法や価格相場、農地にかかる税金、納税猶予など農地売買にまつわるさまざまなことを紹介したいと思います。

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不動産仲介とは?契約の種類や売却までの流れ、成功のコツを徹底解説
この記事の監修税理士
監修税理士の税理士法人チェスター代表 福留正明
税理士法人チェスター代表
福留 正明
公認会計士・税理士・行政書士。相続税対策に強みを持つ税理士法人チェスターの代表社員。株式会社チェスターでは、年間100億円以上の売却案件を豊富に取り扱っている。 TV/雑誌など各種メディアからの取材歴多数。また、土地や相続についての書籍も多数出版している。
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1.農地の売買について

農地を売却する方法には、農地を農地のまま売却する方法と、農地を他の地目に転用してから売却するという2つの方法があります。
どちらの方法で売買を行うにせよ、農地の売買には農業委員会の許可が必要です。
農業委員会とは、市町村ごとに設置されている農地に関する事務を行う行政委員会です。
農地がない市町村には農業委員会は設置されていません。

1-1.農地の価格相場

全国農業会議所が発表している「平成30年田畑売買価格等に関する調査結果(要旨)」を見ると、純農業地域、都市的農業地域の農地の価格は以下のようになっています。

この数字は年々減少しており、前年と比較すると、純農業地域で田1.4%、畑1.2%、都市的農業地域で田・畑ともに1.4%下落しています。農地の価格が低下している要因には、後継者不足や、買手の減少、農産物の価格の低迷などが挙げられます。

-純農業地域と都市的農業地域-
純農業地域は、都市計画法による線引きのない市町村内の農地のことを言います。
都市的農業地域は、市街化調整区域内にある農地のことを言います。
また、農用地区域とは農業を行うことを目的とした区域のことを言い、この区域内にある農地は原則として農地以外の目的で利用することが難しくなっています。

2.農地を農地のまま売却する

農地のまま売却する場合、売却する相手は「農家」または「農業生産法人」に限定されます。
また、農家や農業生産法人ならば誰でも良いという訳ではありません。以下の要件を全て満たしている農家に限られています。

農地を売却できる相手は非常に限定されているため、なかなか購入希望者が見つからないということも考えられます。
農地を農地のまま売却する場合には、売却までに時間がかかることを理解しておく必要があります。

2-1.農地のまま売却する際の流れ

農地の売却は農業委員会の許可が必要となり、買手と売買契約を締結する際には許可が得られることを条件に加える注意が必要です。
農業委員会の申請から許可までは長いケースでは1カ月程度の時間がかかることもあります。
売買契約を締結したら早めに農業委員会に申請しましょう。

許可が下りるまでの間に所有権の仮登記の手続きを済ませておきます。
農業委員会と仮登記の申請の順番は前後しても問題ありません。

-農業委員会への許可申請に必要な書類-
農業委員会への許可申請には以下の書類が必要です。
仲介を依頼した不動産会社に手続きを代行してもらう場合には委任状が必要です。

・登記簿謄本
・土地の位置図
・住民票
・農家証明書

※土地の位置図は、都市計画図や農業振興地域区域図などを用いて売却する土地を示します。
都市計画図や農業振興地域区域図は市区町村の役所で購入することが可能です。

※売却先が法人の場合・・・・売却先が法人の場合は、法人の定款が必要です。
また、農業生産法人への売却には、株主や組合員の名簿も必要です。

3.農地を他の地目に転用してから売却する

農地を他の目的の土地に変更することを転用と言います。
農地を売却する場合、農地を転用することで売却対象が広がり、売却しやすくなります。
しかし、すべての農地が転用できるという訳ではありません。
農地を転用するためには「立地基準」と「一般基準」を満たしている必要があります。

3-1.農地転用の立地基準

農地は5つの立地に分類されています。

上記のように、転用の可能性が高い農地は第2種農地、第3種農地に該当する農地です。
ただし、甲種農地と第1種農地に該当する場合でも、下記の目的に該当する場合には、例外として転用が認められるケースがあります。

3-2.農地転用の一般基準

農地転用の一般基準は、農地の転用目的がきちんとしているかどうかの判断です。
「売却しやすい方が良いからとりあえず転用したい」という理由では、農地転用は認められません。
上記に記載したように、申請目的をきちんと遂行するための資力や信用、農地の権利関係者の同意などをきちんと満たしている必要があります。

3-3.農地を転用してから売却する際の流れ

売却のための主な流れは、農地のまま売却する場合と大きな違いはありません。
ただし転用許可の申請は農地の状況によって異なります。
また、農地転用の場合には許可が下りるまでに1カ月半~2カ月程度の期間がかかります。

-2種類の農地転用許可申請―
農地転用許可申請には2つの種類があります。
転用後の土地を所有者が使用する場合には農地法第4条の規定による許可申請、転用後の土地を所有者以外が使用する場合は農地法第5条の規定による許可申請が必要です。

-農地転用許可申請の必要書類-
・登記簿謄本
・土地の位置図
・土地改良意見書
・住民票
・残高証明書(金融機関)及び融資証明書

※残高証明書及び融資証明書は、転用資金の確認のために必要です。
また、転用後の農地の用途によっては必要書類が追加されます。(建物を建築する場合は建物図面など。)

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農地転用についてはこちらもご参照ください。
市街化調整区域内の農地転用について
農地以外の目的で農地を使いたい! 農地転用の方法と注意点

生産緑地についてはこちらもご参照ください。
2022年に何が起こる? 生産緑地と2022年問題

4.農地売却に伴う税金について

農地を売却することで得た所得には、譲渡所得税と住民税が課税されます。

譲渡所得税と住民税は、農地の所有期間によって税率が異なります。

また、2013年より復興特別所得税が徴収されています。(2037年までの予定)復興特別所得課税該当期間は、上記の譲渡所得税に2.1%上乗せした税額を納める必要があります。

5.納税猶予を受けている農地の売却

農地は面積が広いため、課税される相続税や贈与税の金額は高くなる傾向にあります。
相続税や贈与税の納税資金確保のために、農地を売却することになってしまうと、農業を引き継げなくなります。

そこで、相続や贈与によって農地を取得した場合、一定の要件を満たすことで、相続税や贈与税の納税猶予の特例を受けることができます。納税猶予の特例に関しての詳細は下記に詳しく記載していますので、ご確認ください。
「農地の納税猶予の特例を税理士が徹底解説」

納税猶予は、農業を続けている間は適用を受けられますが、農業を辞めた場合は納税猶予が取り消しとなり、猶予を受けていた相続税や贈与税と利子税を合わせて納める必要があります。

譲渡や貸付、転用、耕作放棄した農地の面積が全体の20%を超える場合には、猶予されていた相続税もしくは贈与税の全額、20%以下の場合には、猶予されていた相続税もしくは贈与税の一部を納める必要があります。

まとめ

農地は私たちの食に繋がる重要な資源であることから、簡単に売却できません。
農地のまま売却する場合には、農家や農業生産法人以外に売却できないというルールがあり、他の土地に転用するためには、転用後の目的を明確にする必要があります。
所有している農地を売却する場合、売却方法を検討してから売却をスタートしましょう。

また、相続によって農地を取得した場合、農業を継続することで相続税の納税猶予の適用を受けられます。
納税猶予による相続税額などを考慮し、農業を続けるか売却するか比較検討することが必要になります。

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