【保存版】家賃滞納者のいる物件の売り方!入居者へのアプローチ方法

賃貸物件の売却で、頭を悩ませるのが家賃滞納者の問題です。
家賃を払ってくれない住人がいると、それだけで買い手が付きにくく、売却は思うように進みません。

家賃収入が途絶えるうえ、売却の査定価格も安くなり良いことはありません。
そのような状態を避けるために、家賃滞納者へは、一週間でも入金が遅れたら直ぐに催促をしましょう。

また、相手が支払いに応じない場合は契約解除、それでも出て行かない場合には、明け渡し請求訴訟といった方法で問題を解決し、不動産を相場価格で売却できるよう手続きを進めましょう。

本記事では、家賃滞納者のいる不動産トラブルの解決方法と売却の方法、強制退去をする上で「注意したい点」を3つご紹介します。

1.家賃滞納者のいる不動産のデメリット

家賃滞納者がいる不動産には、次のようなデメリットがあります。

【家賃滞納者のいる不動産のデメリット】①予定していた収益が確保できない。②買い手が付きにくい。③強制退去に時間とお金が掛かる。

①〜③の内容について、詳しくみていきましょう。

1-1.デメリット① 予定していた家賃収益が確保できない

家賃滞納のトラブルは、大家さんの誰しもが直面する深刻な問題です。

2018年に公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が実施した市場データ(日管協短観)「第20回 賃貸住宅市場景況感調査」の全国平均では、賃貸物件に住む人のうち約3.1%は「1カ月の家賃滞納」、約1.3%は「2カ月以上家賃を滞納」していることが分かっています。

滞納率推移(%)
参考資料:第20回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』 2018年4月~2018年9月

家賃を滞納する住人が一人でもいると「予定していた家賃収益」が入ってきません。また家賃滞納者が一人ではなく二人、三人…と増えると、家賃収入は減っていく一方です。

家賃収入が入ってこない状況でも、管理費や固定資産税、都市計画税を支払う必要があります。このほか、家賃滞納者や連帯保証人の督促にかかる費用(切手代、電話代)など、収入がないのに「お金ばかり出ていく…」といった弊害があります。

1-2.デメリット② 買い手が付きにくい

家賃滞納者のいる物件は、買う側は「リスクがある物件」と判断するため、相場よりも買いたたかれる原因となります。

また、家賃滞納者によって収入がないお部屋は、銀行の評価は空室扱いとなるため物件の担保評価が下がり、融資上限金額が下がってしまうこともあります。

これらの結果、売却先がセミプロや不動産業者に限定され、価格を下げる必要がでてきます。

大切な資産の価値が損なわれないよう、家賃滞納の問題は売却までに解決したいですね!

1-3.デメリット③ 強制退去に時間とお金が掛かる

家賃滞納者に家賃を督促しても、相手に払う意思がない又は払える状況ではないと問題は長期化します。また、こちらから「出て行って欲しい」と退去交渉をしても相手が居座った場合、強制退去までに約半年ほどの時間が掛かってしまいます。

このほか、明け渡し請求訴訟を行った場合には訴訟費用が必要です。そして強制執行時に荷物が残っている場合には搬送費用や処分費用も別途必要になるなど、時間とお金がかかってしまいます。

1-4.一番怖いのは、家賃滞納者の再生・破産手続き

家賃滞納者の行動で、最も怖いのは相手が再生手続き・破産手続きを行った場合です。

再生手続き・破産手続きとは?
ここでの再生手続きとは、任意整理や個人再生のことで、借金を減額し返済を目指す方法です。破産とは、自己破産のことを意味し、自己破産では原則として借金の支払い義務が免除されます。

家賃滞納者が再生手続きや破産手続きを行うと、最悪の場合「家賃が回収できない」可能性があります。

2.【大家さん必見!】家賃滞納者に支払い請求する方法

「家賃滞納者に支払い請求する流れ」をまとめてみました。STEP4へ進むにつれて、滞納している金額が大きくなるので、督促の内容も少しずつ「プレッシャー」を与える内容へと変化します。

【家賃滞納者に支払い請求する流れ】STEP1:家賃滞納者へ督促を行う。STEP2:連帯保証人に連絡を行う。STEP3:催告書を作成し内容証明郵便で送付する。STEP4:賃貸借契約を解除する。

2−1. STEP1:家賃滞納者に支払いの督促をする

家賃の支払いが一週間〜10日程遅れている家賃滞納者に督促状を作成し家賃滞納者に送ります。また電話を掛けて、支払いの状況や意思について確認をします。

【督促状の見本①】
賃料についてのご連絡

【督促状の見本②】※文面のみ
賃料支払い請求書0

ここまでの通知を行っても、支払いの意思が見られない場合は、連帯保証人に連絡を取る流れとなります。

2−2. STEP2:連帯保証人に連絡を行う

家賃滞納者と連帯保証人にそれぞれ、以下のような文面で督促状を送ります。

【督促状の見本③】家賃滞納者へ ※文面のみ
賃料支払い請求書

連帯保証人へは下記文面で通知します。

【督促状の見本④】家賃滞納者の連帯保証人へ ※文面のみ
賃料支払い請求書

次のSTEP3で催告を行う前に、家賃滞納者と交渉をしましょう。
交渉では具体的に、滞納している家賃の減額、退去日の調整について話し合いをします。

交渉を成立させるポイントとしては、相手が弁償しやすい金額に減額をするなど、相手に寄り添った条件を出すことです。退去日も含めて、話し合いがまとまったら「公正証書」にして残しておきましょう。

公正証書とは?
公正証書は、公証人役場の公証人が法令に従い、法律行為や私権について事実を記し作成する書類のこと。法的に証拠力を持つことから、未払いなどの契約不履行について強制執行も可能です。

交渉をしても、相手との話し合いが決裂した場合や支払いに応じない場合は、STEP3の「催告書を作成」に進んでください。

2−3. STEP3:催告書を作成、内容証明郵便で送付する

催告書とは、債務弁済を促す通知のことです。STEP2で督促書を送っても、家賃滞納者から支払いが無い場合には消滅時効が迫ってくるため、「早く支払ってください」という文面で催告書を作成し家賃滞納者に催促を行います。

作成した催告書は、内容証明郵便で送付しましょう。内容証明郵便で送付をすれば、裁判所への証拠となるからです。

内容証明郵便とは?
内容証明郵便は、郵便物の内容を日本郵便が謄本(とうほん=原本の内容を全文または、一部複写した文章のこと)によって証明する制度で、日付や差出人、文章の内容、宛先などを国が証明したことで公文書の扱いとなり、裁判での証拠として提出できます。

内容証明郵便の出し方、書き方については「日本郵便」のホームページで詳しく紹介していますので、ご参照ください。

内容証明(日本郵便)

2−4. STEP4:賃貸借契約を解除する

未払いの場合には、賃貸借契約を解除します。なお賃貸借契約を解除する場合にも、通知書を作成してください。

賃貸借契約解除の通知書

法的拘束力のある書類については、素人が作成を行うと重要なポイントが抜ける可能性や、言い回しに不備があり後から不利に働く可能性もありますので、弁護士に依頼し作成してもらうのが確実です。

3. 明け渡し請求訴訟を起こす

契約解除の通知を行った後でも、無断で相手の部屋に入ることや家財を運び出すことは違法行為にあたります。滞納者に対して、引き続き滞納している賃料の支払い請求とともに「明け渡し請求訴訟」を提起しましょう。

『明け渡し請求訴訟から、強制執行までの流れ』を簡単にまとめてみました。

明け渡し請求訴訟から強制執行までの流れ

明け渡し請求訴訟の提起から、強制執行断行までの期間ですが、判決通達までに約3カ月の時間が必要です。その後、判決の通達、一カ月程度の猶予期間を経て強制執行断行となるので「半年程度の時間」を見る必要があります。

3−1.明け渡し請求訴訟から、強制執行へ

明け渡し請求訴訟で被告が出頭し、話し合いで解決した場合は和解調書を作成します。

和解調書とは?
紛争を解決するために当事者同士が譲歩し、話し合いで問題が解決した場合、裁判所書記官が「和解内容」を調書に記載したものを和解調書といいます。

なお、被告が和解調書の内容に応じなかった場合には、強制執行が行われます。

また、こちらが必要書類を出した状態で、被告が答弁書を出さずに裁判を欠席した場合や自主的に建物を退去しない場合にも、建物を明け渡すよう強制執行が行われます。

3−2.強制執行

強制執行は、建物の明け渡しを含め、債権・法律上の権利を強制的に執行することです。

強制執行とは?
債権者(今回の場合は大家)が、債務者(この場合は家賃滞納者)に対して有すると認められた司法上の請求権を、裁判所に所属する執行官によって強制的に実現する手続きのこと。

明け渡し請求訴訟で勝訴した後は、強制執行の手続きを行い、執行官立ち会いのもと賃貸人に建物を明け渡すよう強制執行がおこなわれます。

明け渡し請求訴訟から実際の強制執行までは、一カ月程度の予告期間を設けて、家賃滞納者に対して「予告期限までに退去する」ように通知します。

4. 強制退去を求めるための条件

強制退去を求めるには【三ヶ月以上の滞納、相手に支払いの意思がない、貸主と借主の信頼関係が決裂している】といった条件をすべて満たす必要があります。

強制退去を求める条件
☑️ 三カ月以上の滞納
☑️ 相手に支払いの意思がない
☑️ 貸主と借主の信頼関係が決裂している

上の三番目にある『信頼関係の決裂』とは、決して債権者(今回の場合は大家)が家賃滞納者とケンカをしていたり、いがみ合っているという意味ではありません。長く未払いの状態が続いている場合、実質的に「信頼関係が壊れている」と判断され、強制退去が認められます。

4−1.強制退去が認められないケース

強制退去が認められないケースは、家賃滞納が一時的なものであり、相手に「支払いの意思」が見られる場合です。

また大家が建物の修繕を怠っていたり、勝手に部屋に侵入をしたり、カギを付け替えて入れなくするような場合は、家賃滞納者の立場を悪くし強制退去が認められないので注意しましょう。

5. 【重要!】強制退去で注意すべきポイントは3つ!

ここまでの内容を含め「強制退去で注意すべきポイント」をまとめてみました。

強制退去で注意すべきポイント
☑️ 家賃滞納者の神経を逆なでしないよう柔軟に対応
☑️ 実力行使はNG!家賃滞納者の占有権を侵害しない
☑️ トラブルは弁護士に相談する

それぞれの内容を、順に解説します。

5−1.家賃滞納者の神経を逆なでしないよう柔軟に対応

契約の条件に従わず、家賃を滞納する側に「非がある」のは明らかです。とはいえ、相手を刺激したり、相手に支払うよう強要をする態度では、家賃滞納者の神経を逆なでする恐れがあります。
相手が攻撃的な態度になるようでは、話し合いは決裂してしまいます。まずは相手の状況を確認した上で、こちらが部屋を明け渡して欲しいのか、家賃を支払って欲しいのか丁寧に説明をし、相手が応じやすい条件を出してあげましょう。

また交渉が難しい場合は弁護士に相談をし、家賃滞納者を刺激しないよう交渉を進めてもらうのが賢い方法です。

5−2.実力行使はNG!家賃滞納者の占有権を侵害しない

家賃を滞納している相手であっても、実力行使はNGです。実力行使をした場合、強制退去できなくなるほか、以下の行為については罪に問われる可能性があります。

罪に問われる行為

相手の部屋に無断で入室する行為 ⇒ 住居侵入罪
相手の部屋に居座る行為 ⇒ 不退去罪
大声を上げる、脅す行為 ⇒ 脅迫罪、強要罪
家財などを運び出す、壊すなどの行為 ⇒ 器物損壊罪

5−3.トラブルは弁護士に相談する

家賃滞納者のトラブルは、弁護士に相談するのが一番です。私たちはお金が絡んでくると、どうしても感情的になって、冷静な行動ができなくなります…。

「お金が払わない相手が悪い!」という気持ちはよく分かりますが、実力行使をした場合には、こちら側が不利になり 家賃滞納以外のトラブルにまで発展します。

家賃滞納でお悩みの方は、トラブルを最小限におさえるためにも早い段階で信頼できる弁護士に相談しましょう。

弁護士に依頼をすれば、家賃滞納の問題を強制執行するまでの段階で、早期解決できる可能性があり、交渉が上手く行けば売却までの時間もより短くなります。

6. 【お金の問題】強制退去に必要な費用

強制退去に必要な費用には、督促状から内容証明郵便の費用、訴訟の費用だけでなく、強制執行時の解錠(カギを開ける)費用や、荷物の運搬費用まで。また、廃棄するものがあれば処分費用も別途必要になります。

強制退去に必要な費用(一覧)

督促状などの通知費用 切手代、電話代など
連帯保証人への通知費用 切手代、電話代など
内容証明郵便の送付費用 内容証明料 420円
書留代 420円
配達証明料 300円
郵便料金 80円
明け渡し請求訴訟の費用 収入印紙代 65,000円
予納郵便切手 6,000円~
強制執行の費用 解錠費用 2万円以上
荷物の運搬 10万円以上
廃棄処分費 2万円以上

このほか、弁護士に「明け渡し請求訴訟」を依頼した場合、相談料・着手金・報酬金を支払います。

着手金の相場は4%〜8%なので、滞納している金額が50万円であれば「2万円〜4万円」を目安にしましょう。また報酬金は回収した費用の約4%〜16%を目安にしてください。先程の例であれば(滞納金50万円)約2万円〜8万円が報酬金の相場となります。

なお弁護士事務所によって、実際にかかる費用はそれぞれ異なります。家賃滞納者の問題でお困りの方は「どのくらいの費用で解決するのか」、まずは必要な費用について相談してみましょう。

7.告知事項(こくちじこう)

最後に補足として、告知事項(こくちじこう)の説明をしておきます。

告知事項とは、契約時に知らせる必要がある情報のことです。例えば、家賃滞納者のいる物件の場合「物件の瑕疵」に準じたものであり、告知の義務が生じます。

瑕疵(かし)とは?

家賃滞納者がいることを買主に伝えなかった場合、告知義務違反となり損害賠償が発生してしまいますので、過去の滞納も含めてしっかりと伝えるようにしましょう。

8. まとめ|家賃滞納者のいる不動産売却は弁護士と一緒になって対応してくれる不動産屋さんに相談すれば安心!

大家さんにとって「家賃滞納」は深刻な問題です。家賃の未回収+物件価値の下落というWのダメージを改善するために、まずは家賃の督促を進めましょう。

相手との交渉が難しい場合や、相手が支払いに応じない場合は、「不動産の問題解決に強い」弁護士に依頼をするのが一番です。

なお弊社グループ会社には不動産の問題解決に強い弁護士事務所があるため、家賃滞納者の問題や明け渡し請求訴訟についてもワンチームで対応できます。また家賃滞納者によって債権回収ができない状態での税や損失の問題も安心してご相談頂けます。

家やマンションを売ろうと考えているなら、とにかく早めの査定を

家の売却には平均的に6ヶ月から1年、マンションの売却には3ヶ月から6ヶ月もの時間がかかります。急ぎで住居を移らなければいけない事情が発生した場合でも、いきなり売却できるわけではありません

また、家やマンションの売却価格は時期などによる需要で大きく変動します。急いで売りに出すと価格交渉で不利になる可能性があります。

今すぐに不動産の売却を考えていない場合でも、早めの査定をおすすめします。査定に出したからといっても必ず売却しなければいけないわけではないので、相場感を把握する目的でも利用できます。 ※不動産売却が既に決まっている方は急ぎ査定を貰いましょう

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